チェロを壊すプロ・坂本弘道
公開日:
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最終更新日:2012/05/28
B系友人図鑑
お知らせしたとおり、東中野ポレポレに「えんとこ」を観に行った。
観客は十数名。
映画自体も「全身麻痺の障害者とボランティアの若者たちの交流」という予告から想像できる範疇に収まっていて、正直物足りず。
特に、ボランティアを強調しすぎて、安いながらもバイト代をきちんと払っているという事実を軽く流しているところが残念だ。
介護される側である遠藤さんがいかにして資金繰りをして、若者たちにバイト代を提供しているかとか、「いやあ、バイトは別になんでもいいんだけどぉ、ここ、楽しいし、上司もいい人だしぃ…」(例えば、である)みたいなコメントとか、そういうのが知りたかった。
この日は、遠藤さん本人も自分の愛車ベンツでやってきた。
ストレッチャーで高級愛車に運び込まれるというのがすごい。
こういうのが私としては好きなのだ。
さて、そのドライバー兼付き添いをやっていたのがツッキーという私の昔からの友人(♀)である。
彼女は奇人変人の知り合いがひじょうに多い。そういう人間を探し当てる天才ともいえる。
例えば、彼女のダンナもその一人。
昨日も東中野に来ていたので、久しぶりに会ったが、坂本弘道というチェロ奏者である。 もともとはジャズをやっていたらしいが、今ではすっかり知る人ぞ知る前衛アーティストだ。
この人はチェロを打楽器のように使うことで知られる。
ライブでは、チェロをぶっ叩いて音を出すことに専念するあまり、ネックなどしょっちゅう折れているらしいし、電動グラインダーをチェロの金具部分に当てて火花を散らす芸などもある。
最近では、「チェロを床に落とすとゴーンというすごい音がするんだよ。それをライブでやろうとしたら、底がつぶれちゃって、グシャッていう変な音になっちゃった」と嘆いていたが、嘆く部分がちがうのではないかと思う。
自分で壊すほかに、人にも壊される。
ステージの上から巨大なパネルが落ちてきてチェロが真っ二つになったり、エジプトに公演に行ったかえり、飛行機で預け荷物にしたチェロがケースごと半分つぶれていたり。
(チェロは機内持ち込みには大きすぎて、座席一人分を用意しなければならないらしい)
そのつど、修理代が30万円とか50万円とかかかる。
あるいは一個100万もするチェロがまるごとオシャカになる。
だから、坂本さんはいつも貧乏である。
仕事がないとき(そういうときが多いらしい)には、自分や人が壊したチェロの廃材を利用して、「美術作品」をつくっている。
本人曰く「供養のため」だそうだ。
オシャカになったものを供養するのだから、辻褄があっているような、いないような。
面識はないが、「のなか悟空」のこともよく知っていて、「あの人、めちゃくちゃだよね」と言っていた。
「ふつうさあ、ドラムは優しく叩いてあげるものなのにねえ…」とのことだが、じゃあ、チェロには優しくしなくていいのだろうか。
言うこととやることが全然ちがうのである。
「零式」という題のCDも出している。
私も一枚もらった。私はあまり音楽を聴くほうではないし、特に前衛には縁がない。
坂本さんには失礼な話だが、「一回義理で聴いて、あとはラックの中で埃をかぶることになるだろう」と確信していた。
ところが、聴いてみると、これがおもしろい。
ノスタルジーとエキゾチスムが混じった、どこの国のどこの時間かわからないが、何かこう懐かしさを感じさせる音楽だ。
前衛ではあるが、たいへん叙情的でもある。
本人がそう意図しているかどうかは知らないが、「零式」が「ねじ式」に通じて、つげ義春の世界をも連想させる。
いつの間にか、私のお気に入りになってしまった。
旅が好きな人には特にお勧めである。
ところで、ツッキーは坂本さんの追っかけみたいなことをやってるうちに仲良くなってしまったらしい。
彼女は「まだ世間では知られてない変なアーティスト」をジャンルを問わず、追いかけて、応援するのが一貫した趣味である。
私も「ムベンベ」以来、ずっと応援されている。
そんな彼女が十数年前、熱心に応援し、私までも応援に借り出された、売れないショボイ芸人がいた。
それが「間違いない!」で今ブレーク中の長井秀和なんだが、この話はいずれまた。
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Comment
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しかし世の中にはいろんな人がいるもんですね。
高野さんが普通に見えてきますからねー。
僕も金澤さんあたりで驚いていちゃいけないのかも(笑)。
でも彼もやっぱりすごいですけどね。ね?
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社員に道場通いを義務づけ、空手のやる気で社員の優劣をつけるという旅行会社の社長がすごくないわけがありません。
ていうか、異常。
これについては今後はっきりさせないといかんと思うのですが、どうでしょう?
