*

探検部の後輩、パキスタンで銃撃される

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

下北沢で某社の編集者と打合せを兼ねて飲んでいた。
本題前の雑談で「パキスタンというのは意外といいところなんだ」と力説していたら
探検部の後輩で一緒にコンゴに行ったMから携帯に電話が入った。
Mは現在NHK記者である。
「高野さん、四倉がパキスタンで撃たれましたよ!」
「えっ!」
あまりのタイミングのよさと意外性に仰天してしまった。
四倉は私より三つ下の後輩だが、現役のときから単身で内戦真っ只中のアフガンに
潜入したり、ミャンマーのカレン民族同盟のゲリラと行動をともにしていたりした。
私が直接知る先輩後輩の中で最も度胸があり、過激でもあるやつだ。
(私も初めてミャンマーのゲリラに接触する前、彼のアドバイスをあおいでいる)
卒業後は朝日新聞に入社、かなりあちこちの国で取材し、
最近ではイスラマバード発の記事もよく書いているのを紙上で見かけ、
「あー、あいつはパキスタンに赴任したのか。いちばん思い入れのある地域だからな」
と思っていた。
今回の事件については詳しい情報がないのでよくわからないが、
現場はパキスタンとアフガン国境付近である。
パキスタンのペシャワール市とカイバル峠の間の路上というから、
去年、私がアフガンの謎の凶獣ペシャクパラングを探しに行ったとき、
相棒の森清と一緒に車で通ったところだ。
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/world/pakistan/?1226658911
「命に別状ない」というのでひとまずよかった。
後遺症などなければいいが、とにかく生命に異常がなくてよかった。

関連記事

no image

盲目の吟遊詩人

「メモリークエスト」が更新された。 今回の依頼は「盲目の吟遊詩人を探せ!」。 場所はラオス。 いや、

記事を読む

no image

犬と辺境旅をしてみたい

最近頭がぼやあっとして、ここに書いたかどうかも憶えていないのだが、 7月1日に行う旅の本屋のまどでの

記事を読む

no image

アジアの匂い

2泊3日で、熊本と鹿児島の高校に講演に行ってきた。 今年が3回目。これまで群馬、新潟、香川、愛媛に行

記事を読む

新連載開始?

今、すでに五誌(紙)で連載していてアップアップなのに 今度は「本の雑誌」で新連載を開始してしま

記事を読む

no image

顔写真なしでよかった

『西南シルクロードは密林に消える』(講談社文庫)の 全作業が終了した。 今回、講談社文庫に初めて入る

記事を読む

no image

私の出演するラジオ・テレビ番組がなぜ面白くないのか

今年はテレビ2本、ラジオはけっこうな数に出演した。 毎月一回は何かに出ているだろう。 が、正直言って

記事を読む

no image

独裁者列伝

いわき市にいるとき、コンビニで『東日本大震災 レンズが震えた 世界のフォトグラファーの決定版写真集

記事を読む

no image

『神に頼って走れ!』カバー案できる

今年1月から3月にかけて行った自転車お遍路旅日記『神に頼って走れ!』が 集英社文庫から来年3月に発売

記事を読む

no image

人間失格+坊ちゃん=三畳記

「SPA!」のインタビュー記事「エッジな人々」が掲載される。 「見ましたよ、エッチな人々!」と何人か

記事を読む

no image

リキシャ・アートは語る

バングラの印象といえば、リキシャ。 自転車がひっぱるサイクルリキシャがメインだが、 人間を乗せるだ

記事を読む

Comment

  1. より:

    AGENT: Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.0.4) Gecko/2008102920 Firefox/3.0.4
    yahooニュースみてきました。
    本当に命に別状なく良かったですね。
    yahooニュースではお写真も出ていて、冷静そうで安心です。
    ・・・と考えると高野さんが本当に危険な地帯に行っているということを実感します。本では面白、おかしく書かれていても危険な地帯なんですね。(ニュースでは無法地帯とありました!)
    高野さんもどうか気をつけてくださいね。
    「凶獣ペシャクパラング」の本が出たら、心して読むようにします。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年7月
    « 3月    
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    293031  
PAGE TOP ↑