つま恋レポート

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 23日、「吉田拓郎&かぐや姫 Consert in つま恋2006」に行ってきた。
 結局、前夜は2時間ほどしか眠れず、朝5:00に起きて6:00には家を出る。渋谷の集合場所に7:30に到着し、マスコミ関係送迎車に乗り込み、8:00に静岡県掛川市に向けて出発。車内で支給された弁当を食べたりしながら、12:00、ついに30年来の夢の場所、つま恋に到着。
 敷地内には、レース場や乗馬クラブ等が余裕を持って散りばめられており、だだっ広い場所であることはわかるが、あちこち動き回ることはないのであまり実感できなかった。それでも、10分ほど歩いて会場に入った途端、その広さに圧倒された。すでに会場のほとんどは埋め尽くされているが、全員が入ったらどんな光景になるのかと思うと、開演までまだまだ時間があるというのに胸の高鳴りを抑えきれない。
 ふっと空を見上げると、いわし雲に彩られた青空が高い。たまに吹くそよ風も心地いい。

会場内ではいかなる理由があっても撮影禁止なので、会場へ向かう場面を。
正面奥にある照明塔の向こう側に広大な会場がある。


 これ以降の詳細レポートはAGM-vol.30をお楽しみに、というところだが、やはりそこに拓郎とかぐや姫がいるというだけで感無量だったのは事実。
 1975年4月にかぐや姫は解散し、その夏に伝説のつま恋コンサートがあった。当時、僕はギターを始めたばかりの中学生なので、どんなに行きたくても、鹿児島くんだりから行けるはずもなかった。その後のこうせつのソロライブや風のコンサートは何回か行ったが、ナマのかぐや姫を見るのはもちろん初めてである。大型スクリーンに映し出されるとはいえ、ステージまで100m以上もあるのでさすがにフィギュアのようだが、それでもそこに立って歌っているのだ。
 さらに、メンバーを見て驚いた。「拓郎BAND」がかぐや姫のバックも勤めたのだが、その中に、なんとあの土方隆行氏もいるではないか! 石川鷹彦氏も当然のように途中から登場したので、僕にとってのアコギとエレキの両巨匠をいっぺんに見ることができた。よもや、このつま恋という一生に一回しか見られないであろう大イベントでそんな幸運に恵まれるとは。盛り上がらないわけがない。仕事も忘れてはしゃぎまくっていた。やばいやばいと我にかえるものの、また次の瞬間には入り込んでしまう。

やや長めの休憩時間中。
食事を取る人々でごった返していたが、さすがに疲れが見える人もチラホラ。


 8時間半に及ぶ一大イベントは、思った以上に短く感じられた。とは言え、寄る年波のせいか、睡眠不足もたたって体力的にはガタガタ。途中でユンケルを飲んで多少はしのいだものの、1:00に渋谷へ戻ってきたときにはグッタリ。帰りの電車もなく、しかたなく最寄りのホテルに宿泊。夢のような一日をかみしめながら、それこそ夢見心地の中で、深い眠りに落ちた。
「吉田拓郎&かぐや姫 Consert in つま恋」HP
http://www.takuro-kaguyahime.com/

AGM(アコースティック・ギター・マガジン)HP
http://www.rittor-music.co.jp/hp/agm/index.html

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つま恋!

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 忙しさにかまけて、更新がすっかり滞っておりました。
 鷹彦さん特集のお仕事も、先日無事に入校完了し、あとはゲラ出しを待つのみ。なかなかの自信作ができましたんで、発売されたらぜひ手にとって見てくださいね。AGM-vol.30が全国の書店・楽器店に並ぶのは10月下旬ですぞ!
石川鷹彦「WORKS」
鷹彦氏のすべてがわかる貴重な一冊。所有楽器群の詳細な紹介、過去から現在までの貴重なショット、インタービュー秘話、レコーディングワークス一覧などなど、非常にレアな情報満載。
発行元:バーニングスタッフ
発行日:2003年8月
定 価:3,500円(税込)
http://www.icnet.ne.jp/%7Eworks/

