別ジャンルで2つ上がる
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
「本の雑誌」2008年1月号が届いた。
2007年度ベスト10に『怪獣記』が6位にランクイン。
昨年の『アジア新聞屋台村』が8位だったから、2つランクアップした。
昨年はフィクションというかノン・ノンフィクション(?)で今年は純然たるエンタメノンフだから、気持ちはいくらかちがう。
他人事ながら高島俊男先生の『お言葉ですが…』第11巻(連合出版)が10位に入っているのが嬉しい。
同シリーズは週刊文春で長らく連載していたもので、もちろん文藝春秋から単行本も文庫も出ていたのだが、文春は「10巻でシリーズ打ち止め」としたところ、
連合出版が英断を下し、同じ装丁で続きを出したのだ。
高島先生は当代最高の文章家だと私は思っているので、
この連載も単行本も是非この調子で続けてほしい。
連合出版の英断はもう一つ、私がこの号で紹介しているウ・フラ著/土橋泰子訳『ビルマ商人の日本訪問記』を刊行したことだろう。
椎名誠編集長の「2007年シーナ版ベストテン」にこの本が見事ランクインしていた。
こっちも他人事ながらとても嬉しい。
そうそう、私が今年出したもう一つのエンタメノンフの問題作『怪魚ウモッカ格闘記』、
これも大槻ケンヂ氏のベスト3に入っていた。
「怒る読者も多いだろう。ぼくは楽しんだ」と率直に言ってくれているのがありがたい。
関連記事
-
-
シンプルノットローファー
この前読んだ衿沢世衣子『ちづかマップ』が面白かったので、 ひきつづき同じ著者の『シンプルノットロー
-
-
ネアンデルタール人の冬眠性って…
ケリー・テイラー=ルイス著『シャクルトンに消された男たち』(文藝春秋)の書評を書く。 前に書いた
-
-
思い出探しに来たわけじゃないけれど
現在、チェンマイに滞在中。 バンコクにいると、どうしても「これがタイだ」と思ってしまう
-
-
ユーフラテスの旅の落とし穴
昨日やっとこワンに飛んだ。 延々とつづく茶色の香料として山岳地帯を見下ろし、 「こんなところで河下り
-
-
生まれて初めてのロックライブ
恵比寿に、今年再結成した筋肉少女帯のライブを見に行った。 オーケンさんのご招待である。 なんと、私に
-
-
エンタメ言語学者・黒田龍之助がおもしろい!
ときどき一緒に飲む編集者のAさんに「黒田龍之助の本は面白いですよ」と勧められた。 以前、NHKロシア
-
-
酒にふりまわされる人生
この十数年で飲んだ大量の酒がついに体の飽和量に達してしまったのか、 まったく酒を飲む気にならず、なん
- PREV :
- 前代未聞の藤沢周平ベストテン
- NEXT :
- 大槻ケンヂと一緒にオカルト番組?