*

指1本から始めてサルサが弾ける!? NHK趣味Do楽「塩谷哲のリズムでピアノ」の番組テキストを編集しました。

9月から放送される、NHK趣味Do楽「塩谷哲のリズムでピアノ」の番組テキストを編集しました。

IMG_6549

塩谷さんは、藝大在学中から「オルケスタ・デ・ラ・ルス」のメンバーとしてプロ活動をスタートし、ラテンはもちろん、ジャズ、ポップス、クラシックといったジャンルの垣根を自在に行き来できるマルチなピアニストです。

 

 

佐藤竹善、絢香、矢井田瞳、平井堅といった実力派シンガーからの信頼も厚く、アレンジャーとしての才能、実績も豊富。そんな彼にピアノを教えてもらうなら・・・ということで、テーマが「リズム」になりました。

 

2か月、全9回のレッスン(第9回は総集編)のうち、前半の4回は、「ワン・ノート・サンバ」「あまちゃん オープニングテーマ」「どんなときも。」「ムーンリバー」など、耳なじみのある曲を題材に、心地よいリズムでピアノを弾く、一般的なレクチャーを。そして、5回目以降は、「マンボNo.5」を課題曲に、ラテンのリズムとピアノの奏法を修得。さらに、誰でも知っている「きらきら星」をサルサ風に料理した、塩谷さんオリジナルのアレンジ譜を使って、ラテンのピアノをマスターするという構成です。

 

指1本で弾く超初級の「ワン・ノート・サンバ」から、ノリノリな中上級のラテン・ピアノまで到達するという、盛りだくさんすぎて、みんな最後までちゃんとたどり着けるのか、やや不安・・・(笑)。

今回は、塩谷さんの書き下ろし楽譜と取材をもとに、テキスト全体の流れを構成していきました。特に、タイトルに「リズム」とあるように、全体に流れる軸を「リズム」にすえていますので、それを紙面でどう表現するのか……という点に知恵を絞りました。

 

☆ ☆ ☆

ラテン音楽には、「クラーヴェ」と呼ばれる、曲の屋台骨ともいえるリズムが必ずあります。
「クラーヴェ」は2小節ごとにループし、1小節目に3つ、2小節目に2つビートのある、3−2クラーベと、1小節目に2つ、2小節目に3つビートのある、2−3クラーヴェの2つがあります。

 

 

ラテンの曲であれば、必ずどちらかのクラーヴェが流れており、このクラーヴェの上に、パーカッションやベース、ピアノ、ギター、ベース、トランペット、トロンボーンなどの楽器が重なっていきます。

塩谷さんが「ラテン音楽では、とにかくクラーヴェを意識すること。極端な話、ラテン音楽のミュージシャンたちは、小節のアタマがどうのこうのということよりも、クラーヴェにちゃんと合っているかどうかに意識がいっていると思うくらい、クラーヴェは重要。」という話をしたとき、自分の中で、あ!っと思うことがありました。

 

それは、高校時代、吹奏楽部でトランペットを吹いていたころ、「コパカバーナ」や「エル・クンバンチェロ」など、ラテン系の楽曲を聞いても、どうもカッコイイと思えず、何か違うのでは……という違和感でした。

当時の自分は、クラベス(先ほどの映像に出ていた茶色い2つの棒)でビートを刻むとラテンっぽくなる……くらいにしか思っておらず、クラーヴェはパーカッションだけの話だと思っていました。

さにあらず。
演奏者全員が意識しないといけないものだったのですね。。。

 

それもそのはず、「クラーヴェ」とはスペイン語で「鍵」の意味。
まさに、ラテン音楽を味わうための「鍵」となるリズムだったのですから。。。

 

 

さっそく、南米の上手なブラスバンドの演奏はないかと探してみましたが、見当たらず。。。

ということで、鉄板の東京佼正ウインド・オーケストラによる「エル・クンバンチェロ」をお楽しみください(この曲は2−3クラーヴェです)。

 

