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手帳はデジタル?それともアナログ?

公開日: : 最終更新日:2012/05/25 つれづれ日記

 一昔前なら、首標のタイトルは
 「手帳はシステム手帳?それとも綴じ手帳?」
 といったところだと思うが、ここ数年、特にiPhone以降の爆発的なスマートフォン普及によって、手帳をデジタルツールに置きかえる人が増えている。また、ガラケー(スマートフォン以外の普通のケータイ)にも、スケジュール帳はついており、アラーム機能やメールとの組み合わせで日常生活を送っている知人のライターさんもいたりする。
 私自身はといえば、iPhoneを使ってはいるものの、アナログの綴じ手帳も併用しているのが実状。
 しかし、頑なにアナログに固執しているわけでもなく、かつては情報の完全デジタル化を目指し、アナログ手帳を手放したこともある。1996年ごろのことだ。
 その頃はまだスマートフォンという名称も端末もなく、やっとケータイ電話でメールのやりとりができるようになったぐらいだった。その時私が手にしたのは、Palm(パーム)という情報端末。文字どおり、Palm(手のひら)にすっぽりと収まり、スケジュールやTo Do機能、住所録、メモ、ゲームなど、今のスマートフォンが持つ特徴を一とおり網羅していた。ただしケータイ電話ではなかったので、インターネットやメールをするには、別途通信カードをさしたり、ケータイとモデム接続をする必要があったが、やろうと思えば、外出中、これ1つでパソコンの代わりを務められなくもない、そんなツールだった。
 情報端末はそれまでも多くのメーカーから発売され、日々進化を遂げてはいたが、このPalmの優れていた点は、パソコン(母艦)との同期にあったといってもいい。
 今やiPhoneやandroid端末では当たり前となっている同期機能は、スケジュールをはじめとした端末のデータと、パソコン本体のデータを常に共通のものに合わせることである。Palmでは、端末を子機、パソコンを母艦に見立て情報のやりとりをする。パソコンのスケジュールソフトに予定を書き込んだり、外出中にPalm側でスケジュールやメモをとったものを、同期することで両方に同じデータが反映されるのだ。
 特に込み入ったメモや、連続したスケジュールなど、パソコン上で作業をした方が早い項目など、同期することで、すばやくPalmに転送されるのは感動すら覚えた。
 Palm歴はその後5年近くに及んだが、次第に問題も出てきた。
 これは、デジタル端末の問題というよりも、ひとえに自分の使い方とのズレから来ているといっていいかもしれないのだが。
 1つは視認性の問題。
 デジタル端末の長所はなんといっても検索機能だが、キーワードなどを入力してお目当ての情報にたどり着く以外には、ディスプレイを目で見て確認することになる。特に、1か月〜半年ほどの長いスパンで動くプロジェクトのスケジュール管理などは、全体を把握しながら日々チェックをしていきたい所なのだが、Palmの月間スケジュールでは、予定の入っているところに■のマークが着いているだけで、そこをタップしないと詳細が分からない。もちろん、パソコン上のソフトであれば、大きな画面に内容も表示されるのだが、Palmを使うのは主に外出中なので、ざっくり見れないのがストレスになっていった。
 アナログの手帳でいう、パラパラとめくる感覚が、そのころのPalmにはなかったのである。
 ちなみに、今のiPhoneは、その辺りのGUI(グラフィカルインターフェース)がすこぶる改善されている。
 2つ目は書き込む自由度の問題。
 パソコン上での書き込みはキーボードなので、ほぼストレスなくすばやく入力ができるものの、Palmはスタイラスという専用のペンを使い、グラフィティと呼ばれる独特のローマ字一筆書きによって文字を入力していく。英語であれば比較的手早く書き込めるが、日本語の場合、手書きでローマ字入力をしていることになり、変換の手間などを含めると、サクサク入力…というには、あまりにも自分の場合はハードルが高かった。
 打ち合わせの現場などで、ささっと書き込みたくても、スピードが着いていかず、とりあえずその場のメモ帳に書き殴ったものを、後で転記し忘れるという、手帳ではあり得ないようなポカもやったことがある(笑)。
 また、手書きの手帳であれば、その日の欄に書き殴っておけば、目に止まるが、本来ToDoとしての要素をPalmのスケジュール欄に入力してしまうと、そのまま放置されてしまうという危険性もあった。
 それでも、編集部で楽譜とにらめっこをして本を作っているうちは、スケジュールの調整などある程度決まっていたので、あまりトラブルになることも少なかった。
 しかし、2004年に独立してからは、小所帯ゆえに得意先や扱う業務も多岐に渡り、スケジュールやTo Doリストの把握、更新が機動力と直結するようになってきたため、当時「手帳術」的な本がややブームになっていたこともあって、それを参考に方針を転換。
 スケジュールとTo Doをアナログ手帳にゆずることで、今現在に至っている。

参考記事:「デジタル手帳とアナログ手帳は両方使う」人が多い?——300万人編集会議の議論より(Nikkei BP net)

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