旅の終わり

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 最終日は、みやげを買い、友人Fが空港まで車で見送ってくれた。

袴腰のフェリー乗り場

 通常は吉野を経由してそのまま高速道路で空港へ行くところを、時間的に少々余裕があるので桜島経由で行こうかということになり、フェリーに乗る。ふと温泉に入りたくなり、袴腰(※1)近くの温泉に入ったまではよかったが、余裕ぶっこいていたのが大失敗。いい気分で出てきたと思ったら、Fのちょっと焦り気味の一言「間に合わんかもしれんどー(※2)」。。。
 急いで桜島の溶岩道路の中を半周し、大隅半島を海岸沿いに北上。ひたすら空港へ向かうが、行けども行けども空港の「く」の字も見えやしない。どこまでも桜島の雄々しい姿が見えたまま、時間だけが刻々と進む(※3)。
 ようやく「鹿児島空港」の標識が見えてきたのは、出発15分前だった。「ほんならな、あいがとなー(※4)」と、別れのあいさつもそこそこに降車したのが出発7分前。お盆休みで出かけていた人や、何かの大会の為に搭乗するらしき学生さん達でごった返すロビーをかき分け、チェックインカウンターへ猛ダッシュ。結果、ギリギリセーフ。ふ〜っ。
 以前、マレーシアツアーの際に、トランジットがうまくいかずマレーシア空港を端から端まで全力疾走したことや、札幌での取材の仕事が長引いて最終便に駆け込み乗車(?乗空)したことを思い出しながら、ほっと胸をなで下ろした。やっぱ、飛行機とは相性が悪いんやろか?

袴腰近くの公園。ゴロゴロしているのは、すべて溶岩。

 こうして、今夏の大きなイベントは幕を閉じた。
 いつものことながら、羽田から浜松町へ向かうモノレールでは、なんとも言えずセンチメンタルな気持ちに打ちひしがれる。それが日常へ戻ることへの安堵感なのか、故郷を離れた寂しさなのか、よくわからない。また、それが気持ちいいのかよくないのかさえもわからない。
 以前は飛行機に一切乗らず新幹線で帰省していたので、それなりの時間の経過と共に感傷は和らいでいたのだが、飛行機はごく短い時間に別世界に踏み込むので、気持ちの切り替えには多少の時間を要する。ただ今回は、みやげを渡すと称して友人とそのまま飲みに行ったので、その感傷が比較的早めに薄れていったのは幸いだったかもしれない。
 生まれ育った故郷があるということ、故郷の友人がいるということを、今回の帰省ほどありがたく感じたことはない。それは年のせいなのかもしれないが、ある種の誇りのようなものでもあり、逆に田舎者の戯言かもしれない。
 しかしながら、少なくとも「ほっ」としつつ、大切なものを見つけたような気がした数日間であったことは確かだ。
※1:はかまごし/桜島側のフェリー乗り場。
※2:間に合わないかもしれないよー(って、これくらいはわかりますよね)。
※3:鹿児島県の地図を見て頂くとわかると思いますが、桜島は錦江湾周辺のどこからでも見えるので、大隅半島をひたすら北上しても桜島が見えているうちは空港はまだまだ先なのです。
※4:それじゃぁね、ありがとうね(…って、これもわかりますよね)。

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観光バス

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中央駅前にある薩摩藩留学生の記念碑

 次の日は特に予定もなかったので、一日どう過ごすかを、二日酔いのボ〜ッとした頭で考えた。桜島に渡ってふるさと温泉でも行こうかとか、黎明館で涼みながら歴史を楽しもうかとか、思い巡らすもののなんとなく腰が上がらない。
 朝食後、ふとホテルのフロントを見てみると市内観光バスのパンフが目にとまった。東京にいてもはとバスに乗ったことがないように、鹿児島にいた頃も観光バスでちゃんとしたコースを回ったことがない。時間的にもいい感じだし、これにしよう決め、西駅…もとい中央駅に向かった。
 バスに乗り込んだものの、お客さんはほとんどおらず、全部で10人ほど。気分的にもゆったりできそうだ。
 こういうベタな観光は、自分から馴染んでいかないとつまらないと思い、ガイドさんの話も真剣に聞きながら、市内の名所を巡る。
維新ふるさと館
 出発してすぐ、維新ふるさと館で幕末〜維新にかけての立体パフォーマンスを見たあと、ザビエル公園・照国神社・鶴丸城跡・西郷どん・薩摩義士碑をバスの中からのぞき、城山展望台で桜島と市内を一望。西郷洞窟を経たのち、西南戦争で散った魂達の冥福を南州墓地で祈る。そして仙厳園(磯庭園)と隣接する尚古集成館ではちょっと長めに観覧し、桜島桟橋前を回って天文館で下車。
 しめて3時間30分。ざっと見ただけだが、それでもけっこう充実感はあった。観光バスも乗ってみるもんだ。

