前回はブチ切れて、すみません。
公開日:
:
高野秀行の【非】日常模様
よくよく見たら、前回の記事はなぜか途中でブチ切れているではないか。
石川さんと読者の方、すみません。
で、そのあと何を書いたのか、もう日本に帰ってきた今は思い出せないのだが、
ライブのあと、石川さんと話していて驚いたのは、私が昔からよく知っていて、
名盤「零式」のライナーノートをいくつかの言語に翻訳したこともある「世界のチャカモト」こと坂本弘道氏を
やはりよく知っている、というか、今はパスカルズというバンドで一緒に演奏活動をしていることだった。
パスカルズが「日本ではあまり売れてないけど、ヨーロッパではすごく高く評価されている」と聞き、
まるで坂本さんみたいだと思ったら、坂本さんもメンバーだったという次第。
今、坂本さんのホームページを見たら、「零式」のアルバム紹介のところに、
ちゃんと私の名前も載っている。
私ばかりか、私の年長の友人で翻訳家の浅尾敦則氏、それに「アジア新聞屋台村」の登場人物のモデルとして使わせてもらった
台湾人社長と韓国人女性の名前も載っている。
彼らにも手伝ってもらったのだ。
ちなみに、石川さんはオルソ・ブルーノや大槻ケンヂ氏とも共演している。
オルソ・ブルーノは妻がファンでライブを何度か聴きに行っていて、うちでもよくCDを聴いている。
オーケンさんについては言うまでもないが、ムベンベの頃から高野本の布教活動に励んでくれているし、
数年前、私がレギュラーとして出演していた関西テレビの「未確認思考物隊」で一緒になった。
(その頃、私は小説が書けないと本気で悩んでおり、オーケンさんの楽屋を訪ねて「小説を書くにはどうしたらいいですか?」と訊いたら、
「え、ガチの相談ですか!」と驚かれた)
その後、オーケンさんにはライブに呼んでもらい、私は御礼にウモッカのトゲ模型をプレゼントした。
今から思えば、オーケンさんはそんなもんをもらって、かなり戸惑った顔をしていたような気がする。
石川さん、チャカモトさん、オルソ・ブルーノ、オーケンさん…といったミュージシャンに共通するのは、
「何のジャンルなのかよくわからない」ということだ。
だから、音楽がよくても、おもしろくても、一般にはなかなか届かない。
「僕のアルバムはCDショップでもどこの棚に置いたらいいかわからないみたい」と石川さんも言っていた。
ジャンルに入れない辛さは私もよく理解している。
まあ、本人が望んでやっていることだから、仕方ないといえばそうなのだが。
ともあれ、石川さんの話を書こうとすると、あまりにいろいろつながって
とりとめがなくなってくるから、このくらいにしよう。
それより、今年はぜひ、石川さんとチャカモトさんが共演するパスカルズのライブを聴きに行きたい。
☆ ☆ ☆
『謎の独立国家ソマリランド』発売まで、あと2日。
吹けよ風、呼べよ嵐!
関連記事
-
-
スーツでヤブ漕ぎをする人を発見!
読売新聞のインタビュー取材を受けた。 「何か“原点”とか“こだわり”のある場所でインタビューするとい
-
-
だめだめスウェーデン刑事小説
ヘニング・マンケル『殺人者の顔』(創元推理文庫)を読む。 「スウェーデンが世界に誇る警察小説シリー
-
-
続・「クレイジージャーニー」とすしざんまい
昨日、ブログを書いたあと修正しようとしたけど、私のIT力の限界か、二度とログインできなかった。
-
-
「Brutus」にて“辺境小説”を紹介
現在発売中の「Brutus」1.1/1.16合併号の特集は「夢中の小説」。 私も「小説の世界で見つ
-
-
私にとって最大最後の秘境はアメリカ
webマガジン幻冬舎で依頼募集中の「メモリークエスト2」更新。 新たな依頼になぜか自分のアメリカ音痴
-
-
携帯電話が故障中&ここ数年でベストのサッカー本
携帯電話が帰国直後に突然壊れてしまった。 いつもなら慌てて修理に走るところだが、これまで2ヶ月
-
-
人は夢だけでは生きて行けない
かすれ声のまま、大学へ。 幸いマイクがかろうじて音を拾ってくれていたが、 声は突然、完全ストップす
-
-
『放っておいても明日は来る』本日発売
一週間で本が二冊出るなど、初めての経験だが、 『放っておいても明日は来る』(本の雑誌社)、通称「アス
- PREV :
- ランニング復活記念に立ち会う
- NEXT :
- 趣味は「辺境料理」に決定