後輩・角幡唯介が開高健ノンフィクション賞を受賞!
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
猛暑がつづく中、また難民シェルターに行き、コソヴォ出身のアルバニア人に話を聞く。
おみやげに井浦伊知郎『アルバニア・インターナショナル』(社会評論社)という本をあげる。
日本唯一のアルバニア語の専門家が、アルバニアに関するありとあらゆるレアな情報を叩き込んだ超マニアックな本である。
写真も多いし、アルバニア表記もたくさん盛り込まれているので、それなりに喜んでくれたよう。ただし本人は二度とコソボやアルバニアに帰りたくないらしいのだが…。
☆ ☆ ☆
早大探検部の後輩で、フリーライター・探検家を名乗る角幡唯介が
「空白の五マイル」という作品で第八回開高健ノンフィクション賞を受賞したという知らせが届いた。
チベットのツァンポー峡谷の前人未到部分を中国政府の許可なしに突入、あと一歩で死ぬところを生還したという壮絶な話である。
彼は去年、「雪男は向こうからやってきた」という作品でやはり最終選考に残ったが、
落選していた。
(こちらはネパール・ヒマラヤでのイエティ探検の話)
私とちがって、彼は本格的な冒険に挑戦できる体力と技術があり、正統的なルポが書ける取材能力と文章力がある。
石川直樹につぐ冒険探検界のニューウェイブとして大いに活躍し
ついでに、雑誌対談の相手などに私を起用してもらえると不況のおり、たいへん嬉しいと思う次第だ。
関連記事
-
-
魅惑のロシアン・クリスマス
先週末はロシアン・クリスマスを堪能した。 ロシア正教はグレゴリウス暦でなく、もっと古いユリウス暦を使
-
-
このくだらない本がすごい!
正月早々、高橋秀実『はい、泳げません』(新潮社、現在は文庫も出ている)を再読。 超カナヅチの秀実さ
-
-
新計画?!「イラワジ河(ほぼ)全流下り」
昨日から今日にかけて、突然新しい探検計画が生まれた。 その名も「イラワジ河ほぼ全流航下紀行」とい
-
-
紀伊國屋書店新宿南口店にてもう一つのトークイベント
渋谷の丸善&ジュンク堂書店でのトークイベントはもう定員に達したようです。 それに行けない方にお知ら
-
-
人は夢だけでは生きて行けない
かすれ声のまま、大学へ。 幸いマイクがかろうじて音を拾ってくれていたが、 声は突然、完全ストップす
-
-
『誰も国境を知らない』
西牟田靖『誰も国境を知らない』(情報センター出版局)の書評を 「北海道新聞」に書く。 新聞の書評は
- PREV :
- 宮田珠己部長と対談のお知らせ
- NEXT :
- 鴎外、ダメじゃん!