文化庁芸術祭授賞式
公開日:
:
最終更新日:2012/05/25
今日のお仕事
文化庁芸術祭の贈呈式に参加するため、神保町の如水会館へ行く。
全部門(演劇・音楽・舞踊・大衆芸能・テレビ・ラジオ・レコード)の受賞が行われたので、結構な人数になった。
私がリサイタルの企画・構成を担当した「酒井松道尺八リサイタルー尺八の系譜ー」は、音楽部門の大賞を受賞。受賞者の酒井松道さんも新幹線で大阪からお見えになられた。
会場で配布された贈呈式のパンフレットによると、受賞理由は
「長年の普化尺八の研究を土台にして、伝承者が分る古典本曲と、改訂に深く関わった現代曲で、尺八音楽の系譜を辿る。芸術祭ではレコードと放送部門で受賞しているが、見事な息遣いの難度の高い演奏で、古典の吹き方の多様さや豊かな精神性を示したばかりではなく、一本の尺八で現代に挑戦した音楽性も高く評価された。」
となっている。
一番最初にリサイタルの御相談を受けた時、公演のコンセプトをどうするかあれこれ考えたのだが、彼の吹き継いできた尺八のスタイルを聞けば聞くほど、過去の伝承者がはっきりとした歴史の流れを感じずにはいられなかった。
頭の中に「系譜」という文字が浮かぶ。
CDや人の演奏を聴いて、気軽に曲を自分のものにする尺八奏者が多くなっている中で、愚直とも言えるほど、正直に、ゆっくりと時間をかけて、人対人の対面稽古で曲をマスターしてきた松道さんには、まさしく「尺八の系譜」が流れていると思う。
このコンセプトが受賞理由の一つに挙げられたのは、なんとも企画冥利に尽きる。
系譜という点では、錦風流・根笹派の古典尺八を受け継いできた善養寺恵介さんが新人賞を受賞したのも嬉しい出来事だった。
軸がぶれることなく、一つのことをしっかりとやり続ける人に尊敬と憧れを抱かずにはいられない。
授賞式に続いて祝賀会が開かれたが、何と言っても真っ赤なドレスの小林幸子が目を引いた。大衆芸能部門の優秀賞を手にした彼女のインタビューはテレビ同様ハイテンションであり、巨大な衣装ではなかったものの、人を惹きつけるスタイルは彼女ならでは。
ある意味この人もぶれがない…といえる。
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