 明日は、「吉田拓郎&かぐや姫 Consert in つま恋」に行ってきます。13:00〜21:00の長丁場です。この世紀の大イベントのライブレポートを執筆するという、大きな仕事が巡ってきました。31年前、まだ中学生の頃に行きたくてしょうがなかったこのコンサートに、時を大きく超えて行けるなんて想像だにしてませんでした。お仕事とは言え、早くもコンサート満喫モードにワクワクおります。
 プレス関係者は、掛川まで送迎バスで送ってもらえるのはありがたいのですが、都内に朝7:30集合ということで、僕の家からはほぼ始発に乗らなくては間に合いません。今日は早めに寝て、明日に備えようと思います…って、すでに12:00まわってる。。。
 ちなみに、このコンサートの模様は、NHK-hiビジョンで生中継やるそうです。また、同じくNHK-BSでは、総集編を後日放映するとのこと。さらに、明日の19:00からのNHK総合「ニュース7」では、コンサートレポートをやるようなので、時間のある方はご覧ください。特に、同世代とそれ以上の方々には喜んでもらえると思いますよ。
 ほんでは、行ってきまーす。
かぐや姫ブログ
http://www.geocities.jp/tsuki_taro/k3/

「吉田拓郎&かぐや姫 Consert in つま恋」HP
http://www.takuro-kaguyahime.com/

AGM(アコースティック・ギター・マガジン)HP
http://www.rittor-music.co.jp/hp/agm/index.html

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石川鷹彦御大 vol.2

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焼き鳥「雅(まさ)」の前にて


 帰郷前日にAGM編集部のM氏と入念に打ち合わせをし、30日にご自宅兼スタジオへ。いよいよ待ちに待った取材だ。ワクワク・ドキドキを隠しきれずにご自宅へ向かう。
 いささか緊張ぎみでご挨拶したところ、「おっ、『彦』つながりじゃん(僕の本名は「良彦」)」と、さっそくその緊張を解きほぐしてくださった。仕事部屋には、数多くのギターやバンジョー・マンドリン達がところ狭しと並んでいる。それだけでも感動なのに、取材に入ると、いろんな話を細かく深く、そして丁寧にお話しくださった。ほとんどの場面でギターをつま弾きながら、実演も交え取材は進んでいく。あの鷹彦さんが、目の前で弾いてくださってると思うだけで熱いものがこみ上げてくる。時には脱線話も交えつつ、5時間にも及ぶ濃い〜取材は無事終了した。
 取材後、お仕事モードを離れ、にわかにミーハーと化した僕は、持参した鷹彦さんのソロアルバムにサインをいただき、さらに色紙にもとお願いした。無言で部屋を出て行った鷹彦さんだったが、戻ってきたその手には筆が握られていた。「色紙はこれで書かなきゃね」と、実に丁寧に描いてくださった。もう、感激以外のなにものでもない。代々の家宝だ!

 おねだりついでに、「弾かせてもらっていいですか?」と、鷹彦さんの顔とも言えるマーチンD-45を弾かせてもらった。鷹彦さんの前なのでむちゃくちゃ緊張したが、その音色の深さにとろけていく。鷹彦さんも「おっ!さすがにやるねぇ」と僕の音に興味を示してくださった。
石川鷹彦1stソロアルバム「WORDS」
1994.10.(FHCF-2182)

 撮影も終わり、「酒は飲めますか?」と聞かれたので、「鹿児島出身だし…」と応えると、「それじゃ行こう」と、すぐにいきつけの居酒屋に連れて行ってくれた。珍しいお酒とおいしい肴、それに鷹彦さんとのギター話・音楽話・ツアー話などいろんな話題で、時間はあっという間に過ぎていく。M氏も言っていたが、鷹彦さんと飲める機会なんてめったにないとのこと。とっても貴重な体験だった。
 やはり、最高クラスの人は人間的にもすばらしい。温厚で、優しくて、懐が広い。この日は、僕にとって最高に幸せで、夢のような一日になった。
 この取材の模様は、11月発売のAGMに掲載される。さらに、9/23に行われる「吉田拓郎&かぐや姫コンサート in つま恋 2006」にも行くことになった。これまた超ビッグなイベントで、30年来の夢であったつま恋。高鳴る興奮を抑えきれない。
 次号AGM-vol.30は必見ですぞ!
 