薩摩のヒーロー西郷どん
最近お化粧直しをされたらしい

 それにしても、南州墓地って行ったことがあったんだろうか?小中学校の遠足で行ってるはずなんだが、覚えがない。それだけに、西郷どん初め、桐野利明・篠原国幹・村田新八ら、諸将の墓石が新鮮だった。
 あと、磯庭園は吉野台地のちょうど下に位置するのでけっこう遊びに行っていたが、集成館に入ったのは始めてだったので、もっとじっくり見たい気もした。
 しかしながら、ヒマつぶしにしては、なにげに実入りの多い市内観光だった。西郷どん達と最後まで戦った5人兄弟の逸話とか、鶴丸城跡には根を広げた珍しい種類の木が石垣にへばりついてるとか、熟知しているようでも意外と知らなかったことってけっこうあるものだ。「へーそうなんだー」と感心しながら、今更ながらだけど得した気分になった。今度帰省したら、また別のコースに乗ってみようかな。
 そして夜は、鹿児島到着時から毎日のように世話になっている高校時代の友人Fとしっぽり飲ン方。心地いい疲れと共に、鹿児島最後の夜は静かに、あくまでも静かに、終わった。。。

さだっ(夕立)に煙る大好きな桜島を、磯庭園から臨む
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吉野中30期生同窓会

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 くたくたの身体で熟睡し、気が付けば同窓会の30分前。やべぇーと急いで準備をし、電車(いわゆるチンチン電車)に乗って悠々行くつもりだったのが、そんな余裕もなく即タクシーに飛び乗った。
 会場に着くと、あっちでもこっちでも、すでに「わぃはだいやったけ?」「○○よ。わからんとか!」「なぁ!? わからんじゃったどー。肥えたもんじゃ」(※1)とかいう会話があちこちで聞かれる。記憶の底にある懐かしい顔がそこらじゅうにある。しかし、名前がなかなか出てこない。クラスごとのテーブルに置いてある名簿と中学の時の写真とを重ね合わせて、やっと思い出す。意外と男子の方が、出るところは出て上がる部分は上がりと、容貌もずいぶん変わった人が多く、女子はそのまま綺麗にお年をめした感じだ。いずれにせよ、みんないい年の取り方をしていて、幼い頃の面影はそのまんま残っている。たしかにあの頃の顔が、声が、会場にあふれていた。
 開会の挨拶や、先生方のご挨拶、写真撮影と、どれもこれも和気あいあいと楽しく和やかに進行する。だれもがみんな笑顔をたたえている。先生方も、本当にお元気だ。僕らを受け持ってくれてから30年、今僕らはその世代になっている。あの頃は怖かった先生方も、今日は一緒に焼酎を酌み交わせる。鹿児島の郷中教育の名残からなのか、少なくとも僕らの世代は先生が絶対の存在だった。しかし、先生達は一所懸命教育してくれた。一緒に泣いてくれていた。身体を張って真剣に怒ってくれていた。そして今日、心から喜んでくれている。

