*

『バウルを探して』が新田次郎文学賞を受賞!!

公開日: : 最終更新日:2014/05/07 高野秀行の【非】日常模様

2014.04.29baul
川内有緒『バウルを探して 地球の片隅に伝わる秘密の歌』(幻冬舎)
第33回新田次郎文学賞を受賞した。

いやあ、びっくりである。なんせ、川内さんは“はぐれノンフィクション軍団”である「高野軍団」の準構成員みたいな人なのだ。
川内さんは高野本の愛読者であり、最初にお会いしたのは書店のトークイベントだった。

『バウルを探して』の出版とどっちが先かよく覚えてないのだけど、
その後、メールのやりとりをするようになり、彼女が北尾トロさん主宰のノンフィクション誌「レポ」に書いた国連レポートを見せてもらった。
短い体験ルポだったが、これがひじょうにユニークかつユーモアあふれ、面白い。
ぜひ単行本にすべきだと思い、知り合いの編集者に紹介した。
川内さんは十分書ける人だし、編集者も熟練の人なので、私のプロデュースは必要なく、
ただ紹介しただけである。
そちらも順調に執筆が進んでいるという。

ご自宅にお招きいただき、美味い酒とチーズをいただいたりもしたし、
2月は原宿で、4月はTSUTAYA盛岡で、2回も川内さんのダンナさんのプロデュースするトークイベントに
出演したり、なんだかすっかり縁が深くなってしまった。

もちろん、『バウルを探して』も人に勧めまくっている。
この本を読んだとき、「まるで俺の本を読んでるみたいだ」と思って驚いた。
謎を探して、一つ一つ皮をめくっていき、でもその下にはまた皮があって…とタマネギの皮をめくっていくような構成や展開は『怪獣記』を連想させる。

川内さんが私の本に影響されているのかもしれないし、もともと二人の趣味が似ているから
お互いの本が面白いと思うのかもしれない。
でも、川内さんの旅行記には、私の本には欠けている優雅さや文学性があふれている。
そこが今回の新田次郎文学賞受賞につながったのだろう。

ともかく、大野更紗、アブディンに続く「高野軍団」の準構成員(もう勝手に決めつけている)が
受賞というのはすばらしい。

あらためて川内さん、おめでとうございます!!
そして受賞後第一作の完成を楽しみにしてます。

関連記事

no image

バスク産ミャンマー経由のヤギチーズ

ミャンマー在住のKさんが、同じくミャンマー在住で一時帰国したYさんを通じて届けてくれた、 バスク産の

記事を読む

no image

爆笑ムエタイ武者修行

上智大学の講義、第4回のゲストは 元女子ムエタイボクサーで現在はムエタイエクササイズのインストラクタ

記事を読む

no image

明日発売!

あっという間に日本の生活に戻り、 探しモノに狂奔していた日々が夢のようだが、 眠ると、毎回私はヨーロ

記事を読む

no image

津波の子ども

 津波で両親が行方不明になった子どもについての緊急メールがまわってきた。  添付された写真を見る限り

記事を読む

no image

最近、高野秀行の本がつまらないと思われている方、私以外にいらっしゃいますか?

最近気づいたのだが、Yahoo知恵袋になんとこんな質問が寄せられていた。 「最近、高野秀行の本

記事を読む

no image

旅のトリビア「たびとり」

突然だが、フジテレビの「トリビアの泉」という番組をご存知だろう。 何の役にも立たないが、面白い(とい

記事を読む

no image

ブックストア談は凄い!

「異国トーキョー漂流記」を大売りだししているユニークな書店「ブックストア談・浜松町店」へ行き、御礼

記事を読む

ときに意味もなく文庫解説一覧

別に意味はないが、書いていた原稿が一段落したので、こんなものを作ってみた。 まず拙著の文庫解説

記事を読む

no image

鬼のミイラと地震予知動物

「未確認思考物隊」の仕事は続く。 先週は大分県宇佐市にある「鬼のミイラ」(写真・右)と 「地震予知動

記事を読む

no image

今年の目標、早くも破綻寸前

今年の目標は「できるだけ仕事をしない」。 もともと私はいろんなことを同時並行でできるタイプではない

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • ご丁寧にどうもありがとうございます!「モディリアーニにお願い」は第3集までコンスタントに面白かったです。第4集も期待してます。奄美のケンモン話は私も好きです。 ReplyRetweetFavorite
    • 辺境ドトールで仕事してたら、店長がどこかから個人的に入手した「ウィスキーコーヒー」を飲ませてくれた。ウイスキーの樽にコーヒー豆を何年も寝かせて作ったものだという。アルコール分はもちろんないけど、香りも味も濃厚なウイスキー風味で、だんだん酔ってきた。 ReplyRetweetFavorite
    • ジュンク堂吉祥寺店では文化人類学特集をやっていたが、一冊だけ文化人類学と関係ない本があった。私の『謎の独立国家ソマリランド』。しかも、宮本常一『忘れられた日本人』とマリノフスキー『西太平洋の遠洋航海者』にはさまれて。何か間違ってると思うが、とても嬉しい。 ReplyRetweetFavorite
    • 仕事と雑務がちょっと一段落したので、勇気を振るってものすごく久しぶりに大型書店(ジュンク堂吉祥寺店)へ行ったところ、あまりに楽しくて、3時間近くも店から出られなかった。だから大型書店は怖い。 ReplyRetweetFavorite
    • 今日、休日だったのか! どうも普通の月曜日と様子が違うと思ってた。 ReplyRetweetFavorite
    • 勉強会と2次会には万城目学さんも来てくれたのであれこれ話す。小説にしてもご本人と話しても、どこか万城目さんの目の付け所や思考回路は自分に似てると思ったら、万城目さんも「高野さんの思考回路は自分に似てる」と言う。しかし、酔っ払った二人にはどこが似てるのか言語化することができず。 ReplyRetweetFavorite
    • とある中東系勉強会で発表。研究者の人たちがメインの参加者だったので、とても勉強になった。これで5月末からほぼ毎週続いた講演会&トークイベント強化期間はとりあえず終了。 ReplyRetweetFavorite
  • 2019年7月
    « 3月    
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    293031  
PAGE TOP ↑