「何のようぞ」の心で大日本帝国海軍の本を編集しました
ユーキャンから発売されたDVD「大日本帝国海軍」の鑑賞ガイドを編集しました。
興味のある方はこちらをどうぞ。大日本帝国海軍 DVD
鑑賞ガイドのタイトルは「大日本帝国海軍の基礎知識」。
音楽の出版物の編集からスタートした小社も、気がつけばミリタリーもできるようになりました。
いったい私たちはどこへ向かっているのでしょう。
さて、日本の軍隊や戦争ものは、1945年8月15日という着地点があるため、時間軸で編集すると暗い方向に行きがちです。
何年の何月何日に○○をして、翌年○○がどこどこへ・・・と歴史をなぞっていくと、途中、どれだけ華々しい活躍や、実績を紹介しても、行き着く先は「玉音放送」が待っているからです。
しかも、今回は海軍ですので、ミッドウェー海戦から先は、判断ミス、リーダー不在、敵兵器との性能差ありすぎ、物量差もありすぎ、最後は根性論、などによって、目を覆いたくなるような状況が3年近くも続きます。
企画の段階から、DVDは、明治元年の海軍創建からこってり歴史をなぞるという話だったので、担当さんと「鑑賞ガイドは別の方向がよいですね(両方とも歴史をなぞると鬱になりますね)」という基本方針で合意(?)しまして、あとはこちらに任せてもらいました。
そんなタイミングで「艦これ」がはじまるなど、海軍まわりがにわかに活況を呈してきたのですが、“萌え”の要素は一切ない、いたってまじめで面白い本にしたつもりです。
余談になりますが、「艦これ」前と後とでは、ネット上での海軍周りの検索結果が180度違っていて、例えば、Googleで戦艦名を入れて画像検索すると、以前は武骨なモノクロ写真かプラモデルくらいだったものが、今では萌え萌えの絵で埋め尽くされております。
白状しますと、かくいう私も編集作業中にやりはじめたわけです。
結果として、擬人化によって戦艦の名称や関係性がすっと入ってきたのでよかったのですが、以降、戦艦名を聞くとキャラのイメージが勝手に脳内変換されるようになって困っています。
・・・。
話を元にもどしましょう。
時間軸で追わないことのほかに、代表的な海戦の戦術や、勝敗分析といった、海軍本でよくあるテーマも扱わないことにしました。
その代わり、兵の一日のスケジュールや、艦上での役割。海軍で食べられていた食事、さらにその食事を作っていた主計兵(しゅけいへい)たちの様子など、あまり積極的に伝えられてこなかった兵たちの日常や生活を紹介することにしました。
例えばこんな見出しです。
「住めば都?の艦隊暮らし」
「大日本帝国海軍を支えた男の料理」
「艦上生活で許された兵や下士官の持ち物」
「海軍式の徹底した節水生活」
「酒保、それは兵員たちの心のオアシス」
幸いなことに、担当さんや営業のかたにも喜んでいただけ
さらによいことに、テスト販売での評判も上々のようです。
ということで、最近のお仕事のお話でした。
ちなみに、編集中にいつもお世話になっている保険会社の方が来社されたので、「今、海軍の本を編集しているんですよ」と話してみたら、なんと!お父様が海上自衛隊の元海将で、阪神大震災時の現場指揮官をされていた方でした。。。
ご本人も、昔からお父様の影響で、海軍関係の本や映像に触れていたとのこと。
人はどこでどうつながっているかわからないものです。
そこで、お父様、仲摩徹彌さんについて調べてみましたら、本を出されていましたので、早速購入。
著書『危機突破リーダー』(草思社)の帯には「阪神大震災の教訓はなぜ東日本大震災に生かされなかったのか。」とあり、ありし日の大沢親分や張本勲のような「喝!」が飛びまくっていて痛快です。
社長はもちろん、管理職や組織のリーダーを任されている人に、ぜひオススメしたい一冊でした。
この本のキーワードは「何の用ぞ」。
大日本帝国海軍でも受け継がれていた言葉です。
その意味は、
「自分が何のためにそこにいるのか、今自分しかできないことは何なのか」
ということ。
次の仕事も「何の用ぞ」でがんばりたいと思います。
次のリンクはユーキャンの通販ショップへのリンクです。興味のある方はご覧ください。大日本帝国海軍 DVD
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