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南インドは避暑地だった。


7月20日から約3週間インドに行ってきました。
今回訪れたのは主に南インド。
昨年はインド北部をめぐり興味深いことこのうえなかったので、
今年はその続きということで、デリーから入国してチェンナイへ。
そこからベンガル湾沿いを南下してインド最南端を経由、
アラビア海側に出て北上、その後はデカン高原に入るというルートでした。
北インドでの旅は40度近くなることもザラで、日課は1日4回の水浴び。
今回はさらに南下するわけでかなり覚悟して出かけたものの、
行ってみると暴力的な暑さはどこへやら?
昼間は歩けばそれなりに汗だくになるものの、南下するほどに気温は低下。
インド最南端の町カニャークマリは、朝晩は潮風が涼しくエアコン不要。
以降、アラビア海に沿ったケーララ州、デカン高原の南端のカルナータカ州では、水浴びなんか冗談じゃない!くらいの気候でこれは南国というより避暑地。
インド人のあいだで避暑地として有名なウーティでは、
あまりの寒さに耐えられず滞在18時間で撤退してしまった。
北インドにくらべるとマイナーで、訪れる外国人旅行者が少ない南インド。
それだけ情報量も限られていてイメージできないことも多かったけれど、
まさか雨季の南インドが丸ごと避暑地だったとは、まったくの予想外だった!
その反動で、東京の猛暑にすっかりバテぎみの日々をおくっている。
旅行者のあいだでの南インド評でよくいわれるのは「人がいい」ということ。
北インドのようにボッタクリがほとんどない。
ニセガイドや強引な物売り、怪しげな英語や日本語で話しかけてくる輩など、
そういった面倒な人々に遭遇することが圧倒的に少ない。
全体的に穏やかでノンビリしていてるといわれている。
たしかにその評判はあたっていると思う。
実際、列車やバスで新しい町に到着したとたんポーターやドライバー、
ホテルの客引きにとりかこまれることは数回だけだった。
でもそれが常にいいかというとそんなこともなくて、
必要するときに探しにいかなければならないのがけっこう手間なのだった。
町での移動手段はオートリクシャーと呼ばれる三輪タクシー。
(こういうの↓)

北インドでは「乗ろうか」と思った瞬間に目の前に4〜5台停車している。
どんなに遠くても暗闇でも、こちらの反応を見逃さない。
ドライバーたちは、きっとこちらの脳波を読んでいる。
そうとしか思えないすばやさなのだ。
一方、南インドでは「乗りたい」と声をかけても気づかずに新聞を読んでいる。
今からゴハン食べるからダメと断られたこともあった。
のんびりにも程がある。
バスターミナルで降りたら1台もリクシャーがなくて茫然ということも。
南部では有名な観光スポットなのに・・・・。
タージマハルのあるアーグラー、ガンガーを臨むバナーラスあたりにくらべると観光地度は100分の1程度のという印象。
要するに圧倒的にローカルテイストなエリアなのです。
そんな南部ローカルを一番体験できるのはバス。
南部は路線バスが発達していて一番便利な市民の足といわれている。
便数が多いので思いつきで動くことが可能。
気ままな旅にはうってつけなのだけれど、唯一にして最大の欠点はバスターミナルに英語表記がまったくないこと。
ターミナルでは何十台というバスが激しく出入りしていて、
客たちはフロントガラスにある行き先を見て飛び乗っていく。
発着場所は決まっているようないないような感じで、時刻表もチケットカウンターもない。
激しく混沌としたムードにつつまれているのだ。
北インドのターミナルで英語表記がひとつもないなんてあり得ない状況で、
こんなところに外国人ひとり、どうしろというの?
と思うのだけれど、そこは南インド。
「○○行きのバスは今日はもう来ない」
などといって謎のチケットを売りつけられるなんて心配はない。
人々はいたって親切に、自分のわかる範囲で教えてくれて、
それに惑わされることもあるけれど、最後は目的のバスに飛び乗ることができる。
不便が不便なりに、それをカバーするものがあるわけで、
世のなかってうまくできているのだな〜、と思った南インドなのだった。
(たぶん次回につづく)


2011/08/13 | 旅と食

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