マレーシアがスポーツの世界的ブランドの力のを欲しがっているという話。
ヨーロッパのサッカーが終盤に近づくと、有力サッカー・クラブ夏にアジアや北米といったサッカー後進地域にツアーを組むのは例年のスケジュールになってきている。
平たく言えば営業興行という感じで、今年は久々のプリミア・リーグ制覇を果たしたマンチェスター・ユナイテッド(マンU)が、7月17日から日本、韓国、マカオ、そして、マレーシアを訪れる予定でいる。
ところが、マレーシアでの親善試合開催に関して、FIFA(国際サッカー連盟)とAFC(アジア・サッカー連盟)から、7月7日から29日まで東南アジア4カ国共催のアジア杯期間中にあたるので、マンUのアジア・ツアーを差し控えるべきとの異議が出された。
AFCがあるマレーシアは、一旦はマンU招致を諦める態度を示したが、10日にはアズリナ・オスマン・スポーツ大臣が、11日にはアブドゥーラ首相が「なんとかマンUを来させてくれないか」と発言している。
その背景には、マレーシアが今年独立50周年を祝うこと、そして今年がマレーシア観光年であることがある。
アブドゥーラ首相が発言した様子からは、「まぁ、事情はあるだろうけど、ウチの国に来てくれないもんでしょうか」という一般人を代弁した感じの発言だった。少なくとも首相自ら進んで発言したわけではなく、ちょっと会見の時間が余ったからコメントした感じだったので、政治的なにおいや利害が絡む団体から圧力がかかったものではないだろう。
それでFIFAが異議を申し立てているのは、選手の過密スケジュールを問題視しているのが建前だが、有力クラブの金稼ぎツアーを快く思っていないのが理由らしい。
でも、マレーシアのような国のファンにとっては、有名選手が参加しなくても、試合はお遊びであっても、マンUはマンUで大喜びだ。
ちょっとここで、アブドゥーラ首相が発言したおかげでFIFAも折れれば、首相の人柄の勝利だと思うのだが。
ちなみに言うと、マンUとマレーシア選抜の親善試合の予定日は、7月27日。一応、マレーシアが会場のアジア杯の試合(準決勝)は、25日で終わっている。(29日にジャカルタで決勝戦がある)
ただ、AFCとしてアジア杯開催中は、サッカーイベントを開催しないという誓約をFIFAと交わしており、この状況だとマレーシアだけでなくAFCに加入している日本を含む誘致国も対象となる可能性がある。
週明けには、FIFAがあらためてこの件に関して、発言するらしい。
しかし、今になって…、という話だ。