ソフィア・ローレンと苔
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様

人生で初めてのことだが、妻と母親と三人で瀬戸内を旅行してきた。
金比羅神社、直島、そして倉敷というザ観光コースだ。
倉敷では大原美術館という美術館に行った。
欧米の芸術文化にはいたって無知な私は初耳だったが、ひじょうに有名なところらしい。
あろうことか、私たちと入れ替わりでソフィア・ローレンが大原美術館を訪れたそうだ。
もっとも私はソフィア・ローレンも「大女優らしい」ということしか知らなかった。
倉敷アイビースクウェアという場所では映画「ひまわり」が上映されるとのことで、
ソフィア・ローレンが出た有名な映画であると妻に教えてもらった。
なんだか初めて習うことばかりで、社会科見学か修学旅行にでも行った気分だ。
ちなみに、倉敷で私がいちばんよかったのは、古書店の蟲文庫。
店主の田中美穂さんとは二年前、山形の謎の勉強会でお会いしたことがある。
彼女は苔と亀の愛好家であり、『苔とあるく』(WAVE出版)という面白い本も書いている。
亀と苔と古書という、時間が止まったものの極めつけみたいな店は観光疲れの私には
とても心地よかった。
(写真・上:愛亀のツブちゃんを手にする田中さん)
関連記事
-
-
Somaliland ni iru hutari no watashi
Twitter dewa mou kaiteirukedo,yatto Somaliland
-
-
エンタメ・ノンフの秋!
「ダ・カーポ」の増刊「早稲田大学特集」の取材を受ける。 ワセダを出てへんなことをやっている人間のコー
-
-
素晴らしき酒飲み書店員飲み会
酒飲み書店員飲み会(ややこしいね)に招待してもらい、一緒に飲む。 千葉周辺の書店員さんたちと出版社の
-
-
お湯割をください。涙の数だけ
さまざまな困難を乗り越え、 イランでの「アルコールクエスト」を続けている。 イランに来て、やっと一週
-
-
ユーラシア大陸を超えて
ポルトガルのリスボン在住の言語学者・小坂隆一氏と 二時間以上、Skype(スカイプ)で話をする。 ス
-
-
逃亡先としての「辺境」
知人に勧められて、乃南アサの『涙』(新潮文庫)を読んだ。 1964年、東京オリンピックの最中に殺人
-
-
隣の芝生か岡目八目か
小田急沿線の町で、同姓同名の将棋指し・高野秀行五段、噺家の春風亭柳好師匠、その奥方のベーシストRさん



Comment
AGENT: DoCoMo/2.0 N05A(c100;TB;W24H16)
オイラも西洋美術にはそんなに興味がないのですが、倉敷には南米の古代文化の博物館があるそうで、そっちはすごく興味があります。何度聞いても名前と場所を覚えられないのですが。