2008年 心に残る本
前の記事に「東京新聞・わたしの3冊」に関連して、
今年読んだ心に残る本について考えてみました。
ほかにもあるけど、とりあえずは3冊。
ベストではありません。
あくまで思いついた順番です☆
<あの日に帰って叫びたい>
『カレセン〜枯れたおじさん専科』アスペクト
もう2年近く我が家の本棚にあるような気がしていたけれど、実は08年1月発売。
本年度、心の片隅(笑)に残る本ナンバーワン。
若い頃から、気になる芸能人(有名人)はおじさんばかりでした。中学〜高校時代のマイ・アイドルはYMO。なかでも一番のお気に入りは高橋幸宏。坂本、細野にくらべるとキャラがつかみにくいためか、ファンはやや少なめでした。それだけに、惹かれる理由を他人(特に正統派アイドル男子に傾倒している女子っ)に伝える言葉が見つからず、当時は本当に困りました。だからこそ、あの日に帰って叫びたい。
「だってカレセンなんだも〜ん!」
<この人に、世間は何回ドン引きさせられたのか?>
『妖精と妖怪のあいだ〜平林たい子伝』群ようこ著(文春文庫)
この本を手にとるまで、平林たい子のことは、ほとんど知りませんでした。林芙美子と一緒にカフェの女給をしながら原稿を売り歩き、戦後まで作家として活動したそうですが、現代人のあいだに広く親しまれている様子はありません。
この本を読んで、その理由がわかりました。平林作品の中心は、自分の体験や交流のある作家や有名人をモデルにしたスキャンダラスな小説。同時代の読者でなければ、たぶんツライ内容なのでしょう。
本書は、執筆のネタになったであろう、波乱万丈な生涯を追った<昭和の女傑作家>の評伝です。作家になるために上京するもお金はないし、ダメ男との縁は切れないし、おまけに露悪趣味。晩年になっても色恋でスッタモンダしているから、どんな艶っぽい人なのかと思ったら、容姿は豪快という言葉がピッタリのザ・オバサン(たぶん若いときから)というのも何だかすごいインパクトでした。
評伝として読み応えがあると、普通はその作家の本も読みたくなるものだけれど、評伝のみでお腹一杯になってしまうというパターンはかなり珍しいのではないでしょうか。
<意外な結末のオフィス4コマ漫画>
『ザリガニ課長』(1巻)そにしけんじ著(アフターヌーンKC・講談社)
主人公のザリガニ課長は、㈰人間の言葉をあやつる ㈪課長である という二点をのぞくと、ほとんど擬人化されていません。その特徴は作品内でいかんなく発揮されていて、ほのぼのオフィス4コマ漫画ながら、一冊読み終わる頃には「ザリガニの生態にけっこう詳しくなっている」という結末はかなり意外でした。
2008/12/31 | アレコレ
関連記事
-
カジュアル着物で遊ぼう
9月下旬に上梓した『着物の国のはてな』が、おかげさまで3刷重版...
-
新年から最高熱、そしてメディア紹介
今さらながら、新年おめでとうございます。 今年も宜しくお願い...
-
「平成犬バカ度診断テスト」全文公開!
12月19日、代官山蔦屋書店にて『平成犬バカ編集部』刊行記念ト...
-
動物園、真冬の見どころ
今年も残すところ、あと数時間。 大晦日のビールタイムに入る前に、20...
-
酷暑はこれで、のりこえる?
梅雨明けしたら、ものすごい暑さだ。 朝とはいえ、ぼやっとしてると...
新着記事
-
ペットフレンドリーすぎる青森・下北半島の旅4
大間に滞在して、もうひとつ是非訪ねたいところ。 それは「仏ヶ...
-
ペットフレンドリーすぎる青森・下北半島の旅3
大間を拠点に下北半島の名所を訪問。 この日に目指したのは、寒...
-
ペットフレンドリーすぎる青森・下北半島の旅2
青森市内のまったり滞在期間を経て、いよいよ下北半島へ出発! ...
-
ペットフレンドリーすぎる青森・下北半島の旅1
先日、ちょっと早めの夏休みをとった。 今年は...
-
カジュアル着物で遊ぼう
9月下旬に上梓した『着物の国のはてな』が、おかげさまで3刷重版...
コメント/トラックバック
トラックバック用URL:
コメントフィード