*

盲想、ソマリランド、犬部! 移民の宴

公開日: : 最終更新日:2012/10/15 高野秀行の【非】日常模様

ツイッターを始めてから、書くことがどうしてもブログとダブるため、だんだんブログから遠ざかってしまっている。でもツイッターをやってない人もいるし、他人のツイートを全部フォローしている人も稀だろうから、やっぱりときどきブログは書くべきなんだろう。

まずはお知らせから。といっても、前回何をどこまでお知らせしたのかわからないので、もしかすると重複があるかもしれない。ご容赦を。

私がプロデュースするアブディンの「我が盲想」。ただいま連載第6回「スーダン強制送還の危機 後編」。
来日したものの、どこにも受け入れ場所が見つからないまま時間がすぎていく。もう国に帰るしかないのか…と絶望に襲われるアブディン。どうする?
私はこの章の後半に書かれた「靴ひも」のエピソードがとても好きだ。

私自身の連載「謎の独立国家ソマリランド」も進んでいる。現在アップされているのは、「知られざる覚醒植物カート」。
ソマリランドには「カート居酒屋」なるものがあり、私はそこで「ろう(耳の聞こえない人)」の元兵士と出会った。ろうの兵士なんて、他の国にいるのか? びっくりしたものだ。


片野ゆか原作・高倉陽樹・画『犬部! ぼくらのしっぽ戦記』第2巻(少年サンデーコミックス)が発売された。
羨ましいのは、漫画なら誰にでも気軽に読めること。私の姪っ子にも一人一冊ずつあげているが、喜ばれるし、ちゃんと読んでもらえる。
私もいつか漫画化できるような本を書きたい。

私のほうは現在11月下旬刊行予定の『移民の宴』(講談社)の準備で忙しい。
毎回思うことだが、どうして本を一冊出すというのは、かくも手間暇がかかるのだろう。
このネット時代にあまりにアナクロだ。
まるで外国にわざわざ船で行くようなもので、実はすごく贅沢なものなのかもしれない。

そうそう、忘れていたが、東京弁護士会の会報誌「リブラ」10月号にてインタビューを受けた。
やはり弁護士である編集長自らインタビュアーをしてくれ、しかもこの方が私の本をえらく読み込んでくれていたので、
珍しいくらい自分の言いたいことが言えた。ただ若干調子に乗って言い過ぎだような気もする。
ウェブで読めるので、こちらをどうぞ。
なお、私の写真は森清氏の撮影。クレジットを付け忘れた。森君にはお詫びします。

えーと、あと、最近読んだ本では『狼の群れと暮らした男』という超弩級の冒険ノンフィクションがあったが、今日はもう時間がないので、
また今度。

関連記事

no image

今年からノンフィクション作家

みなさん、明けましておめでとうございます。 今年は何をするか。 まずは肩書きを変えることにした。 正

記事を読む

no image

Iran no kiken

Iran no Tehran,Esfahan to mawari, ima wa K

記事を読む

no image

旅の間の読書

2月発売のソマリ本の準備で、ブログを更新する時間もなかなか取れないし、帰国後に本も全く読めていな

記事を読む

no image

おとなの週末

またしても「こんなときに」という話だが、講談社の月刊グルメ誌「おとなの週末」で 「移民の宴(うたげ

記事を読む

no image

花のズボラ飯

久住昌之原作、水沢悦子画『花のズボラ飯』(秋田書店)を読む。 グルメ漫画を読んで、共感したのも初め

記事を読む

no image

まだやる気なのか?

集英社に行き、ムベンベ映画化を目論む映画監督アベ・ユーイチ氏とプロデューサーでネルケピクチャーズ役員

記事を読む

仕事の邪魔になる本を是非!

帰国するなり、仕事と雑務が山積。 って、最近いつも同じことを書いている気がする。 ちょっと前

記事を読む

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリースされた。 タイトルはずば

記事を読む

no image

原発君とインド人

今日も原発君は元気なようである。 原発を憎むとかえってよくないような気がして、 親しみをもたせて、心

記事を読む

no image

くどくどかぱらぱらか

比較的調子よく来ていたブータン原稿がうまくいかなくなってきた。 逃避の意味合いもあって、ある作家の

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇のお知らせ

高野さんより、「デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇」のお知らせ

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

→もっと見る

  • 2025年12月
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    293031  
PAGE TOP ↑