6組担任のお名前を拝借したTシャツ。
とっても着心地がいい(^_^)。

 昔話はとどまることを知らない。そのうち、クラスを離れて、あっちこっちで小学時代の話まで遡る。吉野中は当時、3つの小学校の卒業生が通うマンモス校だった。1クラス40人ほどが10クラスある。人数も多ければ、各小学校での思い出も深い。「竹馬を作っせー遊んだどねー」「じゃったじゃった、わいげーの裏ん山で竹を切っせーよ」(※2)とかなんとか話をするうちに、時間はどんどん過ぎていく。会話に熱中するあまり、ビールや焼酎は進むのだが食べ物はほとんど手つかずのままだ。おかげで、写真を撮るのもすっかり忘れていた…。
 最後はおきまりの校歌斉唱だが、このときほど校歌っていいもんだなぁと思ったことはない。僕はブラバンだったので、伴奏するばかりで歌うことは少なかったのだが、ちょっとだけこみ上げてしまった。
 楽しい時間ほど、過ぎるのは早い。興奮と感激のうちにあっという間の3時間が過ぎ、それぞれクラス別に2次会へ突入。それにしても、僕らのクラスはひときわ出席率が高い。これも、幹事の3人が一生懸命頑張ってくれたおかげだ。
 住所探索から始まり、細かい事務作業や各人への連絡、企画の準備等々。さらに当日は、我がクラスのテーブルだけに置かれた、中学時代の写真をラベル代わりに貼り付けた特注特大焼酎。担任の先生の名前を拝借してプリントしたTシャツ。同窓会後の連絡用の絵はがき。BGM用に用意した当時流行った曲。さらに、これはうまいからと2次会用に用意してくれた焼酎「紅一刻」と、それを割る為に、同窓会当日に車で数時間かけて汲みに行ってくれた天然の水(!)。この日を記念したオリジナルのケーキなどなど。みんなのことを気遣い、最高の思い出を演出してくれた幹事に、みんな感謝の一言だった。


オリジナルケーキ。うんまかったー。

 この日の感激は、おそらく一生忘れないだろう。実際、戻ってからもしばらくはその余韻が抜けず、さっそく関東在住の同クラスの連中で飲ン方を行なった
 30人ほどの幹事さん達の苦労はいかばかりだっただろうか。後日作ってくれたHPを見るにつけ、当日の、そして当時の感動と思い出が蘇る。心より感謝の気持ちを捧げたい。ありがとう!
 この日にもらった力と夢は、その後の僕の日常を勇気づけてくれているよ。
※1:「君は誰だったっけ?」「○○だよ。わからないの!」「ええーっ!? わからなかったよー。太ったねぇ」
※2:「竹馬を作って遊んだよねー」「そうそう、君の家の裏山で竹を切ってきてさー」

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A.G.M. vol.30

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 昨日のBS-2で放映された「吉田拓郎&かぐや姫 inつま恋2006 総集編」はご覧になりましたかー? 当日の感動が蘇ってきましたですよ。
 さて、10月28日、満を持してアコースティック・ギター・マガジンvol.30が発売されました。
 内容については鷹彦さんのお墨付き! 以前のカキコのように、15ページに及ぶ鷹彦さん特集や、つま恋ライブレポート、それに、風やイルカで有名な「海岸通」の完全ギタースコアなど、濃い〜内容になってますので、ぜひ手にとってご覧ください。

アコースティック・ギター・マガジン Vol.30
価格:1,995円

全国の書店・楽器店、またはインプレスダイレクト等で購入可能です。詳しくは以下を。
http://www.rittor-music.co.jp/hp/agm/index.html
あんど、編集長のブログ
http://www.rittor-music.co.jp/blog/agm/
鷹彦さんのHP管理人のブログでも紹介されてます。
http://ameblo.jp/absr-falcon/entry-10018055861.html
そして鷹彦さんのHP
http://www.birdiehouse.co.jp/absr/falcon/

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吉野へ

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 帰省日記がすっかりおざなりになってしまった。あれからすでに2ヶ月以上が過ぎてしまったので、もはや日記とは言いがたいが、この夏最大のイベント「吉野中学校30期生同窓会」を振り返るとしよう。
 8月12日は猛暑だった。同窓会は夕方からだったので、前夜の高校ブラバンの飲ン方明けでフラフラぎみの身体にむち打って、午前中に地元である吉野へ向かった。同窓会を前に、どうしても母校である吉野中学校を見ておきたかったし、最初にギターを教えてくれた同級生と父の墓参りをするためだ。
 吉野町は、鹿児島市でも北部に位置する。今では空港リムジンが通るし、ベッドタウンとして整備されているが、30年前はまだまだ田舎。特に、僕が住んでいた中別府は、夜ともなれば街灯さえない道を月明かりだのみで帰っていたくらいだ。


