ちょっと月をまたいでしまったが、29日に行われたマレー歌謡界最大のイベント、ジュアラ・ラグ賞(Anugerah Juara Lagu)26の結果を。 今年は、アカデミ・ファンタジア(AF)出身ハフィズ(Hafiz)の「Awan Nano」が大賞に輝いた。ハフィズは、同曲で2年連続となる最優秀ボーカル賞も受賞した。 準大賞には、ニン・バイズーラ(Ning Baizura)、ジャクリーン・ビクター(Jaclyn Victor)、シーラ・アムザ(Shila Amzah )の3人の女性シンガーによる共演曲「Beribu Sesalan」、3位にはファイザル・タヒル(Faizal Tahir)の「Karma」が入った。 また、最優秀パフォーマンス賞には、アリヤ( Alyah )の「Kisah Hati」が選ばれた。 今年も「熱唱命、心を動かしてナンボ」のジュアラ・ラグらしい結果だ。 ハフィズは、“人気優先で実力は二の次”と言う感じで音楽賞での評価から外されてきたAF組としては、快挙ともいえる受賞だった。AF出身組には、“人気投票王”の異名を誇ったマウィ(Mawi)がいるが、ハフィズは、音楽界での存在という意味でマウィを超えた観がある。 また、「Gadis Semasa」と「Penakut」の2曲をエントリーして注目されたユナ(Yuna)は、 マレー歌謡の砦というジュアラ・ラグという特殊性というか独自性に泣いた観があった。簡単に言うとジュアラ・ラグは、ドラマ的な展開や熱唱重視のマレーらしい歌を選ぶので、ユナの曲の評価の場ではなかったようだ。曲の抜群のアレンジセンスも、無理やりオーケストラのアレンジにあわせて、良さが消えてしまった。 良くも悪くも“ジュアラ・ラグらしい”という一言で片付けられるのだ。 まぁ、音楽性では、あまりポジティブに聞こえないジュアラ・ラグだけれども、アルバムでなくて、シングル1曲でもエントリーすれば、評価の対象になるという伝統は、奇しくもデジタル配信時代に合っていて、音楽界全体のてこ入れ役にはなっていると思う次第。 個人的には、マレーらしい歌を選ぶジュアラ・ラグは、いつでもブレのない音楽界の立ち位置を示しているので好きである。 はいはい。「あんたの嗜好も思考も、全然進歩しないね」と言われるのは、覚悟していますよ。 <ジュアラ・ラグ賞26候補曲> 曲、アーティスト、作詞/作曲 「Sungai Lui」/アイザット(Aizat) /Aizat&Anas / Aizat&Anas 「Awan Nano」/ハフィズ(Hafiz)/ M.Nasir/Budi Hekayat 「Kisah Hati」/アリヤ( Alyah )/Manusia Putih/Manusia Putih 「Kalau Berpacaran」/スハイミ・ミオール・ハッサン(Shohaimi Mior Hassan)、アナ・ラファリ(Ana Raffali)&アルティメット(Altimet) /Shohaimi Mior Hassan/Shohaimi Mior Hassan, Ana Raffali & Altimet 「Beribu Sesalan」/ニン・バイズーラ(Ning Baizura)、ジャクリーン・ビクター(Jaclyn Victor)&シーラ・アムザ(Shila Amzah )/Kevin Chin/Tinta 「Wanita Seluruh Dunia」/Projek Pistol /Boy Clifford/Boy Clifford 「Karma」/ファイザル・タヒル(Faizal Tahir)/Audi Mok&Faizal Tahir/Audi Mok&Faizal Tahir 「Kekanda Adinda」/アトリア(Atilia) & Monoloque /Monoloque/Monoloque 「Gadis Semasa」/ユナ( Yuna)/Yuna/Yuna 「Penakut」/ユナ(Yuna)/Yuna/Yuna 「Sedetik Lebih」/ジャクリーン・ビクター(Jaclin Victor) /Edry Abd Halim/Edry Abd Halim 「Cinta Muka Buku」/ナジワ・ラティフ(Najwa Latif)/Najwa Latif/Ika Latif