まずは、写真から。
(写真は、ニュー・ストレート・タイムズから)
青い頭を見せるのは、ヤスミン・アーマッド(Yasmin Ahmad)監督の『Sepet』、『Gubra』にオーキッド役で主演した女優シャリファ・アマニ(Sharifah Amani、21歳)。
ヤスミン監督の新作『Muallaf』に出演する役作りのために剃髪したとか。
ところがイスラム発展局(Jakim)から「イスラムは女性が剃髪することを禁止している」とクレームがついた。どうもイスラムでは、女性が男性のように振舞うのは好ましくないとしている。同じ論理でオカマも好ましくない対象になっている。(でも、マレーシアでは女装オカマはマレー系ばかりだが…)
当局者は、他にも「人気や話題を得るために宗教をなえがしろにしてはいけない」、「今の芸能は、西洋社会に触発されて、オープンすぎる」ということを批判の理由にしている。
しかし、マレー芸能界のどの辺がオープンなんだろうかなぁ、という気がしてしまう。
さてアマニだが、マレーシア映画祭で『Gubra』の主演により、最優秀女優賞を獲得した時も「私がマレー語で話すとバカみたいに聴こえるから、英語でスピーチする」と発言した時にもパッシングが起こった。また、ヤスミン監督が『Sepet』を公開した後にも、頑迷な保守層から「イスラム教徒と非イスラム教徒の恋愛を描くべきではない」などといった批判が起こった。
社会倫理に加え、政治、民族、宗教の敏感な問題など映画表現への規制の風当たりが強いマレーシア。果敢に表現に挑むヤスミン監督ととんがっている女優アマニのコンビの表現の自由への戦いにも注目したいところだ。
気になる『Muallaf』の方だが、ヤスミン監督の前作に『Mukhsin』主演したアマニの実妹シャリファ・アリシャ(Sharifah Aleysha )や歌手のニン・バイズーラ(Ning Baizura)の出演などが予告されている。
来年公開初旬とのこと。
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剃髪について、両親はしっかりサポートしていて好感が持てます。
また、父親が娘のその頭を見て、突然外出し、帰ってきたときには
同じような剃髪頭だったというほほえましいエピソードが新聞に
掲載されていました。
英語新聞は今のところこの問題にリベラルな態度で臨んでいる
ように見受けられますが、ネギシさんどうですか?
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アジケトさん、テーマを提供していただいてありがとうございます。
剃髪のニュースや母親のコメントは、ニュー・ストレート・タイムス(NST)系の英字紙が取り上げていましたね。NSTの論客には、ヤスミン監督も名を連ねているので、割と好意的な感じです。
今日(21日)になってもうひとつの有力英字紙もコラムで、「坊主頭になったからって反宗教的であることとは別物」、「宗教指導者は、もっと他にするべきことがある」という論調のコラムが出ました。
ロッカーの長髪が若者の退廃を助長するとか、ブラック・メタルが悪魔信仰とか、まぁ、イスラム教徒にはすべからずこういった問題が取り上げられます。
「政治家はいびれないから芸能人をいびる」のがマレーシアの常ですねぇ。