Malaysian Week??
公開日:
:
最終更新日:2012/05/25
今日のお仕事
私がマレーシアのDJ達と代官山でバカっぱなしに花を咲かせている頃、実は他にもマレーシアから著名人達が訪れていた。「ラブン(Rabun)」「細い目(Sepet)」「Rain Dogs(太陽雨)」…と書いて分かった方、流石です。そう、今年の第19回東京国際映画祭では「アジアの風」カテゴリ内に「マレーシア(映画)新潮」と題して、マレーシアの映画が大々的に取り上げられ、昨年、最優秀アジア映画賞を「細い目」で獲得したヤスミン・アハマド監督の全作品や、ホー・ユーハン監督をはじめとしたマレーシアの監督陣の作品が軒並みエントリーされた。KL在住の知人はことある毎に「今、マレーシアの映画は熱い!」とかれこれ3年は言い続けていたので、彼の貯まりに貯まった溜飲もこれで多少は下ったことであろう。
さて、その数多くのマレーシア映画の中で俳優としてクレジットされながら、ミュージックシーンでも活躍している中華系マレーシア人がいる。彼の名はピート・テオ(Pete Teo)。ホー・ユーハン監督の「Rain Dogs」で堂々たる俳優ぶりを魅せている。ちなみに六本木の赤絨毯を颯爽と歩いた彼は「マレーシアの有名俳優」として紹介されていたので、日本では俳優としての人気の方が出てくるかも知れない。映画祭については私より詳しい方々に委ねるとして、そのPeteが日曜日、渋谷にて「60 minutes live」と題して、ギター1本の弾き語りライブを行った。
どうやら前日遅くまで東京の夜を満喫してしまったピートは「まだ体が寝てるから、目が覚めるように」と生ビールを飲みながらのライブスタート!日本人独特の静かな聴衆ムードに「ああ、日本語がしゃべれたらもっと楽しいのに!」と客席との微妙な距離に戸惑いながらも、観客を沸かせる彼持ち前のトークとパフォーマンスで会場は次第に温まっていく。ストローク系の「ARMS OF MARIANNE」で手拍子が彼のギターを煽るようにどんどん速くなってしまい、たまらずみんなに「速くしないように!」と笑いながら訴えてからは、会場が一つになってピートワールドに突入。あっという間の60分が幕を閉じ、また一つ音楽が言葉の壁を越える瞬間に立ち会った。
終演後、CDにサインしてもらうべくPeteの元へ。彼はコタキナバル出身だということで、昨年、風りんと共にコタキナバルでセッションをしたギタリスト、ロジャー・ワン(Roger Wang)について聞いてみると「ああ、彼は友達だからよろしく言っとくよ」とのこと。マレーシア屈指のフィンガーピッキング・ギタリストであるロジャーも最近ファリッド・アリとのユニットを始動させたばかり。コタキナバルのライブレストランではサンタナやクラプトンのコピーをする若者バンド(しかも超うまい&超そっくり)もいたし、ポップやロックの育つ豊かな素地があるのかも知れない。そんなことで、先週はマレー系のHIP HOP DJから中華系のPOP&ROCKまで、マレーシアどっぷりの1週間であった。
ちなみにピートの来日で大活躍だったのが、アサネギシさんと同じようにマレーシアにネットワークをもつ竹内志織さん。彼女は華人系が専門で、来日したピートをいろいろなメディアととりつないでいた。極めつけはCCTV(中国中央電視台)のテレビインタビューだから、これまたとんでもなくすごい人である。
PR
関連記事
-
-
指1本から始めてサルサが弾ける!? NHK趣味Do楽「塩谷哲のリズムでピアノ」の番組テキストを編集しました。
9月から放送される、NHK趣味Do楽「塩谷哲のリズムでピアノ」の番組テキストを編集しました。
-
-
和楽器からワールドミュージックまで
今日は朝から、このブログとの格闘でスタート。 何を格闘していたのかはまた書くとして、結局午前中は勝敗
-
-
ずっと作りたかった本
将来、何になるのかなんてちっとも考えてなかった中学生の頃、楽しみは部活動で吹いていたトランペットだ
-
-
ようやく明けました。
みなさん、明けましておめでとうございます。 旧暦にも遅れてしまいましたが 弊社にもやっと2012年が
-
-
一五一会スコアマガジンVol.10発売
6月15日発売なので、もうだいぶ経ってしまったが、ドレミ楽譜出版社から発売されている「一五一会スコ
-
-
設定とこだわりの絶妙なさじ加減。「戦車に夢中です!」を編集して思う、ガルパンとWoTのすごさ
去年の年末から取りかかっていた企画が、7月の中旬、形になりました。 戦車に夢中です!ガールズ
-
-
新刊なのに昭和の香りムンムン
「見た目は第1印象に影響を与える」 これについては、異論持論をお持ちのかたも多々おられるのではな
-
-
夏休みの宿題リターンズ
原稿を書かなくてはならない。 しかし、パソコンに向かうと、マウスを持つ右手が「いいね!」をクリ
-
-
2014年の年賀状。本年もよろしくお願いいたします。
皆さま、遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。 カレンダー通りの大型連休にも関わら
-
-
限界に挑戦してみると…
5月はいろんな締切が重なり、GW明けから気力全開で働く。 気がつくと、昨日まで22連勤。 数回の飲み
Comment
AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 1.1.4322)
溜飲が下がったマレーシア在住の友人です。
映画としてのクォリティ(撮影とか照明とか音声とか)が
しっかりしたマレーシア映画が増えてきたのは間違いありません。
あとはしっかりしたシナリオなんだろうなーと思います。
がんばれマレーシア映画。
ちなみみ、『アジアの風』というのは映画祭の
中のカテゴリーの一つで、その中で今年の特集として
銘打たれているのは『マレーシア(映画)新潮』です。
AGENT: Mozilla/5.0 (Macintosh; U; PPC Mac OS X; ja-jp) AppleWebKit/312.8 (KHTML, like Gecko) Safari/312.6
二村さん、どうもありがとうございます。
当の映画祭はコンペ部門では色々ごたごたがあったようですが、とにもかくにもマレーシアの映画がフィーチャーされたことにバンザイですね。これらマレーシアの映画が定期的に見られるようになると最高です。
ご指摘部分、修正しておきました!
AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)
今回のマレーシア映画特集で来日した映画人のなかでも一番目立っていたのは、ピートだったのは事実ですね。
やはり、マレーシアのクリエィター達に慕われる兄貴ぶりと外国人にもこころを通わせるフレンドリーさが注目された理由のようです。
けっこう彼は、ブログでマレーシアの表現の自由に対して急進的な意見を述べている気骨ある人物でもあるのですよ。