哺乳類系ノンフィクション
先日、久しぶりに太田快作くんと会った。
ご存知『犬部!』の主要人物。
在学中に犬部を設立した人。
現在の彼は、一般病院で働くかたわら、
往診専門病院を設立して、
動物愛護活動を続けている。
若き獣医師だ。
その太田くんが師匠と呼ぶ人が、本を出した。
『野宿に生きる、人と動物』なかのまきこ著
太田くんが「この人と会わなければ、たぶん今の自分はなかった」という獣医師のなかのまきこさんは、動物実験をしないで(たぶん)日本で初めて獣医師免許を取得した人。
獣医学部に入る前から動物愛護の活動を始め、
以来20年、さまざまカタチを変えながら動物のために働いてきた。
この本は、主にホームレスが飼う犬や猫、ウサギなどを
定期的に診療する活動について書いたノンフィクションだ。
自分の食事代にも事欠くホームレスの人々が、
行き場を失った動物たちに手をさしのべる。
数々のエピソードに心動かされるのはいうまでもないけれど、
なかでもプロローグに出てくる、なかのさんの体験談がいい。
今から約20年前。
英語もわからず降り立ったアメリカ。
キッツイ出来事ばかりでヨレヨレになっていたとき、
彼女に手をさしのべたのは、ホームレスの父子だった。
優しい言葉で彼女を励まし、町を案内。
さらにゴハンを食べさせてくれた。
誤解を恐れず言えば、この時、なかのさんは、
路上をさまよう迷い犬のようなものだった。
行き場を失った動物がどんなものか、
自ら体感したのではないだろうか。
そんな彼女が三十代後半で出会ったのが、
“野宿に生きる、人と動物”だった。
テーマはキツイけれど、
常にホノボノとした空気が流れるのは、
彼女の人柄と深く関係しているのだろう。
読みごたえアリの哺乳類系ノンフィクション!
文章もウマイです〜☆
2010/07/15 | 犬と動物
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