本人からは「書かないで」と釘をさされてますが。
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それで成り立つ会社ってのもすごいですよね(笑)
さすがは世界最強の辺境旅行会社!!
なんとか私が彼を説得しますので是非ご公表ください!
ちなみに採用時点で、組み手でぼこぼこにして次の日に逃げなかった
根性のある人間を採用、というのもあります。
ある意味正論と思わせる一本筋の通った採用方針と感服しております。
あれで部下の信頼厚いし。働きたくはないけど。。。
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えー何やら、御二方、好き勝手な事を仰ってますが。
誤解を招く恐れが多大にありますので簡単に訂正させて頂きます。
私は一応サービス業に従事している人間で4年前まで普通のどこにでもいる普通のサラリーマンでした。日本のランドに9年勤めていました。
「早稲田三畳」の主人公の高野さんに異常とは言われたくないですね(キッパリ)。 高野さんは素晴らしい日本が世界に誇れる作家だと信じてますが、
37歳の現在まで勤め人経験の無い高野さんのほうが異常です。
普通人から見ると。
にしても高野さんの周りには本当に濃い人が多いですね。
私の繊細な神経で、日本で言う普通の感覚でこのミャンマーで普通に会社を私はやっていけません。 もちろん日本でこんなことしませんよ。
因みに空手で社員の優劣は絶対に付けません。 そんなこと出来る訳無いじゃないですか。 ただ空手の稽古では言い訳はさせません。
皆、出来る範囲で頑張れば良いんです。
きつくなった時に言い訳をする奴は仕事でも同じ事をすると思うんですね。
きつくなってもやせ我慢を出来るスタッフに無理が効くスタッフになって欲しいんです。 いつも安全地帯にいて評論家みたいな事を言ってる人間はいらないんで。
頑張れるかどうかを見てるんです。
山に行ったらいろんな事が起きますから
ポーターが言う事を利かなかったり、許可があるのに現地の木っ端役人がいちゃモンを付けて来たり、そんな時に引いてしまうような奴じゃうちのガイドは出来ないんです。 ヤンゴン、バガン、マンダレー、インレ湖で仕事をしてるんじゃないんで。 最初はこんなことはしてませんでしたがフリーランスのガイドが問題を良く起こすんですが、まあ口が上手い。 でも信用できないし
客からは文句が来る。
こんなの事が起きないように社員ガイドを道場に入れさせるようにしたんですが今では皆、昇級を目指してたに楽しむようになって来てます。
何故か会計のお姉さんやナガ族の女の子まで自分から道場に通うようになってます。
あと、面接に来るガイドがいい加減な事ばかり言うんで一々話を聞いて相手をするのも面倒なんで「弊社は道場入門が条件だよ」と言えばそれで終わるんで、まあ、そう言う効能もありますね。
うちのトレッキングガイドは体力ありますよ、白帯でも。 アバラが痛いから腕立てが出来ないと言うのでスクワットをやらせていたら簡単に1,000回やってました。
二村会長の書いている採用時点で組み手でぼこぼこは全くの作り話ですよ(笑) そんな面倒なことはしません。
たまたま11年前に初めてミャンマーに来た際の話を膨らましてるだけです。
会長の話を書けばそれだけで1冊の本が出来るのにな硬軟交えて、
残念だ。 あと3年待たなければいけないのか、会長ネタは。
俺みたいな会社員上がりの真面目だけがとりえの人間がこんな風に書かれて、ウッ、ウッ(涙)
マ、間違ってるぞ。
(何か、NONOさん風になってしまいました)
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ショウタさん、やっぱりあなたはすごい。
僕は自分の会社の採用時にさらっと
「道場入りが条件ね」
なんていえないです・・・(笑)。
そういや、先日、新極真のトーナメントをなんとなくみてました。
体の切れの悪い本が負けてしまい、時代の移ろいを感じました。
同世代として是非ともがんばって復活して欲しいもんです。
ということで、ショウタさん、来日お待ちしてます。
エアポートホテルGotoの支配人は連絡がないと笑っておりましたよ。
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おー、なんかすごい、
ほとんどチェロの坂田氏の話ししてない・・・。
今年の映像祭が思いやられる、いや、楽しみです。
坂田氏のゲスト参加あったりして・・・ドーでしょうわたる委員長?
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わー、このコメント欄が異様な盛り上がり。
ホントにチェロの坂田氏の話ナシ。
(え、坂田氏?坂本氏ではなくて?)
