今夜、マレーシア音楽界の権威AIM(マレーシア音楽産業賞)08が行なわれる。
15年目を迎える今回は、賞の歴史最大の部門賞改革が行なわれるので、ちょっとばかり触れておこう。
最大の改革は、言語的に多様化する音楽界を公平に評価すること。
<最優秀英語アルバム>に加え、<最優秀中国語アルバム>、<最優秀タミール語アルバム>部門が新設された。また、国外のマレー語音楽もシンガポール出身アーティストも増えてきたために既存の<最優秀インドネシア・アルバム>が、<最優秀外国人によるマレー語アルバム>に改称されている。ちなみに中国語部門には5作、タミール語部門には4作ノミネートされている。
さらに<最優秀アレンジ曲>もマレー語部門と非マレー語部門に分けられ、マレーシアがマレー語とそれ以外の言語で音楽文化を発信していく道筋を示していく。特に非マレー語部門で、アラビア語アルバムをリリースしたベティ・ベナフェみたいなケースも評価の対象にしているところに改革の意図がみられる。
同時にメインストリームであるマレー語音楽の縮小も図られている。
いままで5つあった部門賞は、<最優秀ポップ・エスニック・アルバム>、<最優秀ナシッド・アルバム>、<最優秀ポップ・アルバム>、<最優秀ロック>に整理された。これはかねてから批判があったハードロックとポップロックに分けられていたロックを統合したもの。これえだけではなく、いままでこれらの部門賞の獲得者が候補となる<最優秀アルバム>賞を廃止し、かなりAIMにおける“マレー語上位感”が薄まった。(事実誤認でした。存続しています)ただ、今年は<年間最優秀曲>は、マレー語曲から選ばれる。
また、オーデション番組出身のアイドルも幅を利かせている昨今。そういったアイドルの評価を<期待される新人>を増設し、受け皿にしたところもグラミー賞を意識しているAIMらしい。
さて、肝心の賞レースの方だが、こういった改革のおかげで、“○○対××”という構図も薄まってしまった。今年は、シティ・ヌルハリザ(Siti Nurhaliza)が4部門、ダヤン・ヌルファイザ(Dayang Nurfaiza)が3部門ノミネートで対決という感じ。でも、本当の賞レースのトップは、アヌアー・ゼイン(Anuar Zain)の方ではないかという観も否めない。
新人では、先月のプラネット音楽賞で新人賞など2賞を買う得したファイザル・タヒル(Faizal Tahir)、もうひとつの音楽賞の権威ジュアラ・ラグで<バラード部門>を獲得したカエール(Kaer Azami)、プラネット音楽賞で<最人気曲賞>など2賞とジュアラ・ラグで<年間大賞>を獲得したESTRANGEDの対決がみどころ。
AIM08は、午後9時から地上波地元局NTV7で生中継。
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