石川鷹彦さんオフィシャル・サイト
http://www.birdiehouse.co.jp/absr/falcon/

アコースティックギターマガジンHP
http://www.rittor-music.co.jp/hp/agm/index.html

吉田拓郎&かぐや姫コンサート in つま恋 2006
http://www.takuro-kaguyahime.com/

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石川鷹彦御大 vol.1

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 先日、アコギの巨匠、石川鷹彦氏とお会いした。
 鷹彦氏といえば、かぐや姫・風・吉田拓郎・イルカ・アリス・長渕剛・さだまさし…といった、フォーク・ニューミュージック界にきらめくスター達を支えてきた、日本が誇るトップギタリストでありアレンジャーだ。特に有名なところでは、「22才の別れ」のイントロメロやスリーフィンガーで、あれがないと「22才の別れ」はヒットはおろか成立さえしない名フレーズだ。これまでに参加したアルバムは無数にあり、名実共にアコギ界の神様である。
 僕は、作曲や演奏以外では、ドレミ楽譜出版社でバンドスコアの採譜やギターアレンジの仕事を続けている。さらにここ3年ほど、リットーミュージックの「アコースティックギターマガジン(以下AGM)」という季刊誌でも、アコギに特化した採譜もやらせていただいている。
 で、「次回のAGMで石川鷹彦氏の特集をやるので、Yoshiさんに取材から執筆・採譜まですべて担当してもらいたく云々…」という電話が担当編集者M氏からあった。鹿児島に帰省する直前のことだ。「えっ?!?!?! あの鷹彦さんですか?」と一瞬我が耳を疑ったが、もちろん「やります、やります、やらせてください!」と二つ返事でお引き受けした。

 鷹彦さんは、僕がギターを始めた中学生の頃から30年来の憧れの人。いや、憧れと言うより、むしろ雲の上の存在で、まさかお会いできるなんて夢にも思わなかった。
 ギターを初めた頃は、かぐや姫の全68曲をすべてコピーすることでアコギの基本を学んだのだが、そのほとんどが鷹彦さんのプレイによるものだった。上京したての頃、鷹彦さんに弟子入りしようと、ユイ音楽工房まで乗り込んで相談しに行ったこともある。つまり、僕の中での音楽は、鷹彦さんの音と出会ったことで全てが始まったと言ってもいい。あの柔らかくも優しく暖かい音色は、今でも僕の音に大きな影響を与えてくれている。
 その鷹彦さんに会える! しかも、お仕事として会える!! そう思うだけで胸の高鳴りを抑えきれなかった。この一件があり、鹿児島への帰郷が原点復帰にも感じられ、楽しく大切な5日間になったのだろう。
〜つづく〜
石川鷹彦さんオフィシャル・サイト
http://www.birdiehouse.co.jp/absr/falcon/

かぐや姫ブログ
http://www.geocities.jp/tsuki_taro/k3/

アコースティックギターマガジンHP
http://www.rittor-music.co.jp/hp/agm/index.html

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ブラバン

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 鹿児島市内まで戻る途中、吹上浜を少し見ようかということになった。かなり遠浅の砂丘なのだが遊泳禁止区域。たぶん潮流が複雑なのだろう。海風にあたりながら「泳いでる人がおるなー、ここは遊泳禁止じゃろ?」とか言っていたのだが、車に戻りかけたとき、パトカーや消防車がものすごい勢いでとばしてきた。「すわ事件か?!」と、報道マンのT氏はすかさず消防士に事情を聞いた。なんでも、若者数人が溺れたらしい。なんと、彼らは泳いでいるのではなく溺れていたのだった。消防士の後について駆けていったら、数人が海岸で座り込んでいる。どうやら自力で助かったようだ。ほっと胸をなでおろす。

