観光バス

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中央駅前にある薩摩藩留学生の記念碑

 次の日は特に予定もなかったので、一日どう過ごすかを、二日酔いのボ〜ッとした頭で考えた。桜島に渡ってふるさと温泉でも行こうかとか、黎明館で涼みながら歴史を楽しもうかとか、思い巡らすもののなんとなく腰が上がらない。
 朝食後、ふとホテルのフロントを見てみると市内観光バスのパンフが目にとまった。東京にいてもはとバスに乗ったことがないように、鹿児島にいた頃も観光バスでちゃんとしたコースを回ったことがない。時間的にもいい感じだし、これにしよう決め、西駅…もとい中央駅に向かった。
 バスに乗り込んだものの、お客さんはほとんどおらず、全部で10人ほど。気分的にもゆったりできそうだ。
 こういうベタな観光は、自分から馴染んでいかないとつまらないと思い、ガイドさんの話も真剣に聞きながら、市内の名所を巡る。
維新ふるさと館
 出発してすぐ、維新ふるさと館で幕末〜維新にかけての立体パフォーマンスを見たあと、ザビエル公園・照国神社・鶴丸城跡・西郷どん・薩摩義士碑をバスの中からのぞき、城山展望台で桜島と市内を一望。西郷洞窟を経たのち、西南戦争で散った魂達の冥福を南州墓地で祈る。そして仙厳園(磯庭園)と隣接する尚古集成館ではちょっと長めに観覧し、桜島桟橋前を回って天文館で下車。
 しめて3時間30分。ざっと見ただけだが、それでもけっこう充実感はあった。観光バスも乗ってみるもんだ。

薩摩のヒーロー西郷どん
最近お化粧直しをされたらしい

 それにしても、南州墓地って行ったことがあったんだろうか?小中学校の遠足で行ってるはずなんだが、覚えがない。それだけに、西郷どん初め、桐野利明・篠原国幹・村田新八ら、諸将の墓石が新鮮だった。
 あと、磯庭園は吉野台地のちょうど下に位置するのでけっこう遊びに行っていたが、集成館に入ったのは始めてだったので、もっとじっくり見たい気もした。
 しかしながら、ヒマつぶしにしては、なにげに実入りの多い市内観光だった。西郷どん達と最後まで戦った5人兄弟の逸話とか、鶴丸城跡には根を広げた珍しい種類の木が石垣にへばりついてるとか、熟知しているようでも意外と知らなかったことってけっこうあるものだ。「へーそうなんだー」と感心しながら、今更ながらだけど得した気分になった。今度帰省したら、また別のコースに乗ってみようかな。
 そして夜は、鹿児島到着時から毎日のように世話になっている高校時代の友人Fとしっぽり飲ン方。心地いい疲れと共に、鹿児島最後の夜は静かに、あくまでも静かに、終わった。。。

さだっ(夕立)に煙る大好きな桜島を、磯庭園から臨む
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