iPhoneがないとスペック半分の男……
公開日:
:
あれこれ思考してみる
「あっ、それなんだったっけ?」
「ちょっと待って、調べてみますよ…」
とズボンのポケットに手を突っこんでみたら、ない…。
その時、私の右手が握るはずだったiPhoneは、一人さみしく事務所のDockに刺さっていました。
たまたまカバンに入っていたiPad(Wi-Fi)が野良電波を拾ってくれたおかげで調べ物は無事完了、事なきを得たわけですが、自分の能力って、iPhone含めた電子ツールも込みなんだなぁと痛感したというか、再確認したというか、若干切なくなったというか……(笑)。
しかし、冷静に自分を見つめてみると、もともと記憶の精度は高い方でなく、会話の中でふと出てくる数字や記号、固有名詞などでも、「9割方あってるけど微妙に違っている」といったことが少なくありません。
その代わり、インデックスとしては結構な量がインプットされているので、詳細は改めて調べる、と割りきればそれはそれで便利な場合もあります。
たとえば、ブレーンストーミングのように情報をもとにいろんな案を出したり、「あれとこれを組み合わせて」的な、情報と情報との掛け合わせで考えたりする場合などです。
ネットが生活の隅々に行き渡る近未来の日本を描いた、アニメ『攻殻機動隊』には、膨大な情報を「外部記憶」として,まるでハードディスクのバックアップのようにメインの記憶から外しておいて、必要に応じてアクセスするシーンがあります。
規模も能力も圧倒的に違いますが(苦笑)、
イメージとしてはそんな感じかもしれません。
考えてみれば、今やっている「編集」「ライター」「カメラ」などの仕事も、電子ツールがなければ、果たして自分にできたかどうか、相当怪しいです。
電子ツールの筆頭はパソコンですが、前段のiPhone、iPadには、ウェブだけでなく、カメラやビデオ、レコーダーとしての機能のほか、EvernoteやDropboxなどのクラウドを使ったサービス、その他、アプリを追加することで、さまざまな作業が可能になります。
仕事で使う一眼レフも、絵作りや風合いなどの好みはさておき、フィルムからデジタルになったことで、撮影場所や枚数の制限から解放されたり、その場で確認しながら撮影作業を行えるようになりました。
さらに言えば、今この文章は、iMacの標準ソフトMailについている「メモ」機能を使って書いているわけですが、「文章を目で確認しながらその都度推敲して書いていく」というタイプの人間にとっては、パソコンという執筆環境は非常に快適です。
というのも、原稿用紙に鉛筆で書いていくスタイルだと、文章の前後を入れ替えたり、言い回しを変えたりという作業がしづらく、書いては消し、消しては書いてといった具合で、一向に作業が進まないか、もしくは修正線と文章入れ替えの校正記号が飛び交う、黒々(赤々?)とした原稿になってしまうと思うのです。
そもそも、手書きとキーボードでは入力速度にも差がありすぎです(わたし比)。
そんな訳で、
「電子ツールを使いこなす能力とそこから受ける恩恵も含めて自分の能力だ〜(汗)」
と、調布の中心から詭弁を叫びつつ、キーボードから手を離したいのであります。
「ネットは広大だわ…」
PR
関連記事
-
2012年の日本の音楽ソフト市場が世界一になっても、素直に喜べない3つの理由
今日の日経新聞に、2012年の音楽ソフト市場で日本の売上高が約43億ドル(約4200億円)を記録し、
-
1発で決めようと思うな!〜文章も写真もプロの作品のウラには大量のボツがある!
これは、子どものころ、自分も思っていたことなので、ぜひ書いておきたいと思います。
-
Googleにみる、結局会社の問題って「コミュニケーション」なんだな…という話。
今日のGunosy(グノシー)の中に、とても興味深い記事がありました。 ※ Gunosyは、Twi
-
編集者から見たプロフェッショナル(1)フォトグラファー〜瞬間を切るとる魔術師たち〜
編集の仕事は、本や雑誌ごとに複数の人とチームを組み、最終的にひとつのものを作り上げます。 制作
-
超絶三味線じいさんも現役!「間(ま)」が命の伝統芸、浪曲恐るべし。
「THE 浪曲」の打ち合わせのため、浅草へ。 おかげさまでチケットの方は完売とのことで、あとは
-
モチベーションが高いと、多少不親切でも乗り越えていく〜今度の操作ガイドは腕時計です
身近な腕時計ひとつとっても、興味のない人(モチベーションのない人)にとっては、文字盤の意味や操作方
-
楽譜が1つも出てこない!カラオケ上達本を編集してみた
5月から取りかかっていた本が、昨日発売になりました。 [/caption] 「NHK趣味
-
デジタル化で起こる「紙の本」の行方。東京国際ブックフェアの基調講演を聴いて、電子書籍について思うこと。
一年も半年が経ち、7月上旬の恒例イベント、東京国際ブックフェアの季節がやってきました。 今年の
-
10年後、私たちは音楽を仕事にしていけるだろうか〜日本レコード協会の実態調査を見て
ちょっと気になるデータが出ていたので、紹介しておきます。 2月12日に、日本レコード協会より「
-
商品マニュアルはなぜ分かりにくいのか?〜編集スキルの応用で解決!〜
このところ、楽譜出版物の編集が少なくなってきたかわりに、思いがけない方向へ進んでおります。
PR
- PREV
- 幸せの尺度について考えてみる
- NEXT
- 「すごい人たち」に共通すること