さすが偏狭(もとえ辺境)大作家、高野秀行氏のブログだけのことはありますね。
ところで金澤さんの会社、スゴイですね。
オレは格闘技は出来ませんが(柔道がソコソコくらい)
体力には自信、あります。
縄文杉行の帰りに、16�の鉄アレイ持ってスクワット100回が日課ですから。
ぜひ、今度使ってください。
オレも42年、会社員したことありません。
NGOは会社と言わないし、あとはバイトと日雇い人夫。
ガイドだって1日やってナンボの日雇い家業。
年金なんて払ったことも無い。
(その年のころ年金制度なんて絶対崩壊してるし、だいたいその歳までオレが生きられるわけがない。もし、生きてたらオレは絶対、大金持ちになってるから、年金なんて必要ない)
ところで、ここに書きこんでる人って、会長とか、社長とか、偉い人ばかりなんですけど、みんななんか、探検部の仲間みたいな気がするんですが。
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そういえば、高野さんの新書、「異国トーキョー放浪記」2/20発売の記念イベントについていろいろ報告せねばなりませんね。
まだ、ほとんど決まっていませんが、一部の高野秀行から世界の高野秀行へ変身する大事な時期ですので、皆様もどうぞご協力下さいませ。
って、また坂田さんの話してないや・・・。
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みなさーん、坂田さん、じゃないですよ。
坂本(チャカモト)さんですよー!
ところでNONOさん、1月に上京されるそうですね。
お会いできるのを楽しみにしてます。
あ、でもお風呂にはちゃんと入ってきてくださいね。
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勝手に「坂田さん」の命名をしてしまい、
非常に申し訳ない!
2/20は発売イベントやるんですか?
詳細に期待です。
そーいえば、僕の周りの音楽やってる(やってた)人で、
グランドピアノを毎回ぶち壊す人はいたなあ。
ダンボールで作ったやつだったけど。
発泡スチロールで作ったギターを壊すのに命掛けてる奴もいた・・・
なんで壊すんだろう・・・
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2月20日という日取りはまだ本決まりではありませんが、
高野秀行応援イベントになる予定ですので、発表をお待ちください。
ちなみに金澤さんは否定していますが、
「道場でぼこぼこにして、それでも翌日向かってきたから
採用することにしたんだよ」という発言を何回も聞いています!
どっちにしたって「ある意味、筋が通っている」
と認めてるんだからいいじゃないですか、隠さなくたって(笑)
それと、高野さんのことを社会人経験がないとか言っていますが、
カンボジア選挙の際、PKOの日本人文民警官が
この地域は行っても安全かどうかと問題になるようなところに
先乗りで宿手配に行くような仕事を普通の社会人はしないと思います。
普通の社会人とは、オホン!この水滸伝ブログではやっぱり僕でしょう!!
NONO様 ご上京の際は私も是非ご一緒させてください。
お願いいたします。
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水滸伝ブログ!いいですねえ、そのネーミング。
大好きなんです、梁山泊とか。
オレみたいに奇異をてらいながら、その実つまらない人間にはあこがれなんですよ。
英雄豪傑が(多種多様な者たちが)、時代を(そんな大げさなものじゃなくてもいいから、楽しい世界を)作っていく。
そんな話、好きなんだよなあ。
ゴリラだって、その一員だ!
(ちなみに、「ぼくの動物園日記」という飼育係マンガを描いた飯森広一は「60億のシラミ」という水滸伝ネタのマンガも描いているのだが(未完)、梁山泊好漢のかなり多くが動物園飼育係。しかも地遂星の候健は本当にサル。(天才のチンパンジー。アイちゃんか?)
あ、また、オタク話を〜。
でも動物好きの高野氏には面白いネタでしょう。
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そりゃ「通臂猿」の異名をとる侯健だったらそうなるでしょうねぇ。侯健は、地遂星の一員とは言え、梁山泊のすべての旗・さしもの・鎧甲から衣類に至るまでの製造を一手に担っていた裁縫の達人。なんとなく「テナガザル」のあだなもイメージできますね。長くしなやかな手で、針と糸を自在に操る姿…美しい!
すんません、本題には全く関係ないと思われますが、水滸伝ネタを発見し、たまらずしゃしゃり出てきました。OΛS/SのYoshiでございます。
なにを隠そう、私は大の水滸伝マニアでありまして、日本で手に入る「水滸伝」「梁山泊」に関するアイテムはほぼすべて手に入れたんですが、飯森広一氏ののその作品は存じませんでした。不覚。
探してみます。
失礼をいたしました…。
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関係ない話に走ってしまったお詫びかたがた。
坂本さんのサイトです。
http://home.catv.ne.jp/dd/piromiti/
ライブ結構頻繁にやっていらっしゃいます。
12/4は音や金時でも。。。
なんだ、OΛS/Sと同じ箱でやってるじゃないですか!