*

第3回梅棹忠夫・山と探検文学賞を受賞しました

公開日: : 高野秀行の【非】日常模様

ほとんどの人は梅棹忠夫・山と探検文学賞なる賞を知らないと思う。
かくいう私も、角幡唯介『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』(現在集英社文庫)の帯で見て、「なんだこりゃ?」と首をひねったものだ。

今回自分が受賞してやっとわかったのだが、同賞は山と渓谷社、信濃毎日新聞、そして長野県の書店チェーン「平安堂」の3社が共同で主催している。

第1回が角幡で、第2回は登山家の中村保氏の『最後の辺境 チベットのアルプス』(東京新聞出版局)
そして第3回目の今回が『謎の独立国家ソマリランド』ということになった。

なんだか毎回角幡の後塵を拝しているようだが、賞については、いくらでも後塵を拝したいと思っている。
なんといっても梅棹忠夫大先生の名前を冠した賞であり、「文学賞」である。
ノンフィクションはともかく、文学賞なんてまず取れないだろうと思っていたから
ラッキー!としかいいようがない。

ちなみに、今回の賞の賞金は50万円。これも嬉しい。3月のソマリランド取材もこれで憂いなしだ。

関係者のみなさん、読者のみなさん、どうもありがとうございました。

関連記事

no image

韓国で高野本バブル?

韓国での翻訳出版の話だが、すでに刊行された『ワセダ三畳青春記』、 それから出版が決定している『幻獣ム

記事を読む

no image

マイク・ノックがFMWを旗揚げ?!

お知らせが遅くなってしまったが、私の義兄マイク・ノックのニュー・アルバムがただいま日本でも発売され

記事を読む

no image

いい人症候群の後遺症

震災以来、突然「いい人」のふりをしてしまう恐ろしい伝染病「急性いい人症候群」に冒されていたが、 ここ

記事を読む

no image

意識が

「婦人公論」の書評コーナーでインタビューを受ける。 本を出すたびに、こういうふうに反響がくるのはあ

記事を読む

no image

大槻ケンヂと一緒にオカルト番組?

 今度の1月から3月まで、オーケンこと大槻ケンヂ氏と私が二人で 深夜番組をやることになった。  もう

記事を読む

no image

ソマリの海賊に実刑判決!

ソマリの海賊裁判。 世間的には微妙に話題になっているこの裁判、私は一回だけ傍聴することができた。

記事を読む

no image

ミャンマーとタイ

私の昔なじみの国が二つ緊迫している。 一つはミャンマー。 総選挙でアウン・サン・スー・チーが立候補で

記事を読む

no image

やさしい日本語

以前一緒にミャンマー新聞をつくっていて、今は難民認定を受けているミョウさんと 8年ぶりくらいに会う。

記事を読む

no image

大使館から始まる

今日、エチオピア大使館に指定された時間にビザを取りに行ったら、 担当者である日本人女性がいない。 車

記事を読む

no image

言葉を失う映画「魔女と呼ばれた少女」

今3:20AM。こんな時間に覚醒しているのは酒が切れたためだが、今日にかぎってはそれだけではない。

記事を読む

Comment

  1. 扇田孝之 より:

    私は「梅棹忠夫・山と探検文学賞」事務局の扇田と申します。
     この度は弊賞を授賞いただき、大変うれしく思っております。また、早速、貴ブログにてご紹介いただき深謝申し上げます。

     ところで、貴ブログに2カ所の誤りがありますのでメールをさせていただきました。

     誤:小林保     正:中村保
     誤:山と溪谷社   正:東京新聞社

     以上です。

     授賞式でお会いできるのを楽しみにしております。

  2. Pedro-G より:

    「謎の独立国家ソマリランド」の受賞おめでとうございます。

    分厚い本で、難解な内容に拘わらず、一気に読ませる高野さんの筆力というか、熱意のこもった文章にいつもながら感服しております。
    ところで私は1980年代にサウディアラビアに家内帯同で駐在しましたが、
    当時社宅で雇った女性がジプチのパスポートを
    持ったソマリの出稼ぎだったことをおもいだしました。
    フランス語が少しわかるだけ、というおばさんで、
    私が少し齧ったフランス語で話してみたものの
    全く通じず、
    身振り手ぶりの家内の英語。日本語。の指示が
    よっぽど突破力があって
    おまけにソマリからは「マッカラナイヨ」と言われ、
    家内から「あなたのフランス語は判らない」て
    言ってるわよ、とからかわれる始末でした。

    マッカラナイ というのは「理解できる」という
    ことでしたか。。。

  3. うん より:

    謎の独立国家
    面白かったです。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年4月
    « 3月    
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930  
PAGE TOP ↑