*

書店泥酔野宿

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

土曜の午後4時過ぎ、ちょっと用事があって、近所の友人宅に行ったところ、
ビールを出してもらい、すぐ帰るはずが妙に気分がよくなってしまい、
気づいたら4人でビール4本、ワイン2本を空けていた。
それから書店野宿のため、西武新宿線中井駅前の伊野尾書店に向かったのだが、
山手線が30分近く止まってしまい、待っている間にワンカップ大関を買って
さらに飲み、
かとうちあきさんとのトークイベントが始まる頃(9時近く)には完全にへべれけだった。
参加者の人によれば、私は同じ話を2回繰り返したりしていたという。
よく憶えてないのだが、かとうちあきさんもさぞかし困っていたことだろう。
でも彼女は心優しい人で、私がワンカップを飲み終えるのを見ると、八丈島の焼酎をどぼどぼ注いでくれ、状況悪化に拍車をかけていた。
トークとサイン会が終わったあとは、書店前で午前1時過ぎまで酒盛り。
もう誰と何をしゃべったのか全く記憶にない。
13時間飲みっぱなしだから当然だ。
ただ、書店主の伊野尾さんが警官や近所の人や通りがかりの人に怒られたり、怒鳴られたり、頭を下げたりしているのだけはっきり憶えている。
翌朝目を覚ますと、書店前にはまぐろのような寝袋の一群がごろごろ転がっており、
その中をふらふらと伊野尾さんが歩いていた。
「結局、このイベント、誰の得になったんですかね…」
精気の抜けきった顔で伊野尾さんがつぶやく。
まあ、楽しかったけど、「得」にはなってないよなあ…。
伊野尾さんにいたっては得しないどころか、苦労だけだったのではあるまいか。
だって、他の人は非日常を楽しんだけど、伊野尾さんはそこに住んでいて
酔っ払いの引き起こす揉め事を全部引き受けなければいけなかったのだから。
いや、ほんと、お疲れ様でした。
今度一緒にプロレスを見に行きましょう。

関連記事

no image

フーテンのマハさん

「小説すばる」の「海辺で読みたいブックガイド」という企画で、先日『楽園のカンヴァス』(新潮社)で山本

記事を読む

no image

一度は行って見たい国

渋谷のトルコ料理店で若いユニークな女性2名と飯を食った。 一人は昨年まで大学院でアフリカのエリトリア

記事を読む

no image

戦時中に建てられた家

友人が大井町線千束に新居を構えたので、 他の友達連中と一緒に遊びに行く。 友人はマレーシア人女性と結

記事を読む

no image

『猛き箱舟』をうっかり再読

いろんな仕事がたまっているのに、船戸与一の大作『猛き箱舟』を読んでしまった。 西サハラを舞台にして

記事を読む

no image

「野々村荘」は今…

なんと約7年ぶりに、『ワセダ三畳青春記』の舞台である「野々村荘」を訪問、後輩の「中江」とともに大家の

記事を読む

no image

犬の力

前に評判になったミステリに『犬の力』とか言う本があった。私にはあまり面白くなくて途中で止めて

記事を読む

no image

早大探検部バカ50周年記念

早稲田大学探検部が今年で創立50周年を迎える。 本当ならば、ライバル視していた(向こうは屁とも思って

記事を読む

no image

趣味がほしい

毎年のように新年になると「趣味がほしい」と思う。 そう切実に願う理由は二つある。 昔、私の趣

記事を読む

no image

踊るダルビッシュの謎

斉藤祐樹が日本ハムに入団したため、以前にも増してダルビッシュ有のニュースが多い。 で、思い出したの

記事を読む

no image

新刊入荷『青春の門』

今日も外出。 といっても毎日、最終的にはワセダの「野々村荘」に落ち着く。 これは外出ではなく、アパー

記事を読む

Comment

  1. KOW より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; GTB0.0; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.0.4506.2152; .NET CLR 3.5.30729)
    次の日の予定があったので先に帰りましたが
    (まあ、後楽園ホールへ昼夜連続でプロレス観に行くだけでしたが)
    本当に凄いノリでしたよね。
    次回は…あるんですかねえ。

  2. wsary より:

    AGENT: Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.1; en-US) AppleWebKit/534.3 (KHTML, like Gecko) Chrome/6.0.472.63 Safari/534.3
    わたしも泥酔した高野さんと野宿したかったなあ(笑。ゆっくり休んでください。

  3. KOW より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; GTB0.0; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.0.4506.2152; .NET CLR 3.5.30729)
    オススメなのは10月29日に新宿FACEでやる
    IWA JAPANの興行ですね。
    高野さんの好きなNOAHいやHONAが、UMA軍団と戦うという
    なんともいえないカードです。
    http://iwajapan.com/main.html
    http://beye2.com/item_26407.html

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • ふと思い出した。『怪獣記』(講談社文庫)が絶版になったのだった。どこかで再文庫化してもらないものか。 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 語学の天才まで1億光年がメチャ面白かったので次はこれ kindle unlimitedもブラックフライデーで安く契約出来たし この本を読んでみてください: "謎のアジア納豆―そして帰ってきた〈日本納豆〉―(新潮文庫)"(高野秀行 著)https:… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 後半自分の人生に悩む姿が面白かった。僕ら一般読者からすればこんなに面白い本を沢山生み出す天才的書き手もこうして悩む時期もあるのだなと。結局自分の好きなことをやることに徹する展開は各々の生を肯定してくれる。#語学の天才まで1億光年#高野秀行 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 冒険家・高野はなぜミャンマーの麻薬地帯や、謎の独立国ソマリランドや、アマゾンの奥地や、アフリカでの幻獣...『語学の天才まで1億光年』高野 秀行 ☆5 https://t.co/9unBKrl9UD ReplyRetweetFavorite
    • RT : 「高野秀行さん×山内博之さんトークイベント」は、大盛況で終了いたしました。語学学習にまつわる大変興味深いお話しでした。と同時に、高野さんファンにとっては、総集編のような、ベスト盤のような、ミステリーの伏線回収のような内容で、あっという間の… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 12月14 日 (水)19時〜 『体はゆく』『語学の天才まで1億光年』W刊行記念 伊藤亜紗さん ✕ 高野秀行さん 「“できる”って探検だ!」 https://t.co/1ALMd1Q0p2 https://t.co/bZDhP4ai… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 高野秀行さんご出演の「ゆる言語学ラジオ」で爆笑!知的トークを楽しむすてきな日曜日を! 【飢餓・マラリア・ロケット弾】凄腕作家の危険すぎる語学体験【高野秀行さんゲスト雑談】#179 https://t.co/SI4ynYmgjC ReplyRetweetFavorite
  • 2022年11月
    « 3月    
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    282930  
PAGE TOP ↑