遠浅の吹上浜


 とんだ事件のおかげで時間を読み違え、帰りは渋滞にハマりまくった。なんとか夕方には市内へ戻り、T氏は打ち合わせがあるとかで、トンボ返りで南さつま市へ戻っていった。なになからなにまで本当にありがとう! おかげで、とっても充実した一日を過ごすことができたよ。
 都会で過ごしていると、日々の喧噪に慣れきってしまい、あたかもそれが日常のあるべき姿だと思いこんでしまう。でも、ここ南さつま市は、町全体が穏やかで、ゆったりとした時が流れている。翌日にひかえた30年ぶりの同窓会を前に、置き忘れてきた大切なものを確かに思い出させてもらった。
 夜は、高校時代のブラスバンド仲間と飲ン方!
 男女問わず、先輩後輩問わず、10数人集まってワイワイと焼酎を飲みまくる。共に一生懸命打ち込んできた仲間だけに、話が尽きることがない。結局は昔話で盛り上がるのだが、それはそれでいい。20代の頃は、いつまでも過去の栄光を語る雰囲気がいやで、会うことをあえて避けていたが、この歳になると、それはそれで楽しいものだ。

外見はともかく、中身は高校時代のまんま。

 それぞれがいろんなことをやってきた。それぞれがいろんなことをやろうとしている。そして、それぞれがいろんな悩みを持っている。でも、そんなことは全部、顔を一目見ればわかる。何を言わんとしているのか、世間話の中にかいま見られる。それが、故郷の友達だ。かけがえのない、僕の宝物だ。

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あら煮

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 車は一路西へ。ほぼ海岸線に沿って走るが、片方は切り立った崖だ。途中、最近はあまり見かけなくなった石垣の段々畑を眺め、小さな港町に降りて潮風にあたる。

みごとな段々畑だが、現在は畑としては使用されていない。

 何艘かのヨットが停泊していたが、その内の一艘は石原裕次郎が最後に乗っていたものらしい。そういえば、日本テレビ「鉄腕ダッシュ」で一筆書き日本一周をやっているが、この道も通ったのだろうか?

真ん中に見えるマストが高いヨットが裕次郎所有のものだったらしい。

 再び走る。小島がいくつか見えてくる。鹿児島は、知覧や鹿屋といった軍事基地があり特攻隊の拠点になっていたが、なんと船にも特攻隊があり(いわゆる人間魚雷)、この島の一部に隠れるように工場が存在した。実際には発進されることなく終戦を迎えたが、GHQ指導のもと工場の破壊作業中に爆薬が暴発し、数人が犠牲になった。戦地での死ではなく、工場での、しかも戦後の国内での犠牲。あまりにもいたたまれない気持ちのまま、しばし沈黙が続く。

 笠沙地域をほぼ一周し、再び加世田へ戻る。
 14:00も回ってきたところでさすがに腹も減ってきたので、海辺らしく「ドライブイン大浦」という活魚料理の店に連れて行ってもらった。ドライブインというよりは、ちょっと大きめの居酒屋といった感じだ。さっそくお勧めの刺身定食を注文するが、定食にもれなくついてくる「カンパチのあら煮」ががこの店の名物だそうだ。15cmほどのアラで、パッと見た目は普通のアラと変わりない。が、一口食べてびっくり。うまい! これはうまい!
 非常によくつけ込んであり、隅々までしっとり味がしみこんでいる。さらに驚いたことに、骨が口の中でとろけていく。つまり、身やゼラチンはもちろん、骨まで全て食べられるのだ。刺身ももちろんうまいのだが、このあらはぜひ一回は食すべし。

「ドライブイン大浦」と南日本新聞社南さつま支局長T氏。
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