東南アジア杯準決勝第2レッグ、シンガポール対マレーシア戦は、延長の末1-1の引き分けで、PK戦となり、5−4でシンガポールが連覇に向けて決勝に進出した。
ちょっと熱くなるつもりはなかったのだが、見ごたえのある試合だった。両国は、日本における日韓戦のような宿命のライバルの関係で、心の底ではお互いの感情は決してよくない二国間関係から代理戦争の趣さえ感じられる。
あらためてシンガポール代表をみると組織力がある上、個人技のある帰化した白人系とアフリカ系の3人が出場し、総合力が高いチームだ。対するマレーシアは、組織的な守りを重視した堅実なチームという印象。
試合は前半0-0で折り返した57分、エディ・ハルミのゴールで先制。しかし、シンガポールが74分に同点に追いつくという第一レッグと同じ展開。ここまで必死のディフェンスでしのいできたマレーシアにとっては、集中力の持続の課題が再び持ち上がったが、その後の気持ちの切り替えで、いやな流れを断ち切った。延長選に入っても、反則も辞さない捨て身のディフェンスで、06年W杯アジア予選の日本戦で得点したインドラと本大会ラオス戦で7得点と好調なノル・アラム・シャーのシンガポールの2枚看板FWを抑えきった。
攻撃陣もハイルディン・オマールとシュコール・アディンが終了間際まで、いい動きをみせたが、ゴールを割ることができなかった。
120分の死闘の決着は、PK戦となったが、分があるのがシンガポール。昨年の定期戦2戦とも、シンガポールがPK戦で勝利している。
シンガポールが先行のPK戦は、両チーム4人目までが決める緊迫した展開。
シンガポール5人目のキックをコースを読んでいたGKシャムスリ・ムスタファが指先に当てるものの、球威を止めることはできず。終幕は、マレーシア5人目のキリル・ムヒミーンの蹴った力のないシュートが、シンガポールGKのグラブに収まった瞬間だった。
キリル・ムヒミーンは、延長終了間際にここまでチームを引っ張ってきたハイルディンに代わって、投入された若手選手。大舞台の弱さが出てしまった。