わが母校、吉野中。

 よせばいいのに、ふと、卒業以来踏み込んでいない通学路を歩いてみたくなった。友人の墓は、その途中にある。小道に入って、しばらくは身体が覚えているらしく快調に進む。しかし、5分ほど歩いたところでハタと足が止まった。どっちだったっけ???
 なにしろ30年ぶりだ。開発の波も押し寄せている。街道に近い大きな道だったらなんとなくわかるかもしれないが、新興住宅と昔ながらの旧家が入り乱れ、通学路である裏道はいっそう複雑になっている。
 たしか20分も歩けば着くはずだが、迷えば迷うほど、同じ場所をグルグル廻っているばかり。しょうがなく、多少広めの道へ戻り、倍以上の時間をかけてようやく目的地に到着。「よいなこっ着いたどー(※)」と、肩で息を切らせながら友人に挨拶し、なんとか墓参りを済ます。さっき買った冷たいはずのお茶は、すでにぬるま湯を通り越して、泡だらけのよくわからない液体になっている。
 今度は父の墓参りだが、中学校をはさんで正反対方向にあるので、ゆうに3kmはある。しかしながら、炎天下と二日酔いに空腹感も押し寄せ、すでに身体は極限状態。陽を遮るものがない信号待ちでは、クラクラしたので思わず座り込んだら吐き気がしてきた。「やべぇー。急性熱中症かぁ? 墓参りに来てあの世にいった日にゃぁシャレにもならんなぁ」とか、「日頃から運動しとけばよかったなぁ」とかいう、あまり意味のない反省が頭をよぎりながらも、立ちくらみを誤魔化しつつ体勢を立て直し、ゆっくりと歩き始める。
 ついに吉野中に到着。正門の前に立つと、心地いい風が頬をかすめる。ここで3年間過ごしたんだ、あのときの友達と今日会えるんだと思うと、少しだけ生き返った思いになる。校庭の作りとかはずいぶん変わったものの、やっぱり母校。あちこちに昔の面影は残っている。校訓である「やればできる」の碑を見据えると、なぜか勇気が湧いてくる。


吉野中の校訓「やればできる」の碑。どんな時でもこの言葉だけは忘れない。

 あとは父の墓参りを残すのみ、と思いきや、にわかに空模様が怪しくなる。「降れ、降れ、降ってくれー」というマジな雨乞いも天に届かず、お日様はすぐニンマリ。亀のような歩みで最後の力をふりしぼり、なんとか任務を終了。
 さらに15分ほどかけて街道まで出て、たまたま通りがかったタクシーに倒れるように転がり込む。いったんホテルに戻り爆睡。何度目かの目覚ましで起きたのは、同窓会30分前だった。

※「やっと着いたよー」の意。

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スパム対策

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 いつも当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
 さて、当ブログでも最近にわかにスパムコメントが増大してきておりまして、その対策に追われておりましたが、このたびシステム上でシールドをかけることに致しました。今後、欧文のみのコメント・トラックバック(ローマ字のみも含む)は、ブロックされて受け付けないようにしましたので、ご報告致します。
 海外文化圏の読者の方々にはご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、なにとぞご了承くださるようお願い致します。

最近の飲ン方(ちゅうても先月)
友人の結婚式二次会にて。嫁さんがビール持って飲む気まんまん。
(9/10 新浦安ブライトンホテル)
吉野中30期6組同窓会「信道塾」関東支部第一回会合。
幼き頃、毎日を共に過ごした、すてきなおば…お姉様達と。
(9/16 新宿 鹿児島酒処ふるさと)
一年間の研修を終え、秋田へ凱旋帰国する友人と一緒に。
(9/20 江古田 登美)
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ついに校了!

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 鷹彦さん特集を初めとした、記念すべきアコースティック・ギター・マガジン-vol.30、すべてを校了しあとは発売を待つばかりとなりました。鷹彦さんの公式ホームページ管理人さんのブログでも紹介して頂きました(ありがとうございます、管理人様)。
 近いうちに、打ち上げを兼ねて、鷹彦さん自宅兼スタジオにお邪魔して、一緒にギターで遊びながら、またもや飲みに行ってきま〜す。
 今号のAGMでは、以下の部分を担当しました。
●PLAYING KNOW HOW
 石川鷹彦直伝! あの名フォーク・ソングはこう弾け!
●BEST SONGS FOR ACOUSTIC GUITAR
「海岸通」風
●LIVE REPORT
 吉田拓郎&かぐや姫 inつま恋2006
●CDレビュー
 なんと、ページ数にして20ページ以上! どれも濃くて楽しめる内容になったと思いますんで、ぜひ手にとってじっくり読んでみてくださいね。発売は10月28日、お楽しみにー!

