のぐそ界のイチロー
公開日:
:
高野秀行の【非】日常模様
日曜日、キノコ写真の第一人者にして、野糞の達人である伊沢正名さんと西荻でお会いする。
伊沢さんは連続のぐそ3000日や通算のぐそ1万回など、数々の前人未踏の記録を作り、のぐそ界の王貞治ともうんこ世界のイチローとも呼ばれる偉人だ。
伊沢さんがすごいのは、東京都内や海外取材の際など、いついかなる場所でものぐそを敢行するところ。
かつてはプライベートの問題で苦しむあまり、日常的に意識を失いつつ、のぐそだけはしっかりしていたという。
伊沢さんののぐそは「命を自然に帰す」という輪廻的な思想に裏打ちされ、
うんこが菌類や植物のご馳走になっていくさまを撮影した写真は究極のアートともいっていい。
巷にあふれるえせエコロジストとはわけがちがう。
パリやニューヨークに行ったら、世界的な思想家もしくはアーティストとして評価されるにちがいないと思うのだが、
残念ながらいまだに彼を世界に紹介できるプロデューサーはいないし、私もそこまではできない。
もし興味のある方はぜひ伊沢さんの著書『くう・ねる・のぐそ 自然に「愛」のお返しを』(山と渓谷社)を読んで欲しい。
(私も書評を書いたことがあるが、残念ながら単行本未収録である。)
☆ ☆ ☆
月曜日、校正ゲラをもって、本の雑誌社へ。
目次も地図もカバーもすべてかっこいい。
今回はほんとうにスタッフにめぐまれている。
ちなみに、巻頭のエピグラフ(題辞)も用意したが、それも印刷されたのを初めて見た。
なんと、ブルーハーツとガンジーである…
関連記事
-
夢のようなアジアの列車旅
おかげさまで『謎の独立国家ソマリランド』は先週、日本経済新聞と東京(中日)新聞の書評で取り上げてもら
-
モガディショで宮田珠己
ソマリランド&ソマリアでは、いろいろな理由で暇な時間がひじょうに長かった。 とくにソマリアの首都モガ
-
トルクメニスタン特集
毎回ディープな特集で楽しませてくれるバンコク発の特殊月刊誌「G-Diary」。 ちょっと遅くなって
-
まるで結婚式のような…
上映会第3弾はmixiの高野秀行コミュの主催。 これが凄かった。 コアなファンばかり50人も
-
「移民の宴」ソマリ篇?
長生きはするものである。 かつてレトルトカレーを「めんどくさい」という理由で温めずに食っていた
-
イスラム二日酔い紀行
昨日は扶桑社に用事があって浜松町へ。 数年ぶりにブックストア談に行って、「イスラム飲酒紀行」を探す。
-
計算ができないのか?
野々山さんのご指摘で気づいたが、 前回の日記で換算した部数計算がまるっきりまちがっていた。 日本に換
- PREV :
- 美しき日韓問題
- NEXT :
- クールだけど超目立つ
Comment
それって20日じゃないですか?