*

クールだけど超目立つ

公開日: : 高野秀行の【非】日常模様


 『謎の独立国家ソマリランド』、ついに昨日からAmazon.comで予約受付が開始された。

 しかし、見て下さい、このかっこいい装丁を。
 
 ローレンス・ブライトの『倒壊する巨塔 アルカイダと9・11への道』やスティーブ・ブルームフィールド『サッカーと独裁者』など、
最近、白水社で出す本格海外ノンフィクションの装丁がやたらかっこいいので、一体どんなデザイナーなのかと思いきや、
なんと「日下充典」とあってびっくりした。

 日下さんは『西南シルクロードは密林に消える』の装丁を手がけてくれたデザイナーだ。
あの装丁もかっこよかったが、今とは全然ちがっていた。

 10年ぶりに日下さんにお会いしたら、ロックンローラーのような長髪こそそのままだったが、
もっと落ち着いた雰囲気。
 西南シルクロードの話をすると、「あの頃は目立つことばかり考えてましたからね…」と遠い目をしていた。

 今はもっぱら、自分で作ったフォントを使い、クールなデザインを志向しているようだ。
と思いきや、背表紙に機関銃を手にした民兵の写真をはめこむという荒技を見せてくれた。

 これ、本が棚に入っても超目立つ!
 変わってるように見えて、目立つデザインは変わっていなかったのだ。
 ていうか、こんなデザイン見たことがない。

 私のほうも、舞台をジャングルから砂漠に移したものの、やっていることは大差ない。
今回も日下さんの超力作デザインに負けない内容であるのを祈るばかりだ。

 なお、サイン本の予約をweb本の雑誌で受け付けている。

 こちらにはもっと詳細な内容と目次が紹介されている。
 目次を眺めているだけで、なんだか面白そうだ。

関連記事

no image

怪物は江川と鶴田だけ

松井優史『真実の一球 怪物・江川卓はなぜ史上最高と呼ばれるのか』(竹書房)という本を書店の店頭でぱ

記事を読む

no image

『悪童日記』に学ぶ小説技法

ただいま3:45AM。 目がかゆくて鼻が詰まって目が醒め、眠れなくなってしまった。 言わずと知れ

記事を読む

no image

新作『異国トーキョー漂流記』見本届く

 2月18日に発売される私の新刊『異国トーキョー漂流記』(集英社文庫)の見本が届いた。  私がこれ

記事を読む

no image

あの映画は何だったのか

名前はよく知っているし、名場面や音楽も知っているような気がするが、 実は一度もちゃんと見たことがない

記事を読む

no image

白水社のウェブ

つい2週間ほど前、本の雑誌の杉江さんとマラソン本の打ち上げをしたとき、 「全然執筆の依頼が来ないんで

記事を読む

no image

新しい探検部の部室とゴリラ

第5回目の上映会が早稲田大学の学生会館で行われた。 数年前に建てられたわりと新しい建物だ。 この新

記事を読む

no image

面白いことは全てに優先する

今日から上智大学の講義。 教室にはぞくぞくと女の子がやってくる。 全部で学生が40人以上、うち男はた

記事を読む

no image

ソマリ人の好きな意外な食べ物

みなさん、新年明けましておめでとうございます。 とはいうものの、私自身は正月を迎えた気がしない

記事を読む

no image

日本の冬

会社員を辞めて山岳ガイドになった後輩と一緒に箱根の山を歩いた。 ただ普通に山歩きをするだけのつもり

記事を読む

no image

また未知動物

磯崎憲一郎の第二弾、『世紀の発見』(河出書房新社)。 帯の惹句によれば 「ガルシア=マルケス『百年

記事を読む

Comment

  1. しん より:

    おおっ。デザインいいですね。なによりフォントが素晴らしい。
    写真を見ると『西南シルクロードは密林に消える』よりも本の厚みがあるようにみえます。高野さんの著書の中でも1番の文字数ではないでしょうか。

    デザインも気になりますが、やっぱり本の中身が気になります。
    発売が待ち遠しいです。

  2. あきーら より:

    待ってました!しかもサイン本なんて嬉しい限りです。早速注文しました。届くのを楽しみにしています。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年11月
    « 3月    
     123
    45678910
    11121314151617
    18192021222324
    252627282930  
PAGE TOP ↑