10年ほど前まで、ステージ上では全く譜面は見ずに演奏してました。一つのバンドでのみやっていたので、曲の内容はすべて覚えていたってわけですね。
しかしその後バンドをやめてソロになり、多くのセッションやユニットでやるようになると、とてもじゃないけど覚えきれなくなりました(まぁ、寄る年波には勝てないって話もありますが…)。
で、ステージ上ではお守りというか保険的に譜面を置くようになりました。しかし、譜面をどうやって使うかが、長年の悩みのタネでした。
「譜面をファイリングして譜面台に乗せる」。ただそれだけのことなんですが、ファイリングそのものが意外と奥が深くて常に不満がつきまとい、試行錯誤の日々が続いたのです。
当然、ビニール袋タイプのクリアファイルが思い浮かびます。
演奏ユニット別にとか、時系列にとか、カテゴリーを工夫していろんな厚さ(ページ数)のファイルを使い分けながら、どうにかやりくりしてました。しかし、リハの最中に「昔のあの曲もやってみようか?」ってなった時に、その場に譜面がないことも多々ありました。また、リハ中に追加事項や音の修正を書き込む際も、いちいちビニール袋から取り出さなくてはならないし。
さらに、ステージのたびにセットリスト通りに譜面を入れ替えるのも面倒だわ、ステージ上ではビニールに照明が反射して見づらいわ…。
これでは不便きわまりないし、時間ロスのためにメンバーにも迷惑がかかってしまいます。
演奏以外の面でも、譜面ファイルは自宅での下準備やリハ・ゲネ・ステージと、常にギターと一緒に持ち運ぶものなので、基本丈夫でないといけません。しかも、A4サイズ未満だと譜面が小さくて見えないし、それより大きくても持ち運びが大変な上に譜面台からはみ出して安定しない。
これらをすべて解決できる方法を、一念発起して考え直しました。
で、たどりついた結果がこれです。
30穴のバインダー
頑丈であること、A4サイズであること、色はブラック(ステージ上では照明との関係でデーハーじゃない方がいい)であること。
そして、できればデザイン的にも美しく、見た目にもカッコいいこと。
文房具屋で探したら、これら全てを満たすバインダーが偶然にも一冊だけ残っていました。しかも、表紙には「A.G.」のロゴも!(Acoustic Guitarの略称が「A.G.」)。実は皮製品や時計・万年筆などのブランド「A.G. SPALDING & BROS.」の製品なんですが、まさに探し求めていたそのものだったんです。
表紙は皮製で縫製もしっかりしており、金具もきつめで頑丈。
「使ってくれよぅ~」って訴えかけているようなこのバインダー。見た瞬間に「これだ!」と惚れこみ、バインダーにしてはやや高価でしたが、一生モノだと思い購入しました。
このバインダーの使い方については、ファイリングの要素も交えてまたあらためて書きますが、質感といい、高級感漂うフォルムといい、頑丈なわりにしなやかな手触りといい、もう絶対に手放したくない相棒です。