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アジア・パシフィック・ラリー選手権(APRC)開幕戦でみえたプロトンの潜在性 – アサ・ネギシのページ/Music Raja
アサ・ネギシのページ/Music Raja
マレーシア・ライターの見聞録

アジア・パシフィック・ラリー選手権(APRC)開幕戦でみえたプロトンの潜在性

 前回のアジア・パシフィック・ラリー選手権(APRC)記事で、ちょっと書き足りなかったことを少し。

 4月24、25日に行われたAPRC開幕戦マレーシアン・ラリーでは、旧知の田口勝彦(MRF・タイヤ)が優勝という結果だったが、プロトン・R3・マレーシアの強さも目だった戦いだった。初日は、アリスター・マクレー(プロトン・R3・マレーシア)が、田口を17秒リード。2日目のSS11で、マクレーのリタイヤ。田口はまだ慣れないエボX(10)をセーブしながら、慎重にゴールに運んでの優勝だった。
 プロトン・R3・マレーシアのマシンは、「サトリア・Neo R3」という車種がベースとなっている。このカラーリングを観ていただければ、一目瞭然。今季からフォーミュラ・ワン(F1)に参戦している名門ロータス仕様である。
 

 本ブログでも書いたとおり、英スポーツカー・メーカーのロータスは、こともあろうにマレーシアの国産車メーカー、プロトンの子会社となっている。16年ぶりロータスのF1復帰に際して、厳しい自動車業界の世界的大編制の波に乗れているとは言いがたいプロトンは、資金面でのロータスF1への貢献は大きくないのが実情。まぁ、トヨタとHondaがF1を撤退していったようにF1車両は、市販車の技術にフィードバックできるものは多くなく、単にブランド力向上の広告塔に化しており、プロトンとしても金食い虫への無駄な投資は避けているというのが本当のところだろう。
 そんな現状でのプロトンの選択は、市販車の技術にフィードバックできるラリーとなったということ。このサトリア・Neo R3も、サスペンションなどの足回りなどにふんだんにロータスの技術が組み込まれている。
 田口もプロトンの速さについて、「日本(次戦は北海道ラリー)ではこちらは更に苦戦するでしょうね」とコメントしている。
 皮肉なことに97年から02年までマレーシアでのラリー修行時代は、プロトンの車両を駆ってレースをしていた。そのときのプロトンは、三菱との提携としており、車両は限りなくランサーに近いものだった。古巣のプロトンが、本気印の車両を開発し、田口のライバルになっていおるという構図も面白い。
 ちなみにプロトン・R3・マレーシアのアリスター・マクレーは、ワークス・チーム(メーカー直営チーム)のドライバーで、三菱やマツダなどでレースをしたことがある。昨年は、ダカール・ラリーにも参戦したラリーのオールラウンダーである。また、クリス・アトキンソンは、昨年シトロエンから最高峰の世界ラリー選手権(WRC)に参戦していた。
 強力なライバル出現で、田口の戦いが楽しみな今季のAPRCである。
田口勝彦公式ページ
三菱モータスポーツのページ

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