読売新聞の書評欄で紹介される
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
4月9日 読売新聞書評欄「本よみうり堂」にある”記者が選ぶ”というコラムで『ミャンマーの柳生一族』が以下のように紹介されたらしい。(この文章は同紙のネットから引っ張ってきたものだから、もしかしたら完全に同じではないかも)
「ミャンマーの柳生一族」高野秀行著
軍事政権を告発する欧米人による本を読むと、英国植民地時代への懐古と“アウン・サン・スー・チーさん絶対主義”が端々に見えて、げんなりすることがある。それだけに、本書の「ミャンマー国軍(徳川家)系譜の図」に思わずヒザをたたいた。
軍部と民主勢力を江戸時代の登場人物に置き換えてみると、実はコップの中の争いであると分析できる。この明快で鋭い視点は、冒険家である著者が最もこの国の実態を体感している一人だからであろう。2年に1度は非合法で入国してきたと言うのだから、感心していいのか、あきれるべきなのか。
今回は、早稲田大学探検部の先輩で作家の船戸与一氏の「かばん持ち」として合法的に入国した。2人の南蛮人には、ミャンマー政府の監視役「柳生一族」が同行することになる。一見こわもての監視役だが、すぐに人なつっこいアジア人らしさが露呈。2人は柳生一族を引き連れて、ミャンマー式「外国船打ち払い令」や「幕藩体制」を見聞しつつ、牧歌的な珍道中を繰り広げる。(集英社文庫、429円)(岡)
※一つだけ注文が。「実はコップの中の争いであると分析できる」というのはいくらなんでも言いすぎ。「コップの中の争いであるとも分析できる」と書いてほしかった。
(写真は、意思が通じ合わず苦しむ船戸御大(右)と柳生三十兵衛)
関連記事
-
イケメンなのか昆虫なのか
新潮社にて、トレイルランの第一人者・鏑木毅氏と対談。 さらっとした長髪とにこやかな笑みがなんとも魅
-
謎の独立国家ソマリランド大吟醸拾年古酒
仕事場にしている「辺境ドトール」は昭和の世界だ。 店長夫妻が常に店におり、私たち常連の客と交流
-
霊感はない、ただ見えるだけ
工藤美代子『もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら』(幽ブックス)という本をもらっていたこ
-
「アヘン王国」復活?!
知人から「アヘン王国」関係の情報を教えてもらった。 「黄金の三角地帯」でアヘン生産が激増しているとい
-
アフガニスタン本ベストワンはこれだ!
前にここで紹介した石井光太・責任編集『ノンフィクション新世紀』(河出書房新社)で、国分拓と柳
-
「ワセダ三畳記」が増刷!
『ワセダ三畳青春記』の増刷が決まった。 集英社文庫、5冊目出してやっと増刷だ。 私は最初『異国トー
-
ワット・パクナム日本別院
「おとなの週末」で始まる連載記事の取材で、 成田にあるタイ寺院「ワット・パクナム日本別院」を訪ねた。
-
新年あけましておめでとうございます
昨年の出版界は、一般社会に輪をかけた未曾有の大不況だったようである。 その影響は直接間接に私のところ
Comment
AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1)
この方がみそべえさんなんですね。わたしゃまたてっきりインパルスの写真かと・・・。
AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98; Q312461)
面白く読ませていただきました。
本当に「エンタメ系ノンフィクション」という言葉がぴったりですね。
これからミャンマーという国はどうなるのでしょう。
高野さんの本を読むまでは新聞のミャンマー記事なんて読み飛ばしてましたが、これからは大変気になるところです。
昨年タイのメーホンソンに行った時、市場でどう見ても日本の布団生地で作られた服を見て(売ってる人に聞いたら日本の生地だということでしたし)、「なんでこんな所で日本の布団地?」と不思議で仕方なかったのですが、「キモノ」ロンジーの件を読んで謎が解けました。
スカートだけでなく、ブラウスなどのトップス、ワンピースなどもあったように思います。
「きれいね、きれいね」とさかんに売り込んでましたが、確かに華やかできれいでした。
一つ疑問が・・・ロンジーと言うのは、巻きスカート式ですか?それとも輪になった幅広の布を穿き、余った部分を前で横に重ねる着方ですか?
AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1)
>シマさん、
ご愛読ありがとうございます。ロンジーは輪になった布を着るものです。