元アヘン王国・ワ州の今
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
中国ネットウォッチャーで、ライターでもある安田峰敏君がワ州へ行ってきた。
中国領内でしかるべきコネを見つけられなかったので、中国人に扮して「首都」のパンサンだけ行ってきたという。
送ってくれた写真を見たが、まったく見覚えのない町である。
中国かミャンマーのありふれた地方都市のようだ。
安田君によれば、パンサンではiphoneやノートパソコン、日本のアダルトビデオまで売られていて、中国で放映されている「クレヨンしんちゃん」を滞在中に見たそうである。
ボスのタ・パン(パオユーチャン)は遊園地のほか、カジノやローラースケート場も作ろうとしており、ドラッグ以外のビジネスに積極的なようだ。
農村は別世界だとは思うが、それでもこの急激な経済発展の影響を受けてないわけがない。
かつて住んでいたムイレ村に行きたいような、行きたくないような複雑微妙な気持ちになる。
関連記事
-
-
ギラギラと輝く船戸ワールドの原点
知り合いである大学の先生が仕事の忙しさを「まるで障害物競走のよう」とたとえていたが、 私もまさ
-
-
ジャナワール・トークライヴ
コダックフォトサロンで開催されている、カメラマン森清の個展会場で、 角田光代さんとトークライヴを行う
-
-
私が原稿を書けないワケ
今週は原稿を一行も書けていない。 毎日パソコンに何時間も向かっているのに。 もともと苦しまずに原稿が
-
-
ハルキ風異国トーキョー
『異国トーキョー漂流記』(集英社文庫)の表紙を変えることになった。 あ、いや、何か問題があったわけじ
-
-
溝口敦『暴力団』は入門書にして名著
タイトルからして素晴らしい。溝口敦の『暴力団』(新潮新書)。 「暴力団のいま」でもなければ「ヤクザ
-
-
またプロレスの話ですが
三沢光晴の一件について長らく考えていたが、結局「三沢は死んでいない」という結論に達した。 「彼は俺
-
-
なぜか東金経由アフリカ行き
言い忘れていたが、出発は二日遅れて、今日になっていた。 ところが突然、千葉の東金に現地の事情をよく知
- PREV :
- 「メモリークエスト」再開
- NEXT :
- 写真家・後藤修身の撮ったパキスタン北部辺境