*

タマキングはなぜモテる?

公開日: : 高野秀行の【非】日常模様

土曜日、新宿ネイキッドロフトにて行われたタマキング祭りを見に行った。
私は自分ではイベントにしばしば出ているが、人のイベントに行くことはほとんどない。
とても新鮮で、気楽な気持ちだった。

ご存じのように私は熱心なタマキンガー(タマキングファン)である。日頃から電話やメールでやりとりしているし、
この日も、7月に奄美大島へ一緒に遊びに行くため、二人でネイキッドロフトのすぐ近くにあるショップにシュノーケル・グッズを買いに行ったりしていた。

要するに、しょっちゅう彼と喋っているわけだが、
なのに、「タマキングの話を聞きたい!」と思って、一般参加も辞さない思いでいたのだから、どうかしている。
(実際には主催者の方が「関係者」としてご招待してくれた)

本人はやる前から「何も喋ることない。全然気がすすまない」とげっそりしていたが、私は自分が出るわけじゃないのでますます気楽。
そして始まってみれば、これがめったやたらに面白い。
本人は否定するかもしれないが、やはりどこかに芸人気質があるし、さらにその核心には芸人も超えた何か特殊な天然要素がある。

それからもう一つ、宮田さんは写真がひじょうに上手い。絵があれだけ上手いのだから、構図がいいのは当然かもしれないが、
カラーの大画面で、本では公開されていないホンノンボや巨大仏、迷路旅館などの写真が見られ、それがまたばかばかしくて強烈で
会場は爆笑の渦に巻き込まれた。

まったく私とは話芸でも写真でも全然レベルがちがう。

だが、最大にやられたのは、客層。
6割から7割が女子なのだ。しかもイベント終了後は宮田さんにサインをもらうために長蛇の列ができ、
サインをもらったあとはツーショットで写真を撮る若い女子が続出。
私のイベントとは見違える光景だ。
なぜ彼はそんなにモテるのだろう? 「文章ではひねくれ者のオヤジみたいだけど、実際にはいい男だから
そのギャップに萌えるのでは?」と解説する女性がいたのを思い出した。

「いやあ、胸元とか見ないようにって意識しちゃったよ~」とタマキングは始まる前とは打って変わってご機嫌。
私は筋金入りのタマキンガーで、いつもタマキングの人気は上がれば上がるほどいいと心底思っているが、
これだけはどうにも納得がいかないのだった。

関連記事

no image

ヒンディー語と春風亭昇太

トルコの怪獣取材もいいが、忘れちゃいけないインド・ウモッカ探索行。 そう、凝りもせず今年の11月末か

記事を読む

no image

もう当分OBとは関わりたくない

早大探検部50周年映像上映会はけっこう大勢の人が来てくれたし、 西木正明、恵谷治両先輩とのトークも想

記事を読む

no image

ソマリ人とイスラエル人

火曜日、ずっと前からコンタクトをとろうとしていたソマリ人の人からメールが来て、 「今日の夕方4時に北

記事を読む

no image

ナカキョー、直木賞を受賞

私が前々から熱烈に推薦するナカキョーこと中島京子さんが 『小さいおうち』(文藝春秋)で直木賞を受賞

記事を読む

no image

完全なる無駄

お盆休みとオリンピックが重なり、 区民プールが昼間でも夜でも おもしろいぐらい空いている。 いつまで

記事を読む

no image

あの湖が…!!!

Google Mapというのをご存知だろうか。 私は意外にも知っていたが、ミャンマーをちょこっと検索

記事を読む

no image

世界の巨乳に夢を見ろ?!

   珍しく午前中に家を出て、東西線で移動中、突然便意を催した。  九段下の駅の便所に駆け込んだとこ

記事を読む

no image

un no ochiteiru kata boshu

Bhutan no kita e ittekita. omotta ijou ni samukute

記事を読む

no image

今さらだが…

角田光代『八日目の蝉』(中央公論新社)を読む。 今まで読んだ角田作品の中で(そんなにたくさん読んでな

記事を読む

no image

仏教の週末

以前、『トルコのもう一つの顔』(中公新書)とその著者である言語学者の小島剛一氏を紹介し、 たしか「

記事を読む

Comment

  1. おふじちゃん より:

    (笑)
    ところで、宮田さんは、東電や原発についての怒りを軽いタマキングたっちでツイッターに書いてらっしゃいますが、高野さんはどうですか?
    明日金曜18時から、首相官邸前に一般の人が原発反対で大勢集まるらしく(毎週集まってて先週は1万人。だけど、報道無し)
    ついに日本にもアラブの春がっ!?
    高野さんにぜひレポートしてもらいたいです。
    私も、もちろん行きます。(野次馬で)

  2. 高野 秀行 より:

    私は人混みが苦手なので行けませんね…

  3. みいねこま より:

    タマキング祭り、見に行きました!わたしも宮田さんにサインをいただき、一緒に写真を撮っていただいた女子の一人です^^(・・・何歳までが女子ですか?泣)
    でも以前、高野さんのイベントでもツーショットで写真撮っていただきましたよ~
    確かにあの時は男性が多かったかも(笑)
    先日は宮田さんのトークを聞き、そして高野さんをチラ見し、なんとも贅沢なイベントでした!!

高野 秀行 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇のお知らせ

高野さんより、「デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇」のお知らせ

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

→もっと見る

  • 2025年8月
     123
    45678910
    11121314151617
    18192021222324
    25262728293031
PAGE TOP ↑