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つま恋レポート

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 23日、「吉田拓郎&かぐや姫 Consert in つま恋2006」に行ってきた。
 結局、前夜は2時間ほどしか眠れず、朝5:00に起きて6:00には家を出る。渋谷の集合場所に7:30に到着し、マスコミ関係送迎車に乗り込み、8:00に静岡県掛川市に向けて出発。車内で支給された弁当を食べたりしながら、12:00、ついに30年来の夢の場所、つま恋に到着。
 敷地内には、レース場や乗馬クラブ等が余裕を持って散りばめられており、だだっ広い場所であることはわかるが、あちこち動き回ることはないのであまり実感できなかった。それでも、10分ほど歩いて会場に入った途端、その広さに圧倒された。すでに会場のほとんどは埋め尽くされているが、全員が入ったらどんな光景になるのかと思うと、開演までまだまだ時間があるというのに胸の高鳴りを抑えきれない。
 ふっと空を見上げると、いわし雲に彩られた青空が高い。たまに吹くそよ風も心地いい。

会場内ではいかなる理由があっても撮影禁止なので、会場へ向かう場面を。
正面奥にある照明塔の向こう側に広大な会場がある。


 これ以降の詳細レポートはAGM-vol.30をお楽しみに、というところだが、やはりそこに拓郎とかぐや姫がいるというだけで感無量だったのは事実。
 1975年4月にかぐや姫は解散し、その夏に伝説のつま恋コンサートがあった。当時、僕はギターを始めたばかりの中学生なので、どんなに行きたくても、鹿児島くんだりから行けるはずもなかった。その後のこうせつのソロライブや風のコンサートは何回か行ったが、ナマのかぐや姫を見るのはもちろん初めてである。大型スクリーンに映し出されるとはいえ、ステージまで100m以上もあるのでさすがにフィギュアのようだが、それでもそこに立って歌っているのだ。
 さらに、メンバーを見て驚いた。「拓郎BAND」がかぐや姫のバックも勤めたのだが、その中に、なんとあの土方隆行氏もいるではないか! 石川鷹彦氏も当然のように途中から登場したので、僕にとってのアコギとエレキの両巨匠をいっぺんに見ることができた。よもや、このつま恋という一生に一回しか見られないであろう大イベントでそんな幸運に恵まれるとは。盛り上がらないわけがない。仕事も忘れてはしゃぎまくっていた。やばいやばいと我にかえるものの、また次の瞬間には入り込んでしまう。

やや長めの休憩時間中。
食事を取る人々でごった返していたが、さすがに疲れが見える人もチラホラ。


 8時間半に及ぶ一大イベントは、思った以上に短く感じられた。とは言え、寄る年波のせいか、睡眠不足もたたって体力的にはガタガタ。途中でユンケルを飲んで多少はしのいだものの、1:00に渋谷へ戻ってきたときにはグッタリ。帰りの電車もなく、しかたなく最寄りのホテルに宿泊。夢のような一日をかみしめながら、それこそ夢見心地の中で、深い眠りに落ちた。
「吉田拓郎&かぐや姫 Consert in つま恋」HP
http://www.takuro-kaguyahime.com/

AGM(アコースティック・ギター・マガジン)HP
http://www.rittor-music.co.jp/hp/agm/index.html

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つま恋!

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 忙しさにかまけて、更新がすっかり滞っておりました。
 鷹彦さん特集のお仕事も、先日無事に入校完了し、あとはゲラ出しを待つのみ。なかなかの自信作ができましたんで、発売されたらぜひ手にとって見てくださいね。AGM-vol.30が全国の書店・楽器店に並ぶのは10月下旬ですぞ!
石川鷹彦「WORKS」
鷹彦氏のすべてがわかる貴重な一冊。所有楽器群の詳細な紹介、過去から現在までの貴重なショット、インタービュー秘話、レコーディングワークス一覧などなど、非常にレアな情報満載。
発行元:バーニングスタッフ
発行日:2003年8月
定 価:3,500円(税込)
http://www.icnet.ne.jp/%7Eworks/

