*

野宿イベント

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

昔、上海の安宿で若い日本人旅行者に会ったことがある。
「前にどこかで会いましたよね?」と彼は言うが、私は覚えがない。
「いや、絶対、どこかで会いましたよ。ネパールかパキスタンじゃないかな」と彼はしつこく主張する。
「いや、絶対に会ったことない」と私は否定しつづけたのだが、
しばらく話していたら、実は探検部の6、7年下の後輩だとわかった。
なんのことはない、前に会ったのは私のワセダのアパートでだった。
どうしてそれを忘れる!?
まったくバカな後輩だ。
(ちなみに彼は中国史上初めて「沢登り」を行った男で、そのエピソードもめっぽう面白い)
そのバカな後輩(名前をサイトウカツミという)は今、異常な趣味人と化している。
毎日仕事が終わると東京中の銭湯に入り、快楽亭ブラックと鍋を囲む会を開き、
週末にはキノコとり、森林の間伐体験、ワイン試飲会など、
ありとあらゆる分野に手を出すのみならず、
いつも人をたくさん呼び集めようとする。
きっと、ヒマで淋しがり屋なのだろう。
で、それが嵩じていつの間にか「東京ナイト」なるイベントを開催するようになった。
今回のテーマは「野宿」。
面白そうだから、私も行くかもしれない。
詳しくは以下のとおりです。
☆ 野宿に関するトークイベント「東京野宿ナイト」のご案内
*「野宿」に関して大いに語り合おう、というイベントです。
話題のミニコミ誌「野宿野郎」の編集長や駅寝の達人、
18歳から7年間ずっと放浪していた人などに来てもらいます。
野宿ってなに?とか、うまく行くコツとか、駅寝とか、失敗談とか、お客さんの野宿話とか、
そういうことをいろいろ語り合います。
そんなに世の中の役に立つような話じゃないかもしれませんが、
たぶん野宿をしたくなるような話が聞けるんじゃないかと思います。
イベント終了後、お客さんと一緒にどこかで野宿するかもしれません。
なので、寝袋を持ってくるといいかもしれません。
《タイトル》 「東京野宿ナイト」
《開催日時》 2008年9月12日(金) Open 18:00/Start 19:00
《開催場所》 東京・新宿トークライブハウス「ロフトプラスワン」
新宿区歌舞伎町1-14-7林ビルB2/TEL 03-3205-6864
《料金》 ¥1500(飲食別)  
 *前売り券あり(ロフトプラスワンにお問い合わせください)
《出演》 かとうちあき(野宿野郎)、たのうえさん(STB全国友の会会長)、
熊倉さん(放浪少女)、サイトウカツミ(東京ナイト)
参考サイト:
「東京ナイトブログ」
http://blog.goo.ne.jp/mask1970
野宿野郎のHP「オフィシャル公式野宿野郎ホームページウェブサイト」
http://nojukuyaro.net/
*「東京ナイト」とは・・・
気になる人やものをテーマにさまざまなイベントを行っています。
ちなみに10月10日は「銭湯の日」なので、
「東京銭湯ナイト Vol.3」というイベントを、ロフトプラスワンで開催予定です。
こちらもよろしくお願いいたします。
サイトウカツミ(東京ナイト)

関連記事

no image

エンタメ・ノンフ的映画の真髄

「パパは出張中」と「アンダーグラウンド」で史上唯一カンヌを2回制した映画監督エミール・クストリッツァ

記事を読む

no image

『間違う力』発売開始

『間違う力 オンリーワンの10カ条』(メディアファクトリー)が発売になった。 丸善川崎ラゾーナ店で

記事を読む

no image

ブータンと提携した男

上智大学の対談講義にも来ていただいた マレーシア在住のジャングルマニアの二村聡さんが産経新聞で紹介さ

記事を読む

no image

アジア新聞屋台村プレイバック

 昨日、突然5年ぶりにエイジアン新聞社の劉社長から電話がかかってきた。 「急ぎの仕事があるからやって

記事を読む

no image

『怪獣記』文庫&『スットコランド日記 深煎り』

来週12日(木)に『怪獣記』(講談社文庫)が発売される。 解説は、宮田珠己部長におねがいした。 ア

記事を読む

no image

螺旋

たまにはガイブン(外国文学)が読みたくなり、サンティアーゴ・パハーレスの『螺旋』(ヴィレッジブック

記事を読む

no image

不思議で贅沢な春の晩

以前、コンゴ(旧ザイール)の障害者バンド「スタッフ・ベンダ・ビリリ」を日本に呼び、 そのライブに私

記事を読む

no image

万歳!文芸の東スポ

おととい届いた「本の雑誌」今月号の特集は 「読んでない本大会」。 メインは書評家三人が自分の詠んで

記事を読む

no image

藤波辰爾の驚くべき腰痛秘話

『藤波辰爾自伝』(草思社)がなぜか版元から送られてきたので、 即読んだ。  あまりにも意外性のない

記事を読む

no image

新刊ラマダン

「在庫一掃読書では本は減らない」という指摘を友人から受けた。 なるほど、それもそうだのだけど、 新

記事を読む

Comment

  1. サイトウカツイミ より:

    AGENT: Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.0.1) Gecko/2008070208 Firefox/3.0.1
    ども、掲載ありがとうございます。
    嬉しいです・・・。
    今月末はキノコ狩りもあります。
    ぜひ行きましょう!
    でもなんで寝ている犬の写真なんですか?

  2. タカノ より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)
    >でもなんで寝ている犬の写真なんですか?
    だって「野宿」だから。
    タイの犬は野良犬も飼い犬もみんな野宿。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年11月
    « 3月    
     123
    45678910
    11121314151617
    18192021222324
    252627282930  
PAGE TOP ↑