プロ幹事・タマキング
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
最近「外出作家」という肩書きになった宮田珠己ことタマキングに誘われ、
彼の友だち二名と一緒に群馬の水上に「ハイドロスピード」なるものをやりに行った。
浮き輪とビートバンの掛け合わせたようなものを両手にもって、川をびよ〜んと下っていくという、なんとも他愛のないレジャーだ。
しかし私はレジャーとかアウトドアスポーツというものをやったことがほとんどないので、
恥ずかしくも新鮮で、不本意にも楽しんでしまった。
驚くべきはタマキングの幹事ぶりだ。
施設、宿を探して予約し、計画を立て、全員に連絡をとって通知する。
当日は車を運転し、みんなをピックアップして、現地へ。
現地でも常に先頭をずんずん歩き、訊くべきことはさっさと人に訊き、
インストラクターの掛け声にも率先して「イエーイ!」と叫び、
水中では「キンタマ、岩に打った!」と女性たちに報告したりで、
場を盛り上げることにも余念がない。
夕飯でも酒を飲まない彼は、へべれけになった私らをちゃんと車で宿まで連れて帰ってくれる。
最後には、また一人で運転し(他は免許がなかったり、ペーパーだったり、目の調子がわるかったりで運転できないのだ)
高速を下りるなり、デニーズで精算を手早く済ませ、みんなをそれぞれの家に送り届けてくれた。
「プロの幹事」というものが存在するなら、それはタマキングだろう。
外出作家、おそるべしだ。
いや、どうもお疲れ様でした。
関連記事
-
-
霊感はない、ただ見えるだけ
工藤美代子『もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら』(幽ブックス)という本をもらっていたこ
-
-
週末イラクで壮大に脱力?
月曜日、朝日新聞出版のPR誌「一冊の本」に掲載用に下川裕治氏と対談した。 下川さんとは初対面。
-
-
ロゼをちびちびやりながら砂漠を行く
ごぶさたしております。 20日に東京を発ち、今度はなぜか北アフリカのチュニジアをうろうろしている。
-
-
ポプラ社で「ムベンベ」キャンペーン?!
ポプラ社の文芸ウェブサイト「ポプラビーチ」の日替わり表紙写真(「本のある風景」)が6月29日、「ムベ
-
-
銀河ヒッチハイク・ガイド
「しばらく新刊を断ち、家にある未読の本を読もう」という“新刊ラマダン”をやっていたが、実はユーフ
-
-
カルトにムックはよく似合う
紹介が大幅に遅れて申し訳ないのだが、「偏愛!! カルト・コミック100」(洋泉社ムック)という面白い
-
-
謎の音楽家or神秘思想の徒バウル
ソマリランド本の仕事から解放されてからは、本が思うように読めてとても嬉しい。 先週も面白い本を
- PREV :
- ムベンベ写真本
- NEXT :
- 「ムー」9月号ミラクル対談