KRUフィルムの次なる一手は、大作志向のアクション時代劇

　90年代には音楽界の仕掛け人として活躍、最近では映画界でも辣腕振りを発揮している3兄弟KRUの次なる一手は、国際進出を目指した大作志向の強い作品となる模様。

（YouTubeで公開されている予告編。画像はリンクになっておりませんので、こちらをクリック）
　KRUフィルムは、06年、第一作の『Cicak-man』が興行成績歴代3位（当時）となるRM520万を稼ぎ出すという華々しさで、映画界に進出。その後も、『Duyung』、『Cicak-man2』、『Jin Notti』、『My Spy』などエンターテイメント性の強い作品をリリースしてきた。
　来年公開予定のユスリ（Yusri）監督による『Hikayat Merong Mahawangsa』（メロン・マハワンサの叙事詩)は、RM800万（約2億2400万円）という地元映画としては破格の予算。英国やスウェーデン人のキャストを起用しているほか、マレーシア交響楽団が映画音楽を担当するなど、脱地元映画を目指したものとなる。
　
　同作の原作は、16世紀に記されたメロン・マハワンサの年代記。
　メロン・マハワンサは、ケダ王家を興した英雄で、マケドニアのアレキサンダー大王の血を引くという。
　物語の舞台は、紀元120年。ローマ帝国の皇子と中国・漢王朝の皇女が中立の地で婚姻するという話が持ち上がる。インドのゴアに立ち寄ったローマ皇子の艦隊は、護衛としてメロン・マハワンサに同行を依頼する。メロン・マハワンサは、マラッカ海峡で漢皇女の誘拐したガルーダ国と戦いに臨む。
　東西に並び立つ強国の運命を握るのは、マレーの英雄メロン・マハワンサ、というとてつもないスケールの話なのだ。
　KRUによれば、撮影は昨年に終了し、現在はCGなどポストプロダクション作業中とのこと。
　また、KRUの長兄でグループCEOのノーマンによれば、「カンヌで34カ国が同作の配給に興味を示している」としている。
　まぁ、作品も、話題性も、大風呂敷というか、花火を上げるのが好きなKRUらしい話なのだ。
　しかし、メロン・マハワンサという人物の話の史実性は、“とんでも本”レベルだとも思うが…。でも、マレー版『義経=ジンギスカン説』みたいな感じで、楽しむのがいいのかもしれない。
　詳細は、KRUスタジオのサイトで。

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