*

友だちは反政府ゲリラだけ…

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

チェンマイにいる。
4年ぶりだが、驚くほど街が変わった。
見知っている建物がない。
だから自分がどこにいるのかさっぱりわからない。
タイ人の友だちはゼロ。日本人もゼロ。
毎日会うのはミャンマーから来たシャン人たちである。
多くは(元)ゲリラか、そのサポーターだ。
5年ぶりに会った人もいれば、10年ぶり、15年ぶりという人もいる。
中国の瑞麗で世話になった、「夢見る少女」の元女性ゲリラ・カンプンさん(詳しくは『西南シルクロード』参照)もふらっと現れて驚いた。
オーストラリアのシドニーで私の義姉がビルマの歌をうたっているのを撮影したという、テレビカメラマンのシャン人も十年前からの知り合いだった。
15年前にシャン語を少し教えてくれた人は、今は反ミャンマー政府の風刺漫画家として
有名になっていた。
私は、ミャンマー関係では、ワ人の本(『アヘン王国』)を書き、
カチン人とナガ人の本(西南シルクロード』)を書き、
ビルマ民族の本(『ミャンマーの柳生一族』)の本を書いているのに、
なぜか圧倒的に親しいシャン人の本をまだ書かないでいる。
そろそろ書かないと義理が立たないなあ…。
元・ゲリラ兵士のカン・プンさん(左)と元クンサー軍広報課で現在漫画家のサイ・レット(右)

関連記事

no image

「アジワン」発売!

妻・片野ゆかの新刊が発売された。 小学館ノンフィクション大賞受賞第一作は、超脱力フォトエッセイ「アジ

記事を読む

no image

こんなこと、してる場合じゃないのだが…

明日からトルコへ行く。 ワン湖の怪獣ジャナワールの調査である。 ただでさえ忙しいのに、昨日、中国か

記事を読む

ギラギラと輝く船戸ワールドの原点

知り合いである大学の先生が仕事の忙しさを「まるで障害物競走のよう」とたとえていたが、 私もまさ

記事を読む

no image

後輩がアジア大会で銅メダル

早大探検部の後輩・角幡唯介の『空白の五マイル』(集英社)が売れている。 アマゾンでは、発売から半月

記事を読む

no image

トルコより帰る

 トルコより帰国した。  私の滞在中、トルコ国内でも二度テロがあり、外国人旅行者も犠牲になったよう

記事を読む

no image

10年遊んで暮らした人の話

私が解説を書かせていただいた川上健一『ビトウィン』(集英社文庫)が 発売された(たぶん)。 本来い

記事を読む

no image

万歳!文芸の東スポ

おととい届いた「本の雑誌」今月号の特集は 「読んでない本大会」。 メインは書評家三人が自分の詠んで

記事を読む

no image

「少しよろしいですか」

打ち合わせがあったのだが、電車に乗ってから肝心の原稿を忘れたことに気づき、 愕然としていったん帰宅。

記事を読む

no image

何の詐欺だろう?

ここ1ヶ月で2回、実家の母親から「変な電話があった」という知らせがあった。 最初は「ヒデユキ」を名乗

記事を読む

no image

このくだらない本がすごい!

正月早々、高橋秀実『はい、泳げません』(新潮社、現在は文庫も出ている)を再読。 超カナヅチの秀実さ

記事を読む

Comment

  1. dango より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.0.3705; .NET CLR 1.1.4322; .NET CLR 2.0.50727)
    ぜひ、ぜひ。書いてください〜。読みたいです。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇のお知らせ

高野さんより、「デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇」のお知らせ

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

→もっと見る

  • 2025年7月
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    28293031  
PAGE TOP ↑