やはり映画が面白い。
マレーシア在住10年超の人ならば、記憶の片隅に残っているであろう女黒魔術師モナ・フェンディをモデルにした作品『Dukun』が12月14日に公開される。
当地ではまだまだマレー系に呪術信仰があって、ボモといわれる呪術師が病気の治療をしていることなど多い。
また古い話なので気が退けるが、モナ・フェンディは13年前にパハン州の議員を多額の報酬と引き換えに透明になれるという黒魔術をかけると騙し、殺害。死体を18片に切り刻んだ残虐性が人々の話題となった。
逮捕後も法廷に向かうモナ・フェンディが薄ら笑いを浮かべた姿がテレビに映し出され、その薄気味悪さも人々に長く記憶に残されている。
ボクもここ10年で最大の猟奇事件として印象に残っている。
そのモナ・フェンディも5年前に絞首刑となり、刑場の露と化した。
ただボクは、彼女の最後の食事だった当地でも人気のファースト・フードの鶏から揚げを喜んで口にしたという報道の一文に妙な救いを感じたが。
『Dukun』はマレーシアを震撼させた大事件を題材に扱うという企画力にまず感心するしだい。監督は、ロンドン在住のダイン・イスカンダールという短編映画やドキュメンタリー畑の人。長編映画は今回初挑戦のようだが、ドキュメンタリーの経験でプライバシーの許す限り、実際の事件を忠実になぞってほしいものだ。
そして毒女モナ・フェンディを演じるのが、ウミ・アイダ(Umie Aida)だということにも喝采。彼女は実姉エルマ・ファティマ監督による戦争映画『Embun』でマレーシア映画祭最優秀女優賞を獲得した演技派。
決して万人が美人と認める顔ではないが、情念的な女性を演じさせたらピカイチの存在だ。
そしてもうひとつ印象付けられるのが映画界もプロモーションが向上してきたこと。12月公開だが、一般紙に広告も掲載し、ホームページも立ち上げた。
ただおどろおどろしさばかりを強調したホラー映画にとどまってしまうならば、過去のマレー・ホラー映画のレベルからみる限り、駄作になってしまう危惧もあるが…。
極上の素材なので、不可解な人間の底知れぬ怖さを強調して調理してもらいたいものだ。
AGENT: Mozilla/5.0 (iPhone; U; CPU iPhone OS 4_3_3 like Mac OS X; ja-jp) AppleWebKit/533.17.9 (KHTML, like Gecko) Version/5.0.2 Mobile/8J2 Safari/6533.18.5
この時ちょーどマレーシアに住んでいましたよ、実際
人肉を食べたらしいですね。
AGENT: Mozilla/5.0 (compatible; MSIE 9.0; Windows NT 6.1; Trident/5.0)
通りすがりさん、当事のインパクトはすごかったですね。
ちなみにこの作品 『Dukun』は、国内公開禁止の憂き目をみました。しかし、ダイン・サイド(Dain Said)監督は、今年『Bunohan』という作品を発表し、名声を得ました。
5年間、長かったなぁ。