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300文字で電書デビューする方法〜要体力、カメラ・筆力少々〜

公開日: : つれづれ日記 , , ,

iPadやKindleの普及で、身の回りにも電子書籍、いわゆる電書が少しずつ浸透してきました。Amazonなどは、本の購入ページにちゃんと「Kindle版」もあって(ない場合は「Kindle版化リクエスト」ボタンもある!)、すぐに読みたいときなどは、本当に便利です。

電子書籍は、自費出版の敷居も下げていて、最近はKindleダイレクト・パブリッシング(KDP)というサービスを使えば、自分でコツコツと書きためていた文章も、あっさり電子書籍化することも可能です。

しかし、自分で一冊分書き上げるのは、結構な労力が必要です。もちろん、文才や構成能力も求められます。

今日紹介するのはもっと簡単に“電書デビュー”する方法です。もちろん釣りではありません。

 

みなさん、「山と渓谷」という雑誌をご存じでしょうか。

1930年創刊の、文字どおり、山についての情報がてんこ盛りの山岳雑誌です。こちらの親会社は、パソコンソフトの“できるシリーズ”で知られるインプレスということもあってか、山というデジタルから縁遠い世界ながら、いち早く電子書籍への取り組みをはじめました。

実はこの「山と渓谷」に、生きた山岳情報をタイムリーに発信するための「週刊ヤマケイ」という電子書籍があるのです。

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登山者にとって、山の情報は貴重なもの。

「この冬は雪が多かったけれど、登山道にはまだ雪が残っているのだろうか?」
「こないだの台風で、土砂崩れなどは起きていないだろうか?」
「そろそろ高山植物の花は咲いているのかな?」
「●●岳の山小屋は混雑しているのかな?」

などなど。

ザックや登山靴など山専門のアイテムを扱っているお店には、昔から、山から帰ってきた常連さんが、自分たちの持っている情報を記して、次の人たちが参考にするという“連絡帳”があるものですが、ちょうどこれのデジタル版みたいなものです。

この週刊ヤマケイ、2012年9月の創刊で、今日が通巻29号目。

ここへ、先日、ノンフィクション作家の高野さんと一緒に行った大山登山のレポートを書いて送ったところ、すんなり掲載されました。

EPUB版のダウンロードはこちらから http://cc.mas.yamakei.co.jp/c/003aa7_0000osmr_5c

HTML版の週刊ヤマケイはこちらから http://cc.mas.yamakei.co.jp/c/003aa6_0000osmr_8b

週刊ヤマケイの購読は無料。
レポートの謝礼もありません。
ただし、自分の文章がしっかり電子書籍に掲載されます。

しかも、編集部の話では、読者数(購読者数)は約3万人とのこと。

ちなみに、レポート要項は次の通りです。

・横位置で撮影した写真1〜2点(横幅800ピクセル程度)

・登山レポート 200〜300字(1か月以内の山行)

・写真キャプション

 

登山レポート以外の論評や、文字数を大幅に超えたものは対象外とのことですが、実際には、日程や天気、登山道の様子などをちょろっと書いただけで、すぐに上限の300文字に到達してしまうでしょう。

ただし……。

たぶん、ここがポイントだと思うのですが、掲載されるかどうかは、ほんの少しだけ戦略が必要だと思います。

 

それは

1 直近でレポートの上がっていない山を選ぶ

2 何か見どころを用意する

 

1は、例えば高尾山のような山であれば、ライバルもいっぱい。ふつうの山行レポートは山のように寄せられてくるはずです。

「山中の桜が満開で、すごい写真が撮れた!」とか、「親子三代で登った!」のような、少し特別感のあるものであれば、ひょっとすると掲載されるかもしれません。

登る山にこだわりがなく、掲載されたい!という方は、直近のバックナンバーに目を通してから目的地を決めるのも一手です。

 
2は、前述の特別感ともリンクしますが、いわゆる「編集者が選びたくなるツボをおさえる」ことです。

今回の大山登山は、高野さんと一緒でしたので、「ノンフィクション作家高野秀行さんと登山」というところが「ツボ」になりました。

「10年に一度の開花」とか、「山開きで山伏と一緒に登山」とかもよいかもしれません。

特別感を押し出しすぎてマニアックな方向に行ってしまうと、ボツになるかもしれませんので、その辺りはサジ加減が重要だと思います。

 
週間ヤマケイ以外にも、出版社が発行している読者参加型の電子書籍があるかもしれませんが、採用のポイントは似ていると思いますので、参考にしてみてください。

 

 

 

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