リコーダー話の余談をば。
リコーダーは、だれでも小中学校で必ず吹きますが、僕はこの楽器にけっこうハマってしまい、学校の授業以外でもプップカプップカ吹いて遊んでました。たぶん、記憶にある中では、最初に熱中した楽器だと思います。
Alto Recorder:YAMAHA/YRA-314BIII
今では、演奏やアレンジ以外では、「Score Analyzer」という勝手に命名した横文字職業で、あらゆる曲を譜面に起こす仕事(いわゆる耳コピ)をしてます。CD等を聞きながら、曲の中に組み込まれているすべての楽器を聞き分けて、それぞれのパート別に譜面化する仕事です。ギターやベースは、どのポジションで弾いているかを探り、TAB譜や奏法も書いていきます。
僕は、残念ながら絶対音感は持ち合わせていないので、キーボードやギターを片手に音を拾っていくんですが、今思い返すと、初めての耳コピはリコーダーを使ってやった覚えがあります。
確か中学一年か二年の頃だったと思います。曲は、NHK大河ドラマ「風と雲と虹と」のテーマ曲。平将門の乱のお話で、平将門を加藤剛、藤原純友を緒方拳、他にも吉永小百合や真野響子ら、なんとも贅沢なキャストで毎週楽しみにしていました。曲もとってもいい感じで、山本直純とNHK交響楽団によるこのテーマ曲を、ピアノもギターも弾けなかった頃に、無謀にもリコーダーで耳コピしたのでした。
Bass Recorder:YAMAHA/YRB-302BII
この曲は、ホルンのソロのテーマで始まります。吹奏楽部で、いやいや配属されたクラリネットからホルンに転向させてもらい、必死になってホルンの練習をしていた頃で、どうしてもこのソロを吹いてみたかったんです。
小さいラジカセをテレビの前にど〜んと置き、家族に「こいから録音すっで、絶対に声を出さんでよ」とお願いして、プレイボタンとレックボタンを同時に押す。ラインをつないで録音することすら知らない、なんともアナログな時代でした。他の音が入ると、また一週間待たないといけないんで、乾坤一擲、真剣そのものでした。
無事に録音を完了し、いよいよ音を拾う作業に入るんですが、はて、なにをどういうように進めればいいのか、わかるはずもない。なんとなく音の流れのままに、ラジカセを止めてはリコーダーを吹き、巻き戻しては譜面に書くという作業を手探りで繰り返しました。幸い、譜面の読み書きはできたので、完成したところで翌日部室で吹いてみました。
完璧! 気持ちいい! かっちょいい!
ホルンの腕前はまだまだだったんですが、なんだかとっても嬉しくて、それ以来、ますますホルンにのめり込んでいくことになります。
今思うと、ホルンとリコーダー(アルト)は共にF管。移調楽器の概念すら知らなかった頃ですが、偶然にも同じだったため、そのまま譜面にしても違和感はなかったんだと思います。
今でも、そのメロディーは完全に覚えてるし、押し入れの隅っこにその譜面は眠ってるんじゃないでしょうか。今度引っ張り出してみようっと。
AltoとBass。共にF管で1オクターブ差