どうしてカタカナ人名は覚えにくいのか
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最終更新日:2012/05/25
つれづれ日記
最近、真夜中にやっている海外ドラマを観るのが密かな楽しみだ。
NHK BS2で1時15分から始まる「Alias(エイリアス)」は毎回2話連続でほぼ毎日放送している。CIAの特殊諜報部を舞台に、エージェント達は世界中を駆けめぐり、ある時は二重スパイとなって正義のために、またある時はそれぞれの感情が交錯しながら、任務を遂行していく。「エイリアス…偽名」という日本語タイトルがついているが、個性豊かなエージェント達が世界各地で偽名を使いテンポ良くストーリーが展開していくのも魅力のひとつといえ、翌朝起きるのが辛いのに、どうしても最後まで観てしまう。
ところが一つだけ問題があった。
私は極度の「カタカナ記憶音痴」なのである。
テンポ良くストーリーが展開するのは結構なのだが、名前がうろ覚えなのでいちいち嫁さんに「エミリーって誰?」「サークってあの人?」と確認しないとストーリーが追えず、その度に怒りを買う。しかもスパイが主人公なので、当事者は画面におらず彼とか彼女といった三人称が頻繁に飛び交い、更に分からない。記憶音痴は人名にとどまらず、組織名やプロジェクト名も同様なので、見始めたばかりの頃はドラマの展開とカタカナ名称で二重混乱だった。小説なら巻頭の人物紹介ページをめくればいいが、テレビや映画ではそうもいかない。
当然の如く、高校時代は世界史も苦手だった。国王も女王も英雄も、どこぞでの戦いも、会議も条約もさっぱりである。づらをつけた肖像画やら、遺跡の絵や写真は思い出せても、肝心の固有名詞が出てこない。例外は2つだけ。それは、朝鮮史と中国史。いずれも固有名詞が漢字だった。
どういう訳だろう。受験勉強をしていた頃は「おれはアホだな」と記憶力の悪さを根性でカバーしていたが、齢30をすぎて改めて思い返してみると、カタカナと同様に英語、特に単語のスペルはどうやっても頭に入っていかなかった。最近はアルコールによるダメージが大きいに違いないが、体だけでなく脳みそも伸び盛りの10代にあれだけ苦労したのは何故だったのか。
浮かんだのは「私の記憶は視覚からイメージを読み取れることが重要である」という仮説だ。漢字には文字の成り立ちがあり、図形的に意味を読み取れる字も多い。一方、カタカナ文字は外国語を日本語表記するためのいわゆる当て字であり、その文字列自体に意味はない。また英語はアルファベットという26文字の組み合わせで出来ており、視覚的なイメージを持ちにくい。ただし単語によって成り立ちのあるものもあり、やはりそういった単語はすっと覚えることが出来たような気がする。そういえば、年号の暗記や、数字の暗記といったものも苦手の部類に入り、特に金額などの記憶力は、弊社の経営状況が証明するように“どんぶり”だ。
不思議なのは、その一方で『レインマン』のダスティン・ホフマンみたいに、数字や固有名詞を記憶することがやたら得意な人達がいることである。きっと私のような凡人とは脳みその仕組みが違うんだろうけれども、チャンスがあればそのあたりの感覚をぜひ聞いてみたい。
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Comment
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私はどっちかっていうと、漢字の方が覚えにくいですよ。
だって、やたら似てる字多いし、人名なんて一生に一度か二度使うだけの
ものだけだったり・・・
カタカナ人名…うーん、多分音で覚えれば頭の中でカタカナ表記にするより
簡単かも!?
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ワタルさん、漢字とカタカナ、どちらが記憶に残るかは人それぞれですね。 世代ではないですね。
ちなみにボクもワタルさん派です。
外国について書くことが多いと、カタカナ、英文の使い分けを工夫しなければいけないですね。
音楽について書くことが多いボクの場合は、ミュージシャンの名前は記憶に残りやすくするためにカタカナで、アルバム名や曲名は探しやすいようにアルファベットのままです。ミュージシャンの名前についてネットでは、検索にヒットしやすくするためにアルファベットも併記しますね。
あと、キーワードを訳さず、カタカナとして残すこともありますね。
外国らしさを出すためにあえてカタカナ英語を選ぶこともありますが、あくまでも日本人の英語能力で処理できる単語に限るとか。
海底ケーブル破損で、ネット遅いのに、書きなぐってしまった。(反省)
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めぐみ(モテ期)さん、やっぱり漢字よりサウンドですか。
音で覚えたものって忘れにくいですが、
残念ながら僕の場合、印象が薄いと右から左っていうパターンが・・・。
アサ・ネギシさん、海底ケーブル切断の影響はいろんな所に出てるんですね・・・。
覚えやすさの思考って、世代とか性別とかそういったものではなくて、何か脳のタイプみたいなもんじゃないかと思っています。回路の特性や、システムの違いみたいな。。。
といってもその類の資料を調べたわけじゃないんですが。
余談
時々、外国語のカタカナ表記に関して凄い熱の入っている人がいますが、今回の記事の主点から言うと、原理原則より「覚えやすい表記にしてくれ!」という感じですね。
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私は若い頃は電話番号憶えるのが得意でした。
でも年齢と共に駄目になりました。笑。名前は結構いけますよ。
うちの奥さんも映画見てて、登場人物の名前やら・・あれっどうして?みたいな質問しますねー。でも・・まっどうせぞのうち全部忘れて土の中ですから。
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外国語なんて、所詮カタカナで完璧には表記できないのですから、ペダンチック(衒学的)は困りますね。Vの音の表記ヴァ、ヴィ、ヴェ、だっていらないですよね。
英語だけが外国語じゃないですもんね。
まぁ、それはどうでもいいですけど。
よいお年をお迎えください。