*

編集者から見たプロフェッショナル(1)フォトグラファー〜瞬間を切るとる魔術師たち〜

編集の仕事は、本や雑誌ごとに複数の人とチームを組み、最終的にひとつのものを作り上げます。

制作に従事するスタッフだけでも

  • 著者 or ライター
  • フォトグラファー
  • イラストレーター
  • アートディレクター
  • デザイナー
  • DTPオペレーター
  • スコアアナライザー(音を聴いて楽譜に起こす人)
  • 楽譜浄書スタッフ
  • 校正者

これくらいはいます。
(スコアアナライザーや楽譜浄書スタッフは、音楽の本をつくる場合)

ここに出版社の担当編集者や、全体の総括をする編集長、さらには企画に関係する人たちや、コンテンツの権利を持っている人など、いろんな人たちが加わり、それぞれの思惑や要望を交通整理しながら制作にあたっていきます。
もちろん、上記の役割を兼務し、一人二役ならぬ、三役、四役をする場合もあります。(予算によって、そうせざるを得ない場合もあります……涙)

 

さて、今回の対象は、フォトグラファー。

いわゆるカメラマンさんですが、ここでは、私の敬愛するフォトグラファー、Michi ISHIJIMAさんの「カメラマンではなく、フォトグラファーです」というセリフに敬意を表しまして、そう表記しております。

残念ながら、石島さんとはまだ一緒にお仕事をしたことがありませんが(正確には同じ本でそれぞれ別コーナーを担当していて、打ち上げで初見、今はFacebook友達、私が一方的に敬愛中)、今までの仕事でお会いしてきたフォトグラファーの皆さまの傾向をザクッとまとめてみますと、だいたい次のようになります。

 

(1)ふだんは穏やかなのに、ファインダーをのぞいたとたん変身する

ロケハンや撮影前の打ち合わせなどでニコニコしていても、撮影が始まったとたん豹変。
白の望遠レンズはライフルのごとく、スコープをのぞく視線は、獲物を射るハンターのよう。

被写体と一対一の戦いに挑む侍の風格が漂っています。

 

(2)性別不明な独特のオーラをもっている

男女に限らず、フォトグラファーのみなさんには、ある種の「艶っぽさ」があります。特に人物を被写体とする撮影の場合は、その能力がさく裂します。

言葉やファインダー越しの視線で相手をメロメロにするといいますか、レンズを通して、相手に愛のメッセージを 贈るとでもいいましょうか。

そのオーラに触発されて、被写体の表情やしぐさも魅力的になってくるのが驚きです。

 

(3)自分の撮った写真が好き

取材など、現場の仕事が終わると、「少しごはんでも」という流れになることも多いのですが、大抵のフォトグラファーさんは、そのまま帰られます。

これは機材を大量に積んだ車で来ているということもあるかもしれませんが、「早く帰って撮った写真が見たい」ということもあるようです。

特に撮影現場が盛り上がった時などは、
「1秒でも早く帰ってパソコンに取り込み、写真のセレクトをしたい!!」
というのが本音のようです。

 

自分もカメラを構えることがありますが、彼らが持っているカミソリのような感性には程遠く、違いを思い知らされることばかりです。

ピアニスト小原孝さん(右)の撮影で、奇跡のカットを山のように生み出した侍フォトグラファー、駒井夕香さん(左)

1秒の何百分の1、何千分の1という瞬間を切りとる時間の魔術師、それがフォトグラファーなんだと思います。

 

 

 

 

PR

関連記事

小林家と居倉家の対面について書かれた福島民友新聞社の記事。

小林家のファミリーヒストリー 〜信州から会津に行ったご先祖様〜

NHKに「ファミリーヒストリー」という人気番組がある。 毎回、ひとりのゲストが試写室に招かれ、

記事を読む

伊藤檀「自分を開く技術」でサッカー本大賞2017の優秀作品賞、読者賞を受賞しました

2000年に楽譜の出版社に転職し、そこから私の編集者人生はスタートしました。 独立後は、楽譜か

記事を読む

この迷著はどこからツッコミを入れるべきなのか。アブディンの『わが盲想』ついに出版!!

出社したら、ポプラ社から見本誌が。 高野さんつながりの友達で、スーダン人のアブディンが、ついに

記事を読む

no image

昭和の芸に大笑いする

 先日、日本橋の三越劇場で石井光三オフィスプロデュース「やかましい人々」を観てきた。  私が入ってい

記事を読む

no image

やれることを愚直にやる。そしてチャンスは逃さない

 最近、平日に酒を飲まなくなった。  いや、正確には家で飲まなくなった。  去年まで「年間の休肝日が

記事を読む

no image

iPhoneがないとスペック半分の男……

先日、人と話していて 「あっ、それなんだったっけ?」 「ちょっと待って、調べてみますよ…」

記事を読む

no image

得意分野の違う人たちとつながる面白さ

 昨日は痛飲してしまった。  スタートが5時半だったので、何とか電車のあるうちに解散できたものの、気

記事を読む

相手の返事をどれだけ待てますか?デジタル時代にぐんぐん短くなる“待てる時間”

相手の返事や反応、いわゆるレスポンスに対する待ち時間は、インターネットの普及によって劇的に短くなりま

記事を読む

やっときた“Amazon Echo” 到着から開封、設置まで。アカウント統合した人は要注意。

遅ればせながら、AmazonのEcho(エコー)が来たので、その様子を備忘録として。 最後の最

記事を読む

膨大な情報のさばき方と、都会での生活は似ている? 「スマホ難民」から脱出するためのシンプルな考え方。

高校の同級生とFacebook上でやりとりをしていて「あっ!」と思ったことがあったので、忘備録代わり

記事を読む

PR

PR

2020年1月21日(火)@赤羽/新宿二丁目ママ歴27年、涼ママの歌とトークと焼肉ホルモンde笑ってナイト、大盛況でした。

 久しぶりのイベント復帰、どんなことになるだろう……と思いつつ、フタ

2020年1月21日(火)@赤羽/新宿二丁目ママ歴27年、涼ママの歌とトークと焼肉ホルモンde笑ってナイトをプロデュースします。

 あっという間に2019年が過ぎ去り、2020年入り。 明けましてお

小林家と居倉家の対面について書かれた福島民友新聞社の記事。
小林家のファミリーヒストリー 〜信州から会津に行ったご先祖様〜

NHKに「ファミリーヒストリー」という人気番組がある。 毎回、ひ

出版不況の中、デジタルオンデマンド印刷の登場は、業界をどう変えるのか?
出版不況の中、デジタルオンデマンド印刷の普及で出版界はどう変わる?

このところ、本の雑誌社の杉江さんと「おとなの社会科見学」が続いている。

レンガ状に配置された「Project」。今回、会社のサービスを紹介する場所に使いました。
WPテーマ「Perth」の設定で困ったこと③プロジェクトが表示されない!

先日、会社のホームページをリニューアルしました。Wordpressの「

→もっと見る

  • 2024年7月
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    293031  
PAGE TOP ↑