ブルートレインで大分へ
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最終更新日:2012/05/25
ただいま外出中
先々週、息子の顔を見るのと、別件の取材を兼ねて大分へ行く。
そろそろ飛行機の大分入りも飽きてきたので、何か別の手段を模索していたら、良いのがあった。寝台特急「富士」である。
飛行機や新幹線など、長距離輸送のインフラが整備されるにしがたいスミに追いやられてきたブルートレインは、2009年春、「富士・はやぶさ」の廃止により、とうとう東京〜九州間から姿を消す。
大阪から札幌に向かう寝台特急「トワイライト号」が、その長い移動時間を“贅沢な時間”という付加価値に変えて人気を集めているのとは対照的である。
出発の日、東京駅のホームに着いて驚いた。
電車が動き出し、横浜、熱海と止まるホームにも驚いた。
乗客も、見送り客も、みーんな鉄道ファン、鉄ちゃん、鉄子さんばっかりなのだ。
富士は先頭車両が門司で切り離され熊本へと向かう「はやぶさ」との連結車両になっている。つまり、先頭は「はやぶさ」の冠をつけているが、最後尾は「富士」のマークをつけているのだ。したがって、彼らは先頭と後方を互いに写真に収め、さらに途中の車両やパーツを細かく観察し、中にはカメラとビデオの両刀で記録している人たちもいる。
停車駅、通過駅のホームにはほぼ例外なくシャッターを切る鉄道ファンがいる。列車の中にはほぼ間違いなく天然果汁100%の鉄道ファンを積載。これはもう、寝台特急ならぬ“鉄人特急”だ。
廃止が決まってから、名残を惜しむファン達により個室の寝台はほぼ連日満席と聞く。
あっという間に旅先に降り立ち、残る時間をたっぷり使うのも楽しいが、旅情気分なら、飛行機も新幹線も、がたごと揺られる在来線にはかなわない。
広島を過ぎ、岩国で目にした海越しの朝日に目を細めながら、そう思う。
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