異常ラジオ「東京ガベージコレクション」出演
公開日:
:
高野秀行の【非】日常模様
平山夢明兄いがパーソナリティを務めるTOKYO FM「東京ガベージコレクション」というラジオ番組の収録に行ってきた。
この番組に出るのは2回目。前回は大野更紗さんと一緒だった。今回はアブディンに同行。
要するに、毎回、私はプロデューサーというかマネージャーとして、お供しているわけだ。
今回私の第一目標は夢兄と共演している京極夏彦さんに義姉・高橋ゆりが訳したミャンマーの伝奇小説『マヌサーリー』(ミンテインカ著、テラインク)を渡すことだった。
「これはミャンマーの京極夏彦だって義姉が勝手に言ってるんですが、面白いのでぜひ読んで下さい」と渡すと、京極先生は「あ、こういうの好きなんですよね。ポリネシアの小説もおもしろかったし」と辺境娯楽文学に理解を示してくれていた。
さらに著者ミンテインカの長髪に口ひげといういかにも怪しげな著者写真にも「こういう顔、いいなあ…」と感心。さすが、先生、よくわかってらっしゃる。
さて、収録はいつものごとく、デタラメのオンパレード。
なにしろ「平山夢明の東京ガベージコレクション、本日はゲストに…」と最初の挨拶をするのは、夢兄ではなく、なぜか京極先生。
夢兄が全く何もしないので、本来ゲストであるはずの京極さんが仕切っているのだ。
アブとの会話もメチャクチャ。
夢兄「スーダンってさ、どこにあるの?」
アブ「ヨルダンって知ってます?」
夢兄「おー、どっかにあるよな」
アブ「その隣にヒルダンっていうのがあるんですよ」
夢兄「おー、そうかい」
アブ「で、その隣がアサダン」
夢兄「へえ」
アブ「アサダンの首都、知ってます?」
夢兄「メッカだろ」
アブ「その隣がスーダンです」
…とまあ、正確に覚えてないが(こんな会話をまじめに覚えられない)、こんな調子である。
その度に京極さんが突っ込んだり、話を本筋に戻したりと大奮闘。
さんざん大笑いしてやっと収録が終わったかと思えば、今度は京極さんが筆ペンで山と積まれた文庫本にサインを始めた。
さすが達筆だなあと感心してみていたら、びっくり。
なんと「平山夢明」と書いてるじゃないか!!
夢兄の代筆サインまでやってるのだ。どこまで面倒見のいい人なんだろう。
ていうか、おかしいぞ、この二人。
文庫は夢兄の名作『ダイナー』(ポプラ文庫)。
どこの書店に並ぶか聞かなかったが、これは超プレミアものだ。私も一冊もらえばよかった!とあとで後悔した。
東京ガベージコレクションは毎週日曜日、深夜1:30から。
どの回を聞いても絶対に笑えること請け合いだ。
私たちの出演した回は11月25日放送です。
関連記事
-
-
移住するなら盛岡がいい
先週の土曜日、盛岡市のMORIOKA TSUTAYAでのトークイベントに行ってきたのだが、盛岡の読書
-
-
謎の音楽家or神秘思想の徒バウル
ソマリランド本の仕事から解放されてからは、本が思うように読めてとても嬉しい。 先週も面白い本を
-
-
今明かされる「野々村荘秘話」
新国劇の島田正吾が亡くなった。 「新国劇」など、私には何の関わりもないと思うだろうが、多少の縁
-
-
上智大学で比較未知動物学?
なぜか来年度の後期(10月〜2月)、上智大学外国語学部の非常勤講師を務めることになった。 大学で
-
-
キワモノ作家の王道娯楽ミステリ!?
久しぶりに新規の(自分にとって)小説を楽しんで読んだ。 田中啓文『チュウは忠臣蔵のチュウ』(文春文
-
-
アジア未知動物紀行<第3弾>
「小説現代」(講談社)で不定期連載中の「アジア未知動物紀行」。 第1弾はベトナムの猿人フイハイ、そ
-
-
エンタメノンフ的野球論
野村克也『あぁ、監督』(角川Oneテーマ21) 近年、二度目のブームを迎えている野村監督が ボヤ
- PREV :
- とても美味しく、驚きもある
- NEXT :
- 出発前のわやくちゃ状態に突入