 

ちなみに、吹奏楽といえば、塩谷さんの音楽家としてのデビューは、14歳のときに作曲した「海溝 A Deep」。

1980年のヤマハ「ジュニアオリジナルコンサート」でエレクトーン曲として作曲、演奏されたこの曲は、優秀作品に選ばれ、のちに吹奏楽用に編曲された「ニューサウンズ・イン・ブラス」に収録されています(編曲は久石譲!)。

 

 

中2のときに、すでにこんな曲を書いていたという神童ぶりに、つい自分の中2の頃を思い出して・・・(省略

 

PR

関連記事

no image

想い出のあの曲には「匂い」がある!?

 次号の一五一会スコアマガジンに収載する楽譜の選曲が決まったので、一通り音源を聴いてみる。  ほとん

記事を読む

no image

初執筆「日本の名山」完成

 12月から取りかかり、ほぼ6ヶ月をかけて制作に携わった「日本の名山」(ユーキャン)が完成した。  

記事を読む

no image

祝!平成20年度 文化庁芸術祭、大賞受賞!

 弊社が企画、構成を担当し、10月23日に王子ホールで行われた「酒井松道尺八リサイタルー尺八の系譜ー

記事を読む

no image

ブログをリニューアルしました。

今年に入って、新しいサーバへ引っ越ししたこともあり、以前から懸案だったブログのリニューアルに取りかか

記事を読む

no image

手帳を振り返ってみたら

のんきに北海道を満喫(実際は足にまめが出来たり、朝3時起床だったりと、全然のんきではないんだけれど)

記事を読む

no image

Malaysian Week??

 私がマレーシアのDJ達と代官山でバカっぱなしに花を咲かせている頃、実は他にもマレーシアから著名人達

記事を読む

no image

一五一会スコアマガジン Vol.5

  今週はドレミ楽譜出版社より発刊されている季刊誌「一五一会スコアマガジン」の春号を製作中です。 一

記事を読む

no image

辺境から天使の歌声

 当ブログでもご紹介の通り、去る9月30日、大田区の池上会館にて「第二回ミャンマー辺境映像祭」が開催

記事を読む

no image

木曽駒ヶ岳『聖職の碑』と小林家の場合

 12月から山に取りかかりっきりで、やっと21山の原稿が終わった。  残るは9山。  書き終えたら、

記事を読む

no image

【守備範囲拡大】とうとうダンスへ。

 8月のほとんどをぶっ潰し、取材と執筆に明け暮れた本がついにできた。 「NHKチャレンジ・ホビー 

記事を読む

PR

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

PR

2020年1月21日(火)@赤羽/新宿二丁目ママ歴27年、涼ママの歌とトークと焼肉ホルモンde笑ってナイト、大盛況でした。

 久しぶりのイベント復帰、どんなことになるだろう……と思いつつ、フタ

2020年1月21日(火)@赤羽/新宿二丁目ママ歴27年、涼ママの歌とトークと焼肉ホルモンde笑ってナイトをプロデュースします。

 あっという間に2019年が過ぎ去り、2020年入り。 明けましてお

小林家と居倉家の対面について書かれた福島民友新聞社の記事。
小林家のファミリーヒストリー 〜信州から会津に行ったご先祖様〜

NHKに「ファミリーヒストリー」という人気番組がある。 毎回、ひ

出版不況の中、デジタルオンデマンド印刷の登場は、業界をどう変えるのか?
出版不況の中、デジタルオンデマンド印刷の普及で出版界はどう変わる?

このところ、本の雑誌社の杉江さんと「おとなの社会科見学」が続いている。

レンガ状に配置された「Project」。今回、会社のサービスを紹介する場所に使いました。
WPテーマ「Perth」の設定で困ったこと③プロジェクトが表示されない!

先日、会社のホームページをリニューアルしました。Wordpressの「

→もっと見る

  • 2025年4月
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    282930  
PAGE TOP ↑