音楽界の状況は、Ouたstationさんがコメント欄で仔細にレポートしてくれた通りの現状。
「アルバムの数がない、曲数がない、濃さがない」という感じで、寂しい限り。
そんな状況で手にしたのが、コレである。
大御所シーラ・マジッド(Sheila Majid)デビュー25周年を記念した8枚入りのボックスセット。過去にもマレーシアで豪華装丁のCD商品というのは、存在したけれども、ベスト盤の類い。歴代のアルバムだけを集めたボックスセットは、初ではないかと思う。
ちなみに収録されているアルバムは、以下。
『Dimensi Baru 』(85)
『Emosi』(86)
『Warna』(88)
『Legenda』(90)
『Ratu』(96)
『Ku Mohon』(99)
『Cinta Kita 』(04)
すべてスタジオ録音のアルバム。ライブ盤や企画アルバムでの新曲などは、含まれてはいない。(ただ、『Ku Mohon』は、00年リリースのもので、ボーナス曲が入っているバージョン)
以上に加えて、新曲「Dangarkanlah」が収録されたシングルが同梱されている。
ボクは、『Legenda』からのリスナーで、デビュー作『Dimensi Baru 』からの3作が完全な形で聴きたかったので、高額商品(RM99)にもかかわらず、購入した次第。
くどくどと思い出話に浸りそうなので、自制の意味を込めて一つだけ…。
96年リリースの『Ratu』は、元ダンナのロスラン・アジズとの最後の作品となった作品だった。あの頃、シーラとロスランは、アルバムに時間も、人も、お金もふんだんに次ぎ込むことができた。日本人バイオリン奏者・金子飛鳥に依頼をしたものの、スケジュールが調整出来ず、KLでの飛行機の乗り継ぎ時間の合間にレコーディングしてもらったそうだ。
このレベルの作品は、今後ももう出ることはないだろうなと思う。
90年代のは、ミュージシャンがアーティストたり得た仕合せな一時期だった。
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自分も最近新譜で購入するCDと言えば、ボーナストラックとか、DVDが付いている旧譜のリマスター(元々は洋楽派なので、、)、というパターンが多いので、アサさんの気持ちは理解出来ます。日本だと、今も中古CD屋がたくさんあるので店をハシゴすれば、希望の商品に出会える、ということもあるのですが、マレーシアだと旧譜を探すのは困難だと思うのでこういう企画盤は歓迎してもいいと思います(Sitiあたりがこういう企画盤を出してくれれば購入しますけどね、、)。逆に、これらのCDを偶然聞いた若い世代のアーティストが、”こんなアルバムを自分達でも作ってみたい”と思ってくれれば、なんて思ってみてもよいのでは? 自分は今のような環境でも、その気にアーティスト側がなってくれれば、すばらしい楽曲、アルバムはいくらでも出来る、と信じてますが。
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Ouたstationさん、そうなんですよ。
マレーシアがカセット時代を終えたには、05年ぐらいのこと。カセット時代のアルバムのCD化には、つい手が出てしまいます。
シーラは、特にファンというわけではないですけれど、非常に贅沢なアルバム作りをしていた時代への憧憬ですね…。
ええ、ホント、彼女のようにアーティストとしてわがままを突き通すことの姿勢が、いまのアーティストを動かしてもらいたいです。