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最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
帰国してからあまり読書欲がわかない。
読み出しては途中で飽きる、を繰り返していたが、
開高健『片隅の迷路』(創元推理文庫)は飽きるどころか、
止めたくても最後までどうしても止められなかった。
昭和三十年代に実際に徳島で起きた冤罪事件をモデルにした、ノンフィクション・ノベルという、開高健には珍しい作品。
ミステリでもなく、爽快感もゼロなのに読ませる。
土地の匂い、時代の匂いが濃厚に立ち込めるせいだろう。
やっぱり開高健は「文豪」と呼ぶしかない。
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