*

続・「クレイジージャーニー」とすしざんまい

公開日: : 高野秀行の【非】日常模様

昨日、ブログを書いたあと修正しようとしたけど、私のIT力の限界か、二度とログインできなかった。

ま、よくあることなんですが。

 

それで付け加えたかったことなのだけど、「クレイジージャーニー」というのは見かけによらず(と言っては失礼だけど)とてもいい番組だということ。

正直言って、私は「またキワモノかイロモノ扱いなんだろうな」と、あまり期待していなかったのだけど、実際仕事を始めて見ると、ディレクター以下、スタッフの方々はみんな、すごく熱心で真摯。

同じ「物語」の作り手として見ても、ひじょうにテンポよく、キュッと締まった構成になっていた。

メインゲストである私の喋りが相変わらずごちゃついて、見ていて苛つかされたがそれは演出側の責任ではないし。

この番組では松本人志さんらMCの方々も、変な茶々を入れたりせず、すごくゲストをリスペクトしてくれている。それはスタジオでも伝わってきて、とても心地よかった。自分を肯定されることは誰にとっても嬉しい。たとえ、それがアヘン中毒であってもだ。

次回も楽しみである。

もう一つ付け加えたかったのは、すしざんまいの社長のこと。

もともと、私はその社長さんのことをどうこう言うつもりはなかったのだけど、ツイッターや友だちから

「すしざんまいの社長が一人で海賊を絶滅させたってホントなの?」と聞かれるので、そう答えただけ。

それから、前にツイートしたとおり、海賊対策に役立ったかどうかは関係なく、すしざんまいの社長さんは凄いビジネスマンだと思う。なにしろ、最初にプントランドに乗り込んだとき拉致されたら一巻の終わりなのだ。

現地へ行って交渉して、仕事を始めただけでも十分「武勇伝」だろう。

私は減点法ではなく加点法で人を見たいし、チャレンジャーは応援したい。

無茶でもバカでもなんでも、実際にやってみた人間をリスペクトしたい。クレイジージャーニーのスタッフや松本さんのように。

 

(これが無事、アップされることを祈ってます…)

 

関連記事

no image

片野ゆか「愛犬王」発売

妻・片野ゆかによる本年度小学館ノンフィクション大賞受賞作『愛犬王 平岩米吉伝』(小学館)がようやく上

記事を読む

高野本の未知なる領域

ここ最近最も驚くべき、かつ(それが本当なら)実に嬉しいことがあった。 大竹まことのゴールデンラ

記事を読む

no image

天地明察

冲方丁(うぶかた・とう)『天地明察』(角川書店)を読了。 いやあ、素晴らしい。 新しい日本独自の暦

記事を読む

no image

おもしろくないことがおもしろい

キタ帰国の二日後、つまり6日から9日まで沖縄に行ってきた。 10年以上前、大連に短期留学をしたときさ

記事を読む

no image

大久保小学校に未来をみた

今週も忙しいような、ぼんやりしていたような、なんとも言えない気分のまま過ぎた。 印象に残ったのは、

記事を読む

no image

高島先生の新刊

連合出版より高島俊男先生の新著『お言葉ですが… 別巻2』が届いた。 最近出版社や編集者からいろんな

記事を読む

no image

ウモッカのトゲ!?

早稲田での上映会では錦鯉専門誌という珍しいものと トナカイのぬいぐるみ(?)という奇妙なものをいた

記事を読む

no image

新作『異国トーキョー漂流記』見本届く

 2月18日に発売される私の新刊『異国トーキョー漂流記』(集英社文庫)の見本が届いた。  私がこれ

記事を読む

no image

空飛ぶ人

「Free&Easy」というアメリカン・カジュアル専門誌のインタビューを受ける。 インタビュアーの編

記事を読む

no image

タイの懐メロを熱唱してしまう

こちらに来て初めて飲み会に行った。 「アジアの雑誌」編集長の夢野狂作夫妻、同誌で辺境レポー

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • RT : 北尾トロさんの新刊『人生上等!未来なら変えられる』読了。刑務所出所者を雇用する社長の半生に迫る本。悪の限りを尽くす暴走族総長から売人時代、獄中話に震撼しまくり。誤解を恐れずに言えば、主人公は今現在も過去と地続きの世界に生きる方。それを嘘なく温かく描… ReplyRetweetFavorite
    • 素晴らしい本でした!アウトサイダー青春記としても傑作ですね。こんなふうに一つの言語と真摯に深く向き合えるなんてマジで羨ましい。あと、やっぱり本当に凄い人や作品は制度の外(辺境)から出てくることを再認識しました。 https://t.co/JHWcSBWzfA ReplyRetweetFavorite
    • で、今気づいたんですが、「千葉ルー」の著者名を間違えてました。「斎東鉄腸」と書いてしまったけど、「済東鉄腸」でしたね。失礼しました。訂正します。 ReplyRetweetFavorite
    • 「千葉ルー」で思い出したのだが、私の知人は「千葉に何年も住んでいて日本語も話す言語研究者で今は故郷に帰っているルーマニア人」だった。彼女も「千葉ルー」だな。済東鉄腸さんのことを知っているかも。 ReplyRetweetFavorite
    • ハックは奴隷じゃなかったですね。すみません、間違いました。 https://t.co/S39LyxaidJ ReplyRetweetFavorite
    • 斎東さんはもっぱらネットやSNSを利用してルーマニア語を習い、「ひたすら現地で実践」という私の語学とは真逆に見えるが、そのやり方は手に取るようにわかる。ネットを通していながら、斎東さんも「現場主義」なんだと思う。 https://t.co/406lKPRFVW ReplyRetweetFavorite
    • 発売当初からずっと気になっていた話題作、斎東鉄腸著『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、ルーマニア語の小説家になった話』通称「千葉ルー」(左右社)をようやく読んだのだが、予想を上回る興奮と感動にとらえられた。言語と文学をこんな… https://t.co/CbvWvyPHWa ReplyRetweetFavorite
  • 2023年4月
    « 3月    
     12
    3456789
    10111213141516
    17181920212223
    24252627282930
PAGE TOP ↑