 明日は、「吉田拓郎&かぐや姫 Consert in つま恋」に行ってきます。13:00〜21:00の長丁場です。この世紀の大イベントのライブレポートを執筆するという、大きな仕事が巡ってきました。31年前、まだ中学生の頃に行きたくてしょうがなかったこのコンサートに、時を大きく超えて行けるなんて想像だにしてませんでした。お仕事とは言え、早くもコンサート満喫モードにワクワクおります。
 プレス関係者は、掛川まで送迎バスで送ってもらえるのはありがたいのですが、都内に朝7:30集合ということで、僕の家からはほぼ始発に乗らなくては間に合いません。今日は早めに寝て、明日に備えようと思います…って、すでに12:00まわってる。。。
 ちなみに、このコンサートの模様は、NHK-hiビジョンで生中継やるそうです。また、同じくNHK-BSでは、総集編を後日放映するとのこと。さらに、明日の19:00からのNHK総合「ニュース7」では、コンサートレポートをやるようなので、時間のある方はご覧ください。特に、同世代とそれ以上の方々には喜んでもらえると思いますよ。
 ほんでは、行ってきまーす。
かぐや姫ブログ
http://www.geocities.jp/tsuki_taro/k3/

「吉田拓郎&かぐや姫 Consert in つま恋」HP
http://www.takuro-kaguyahime.com/

AGM(アコースティック・ギター・マガジン)HP
http://www.rittor-music.co.jp/hp/agm/index.html

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石川鷹彦御大 vol.2

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焼き鳥「雅(まさ)」の前にて


 帰郷前日にAGM編集部のM氏と入念に打ち合わせをし、30日にご自宅兼スタジオへ。いよいよ待ちに待った取材だ。ワクワク・ドキドキを隠しきれずにご自宅へ向かう。
 いささか緊張ぎみでご挨拶したところ、「おっ、『彦』つながりじゃん(僕の本名は「良彦」)」と、さっそくその緊張を解きほぐしてくださった。仕事部屋には、数多くのギターやバンジョー・マンドリン達がところ狭しと並んでいる。それだけでも感動なのに、取材に入ると、いろんな話を細かく深く、そして丁寧にお話しくださった。ほとんどの場面でギターをつま弾きながら、実演も交え取材は進んでいく。あの鷹彦さんが、目の前で弾いてくださってると思うだけで熱いものがこみ上げてくる。時には脱線話も交えつつ、5時間にも及ぶ濃い〜取材は無事終了した。
 取材後、お仕事モードを離れ、にわかにミーハーと化した僕は、持参した鷹彦さんのソロアルバムにサインをいただき、さらに色紙にもとお願いした。無言で部屋を出て行った鷹彦さんだったが、戻ってきたその手には筆が握られていた。「色紙はこれで書かなきゃね」と、実に丁寧に描いてくださった。もう、感激以外のなにものでもない。代々の家宝だ!

 おねだりついでに、「弾かせてもらっていいですか?」と、鷹彦さんの顔とも言えるマーチンD-45を弾かせてもらった。鷹彦さんの前なのでむちゃくちゃ緊張したが、その音色の深さにとろけていく。鷹彦さんも「おっ!さすがにやるねぇ」と僕の音に興味を示してくださった。
石川鷹彦1stソロアルバム「WORDS」
1994.10.(FHCF-2182)

 撮影も終わり、「酒は飲めますか?」と聞かれたので、「鹿児島出身だし…」と応えると、「それじゃ行こう」と、すぐにいきつけの居酒屋に連れて行ってくれた。珍しいお酒とおいしい肴、それに鷹彦さんとのギター話・音楽話・ツアー話などいろんな話題で、時間はあっという間に過ぎていく。M氏も言っていたが、鷹彦さんと飲める機会なんてめったにないとのこと。とっても貴重な体験だった。
 やはり、最高クラスの人は人間的にもすばらしい。温厚で、優しくて、懐が広い。この日は、僕にとって最高に幸せで、夢のような一日になった。
 この取材の模様は、11月発売のAGMに掲載される。さらに、9/23に行われる「吉田拓郎&かぐや姫コンサート in つま恋 2006」にも行くことになった。これまた超ビッグなイベントで、30年来の夢であったつま恋。高鳴る興奮を抑えきれない。
 次号AGM-vol.30は必見ですぞ!
 
石川鷹彦さんオフィシャル・サイト
http://www.birdiehouse.co.jp/absr/falcon/

アコースティックギターマガジンHP
http://www.rittor-music.co.jp/hp/agm/index.html

吉田拓郎&かぐや姫コンサート in つま恋 2006
http://www.takuro-kaguyahime.com/

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