*

発掘!笑えるノンフィクション・その1

公開日: : 高野秀行の【非】日常模様

2014.07.30nakanowatari
笑えるノンフィクションを募集したところ、たくさんの方から、当ブログのコメントや
ツイッター、あるいは私への直接のメールなどで、笑えるノンフィクション情報が寄せられた。
中には既読の本もあれば、存在は知っているが呼んだことのない本、全く知らない本もあった。
それらを片っ端からAmazonで探して注文している。
以後、面白かった随時ここで紹介し、「笑えるノンフィクション・ベスト100」に入れていきたい。
(なぜベスト100なのかは不明)

1.まずは本の雑誌社の杉江さんに教えてもらった、中野渡進『球団と喧嘩してクビになった野球選手 選手とファンからは今も愛される、現モツ鍋屋店主の独白』(双葉文庫)という副題も含めるとえらく長いタイトルの本。

横浜ベイスターズに入団、実労はほぼ1年に過ぎずクビになってしまったのに、野球界の大物選手たちから可愛がられたアウトロー的な投手の物語。
変なピッチングをしているとマウンド上でみぞおちにパンチを入れる谷繁(現中日監督)や
なぜ自分の携帯にエロ画像を送ってきてはいけないかを理論的に滔々と語る「精密機械」小宮山悟など、
球界の変人たちの話は最高である。

この本は構成がとてもいい。編集者とライターが優れているにちがいない。親本はミリオン出版。
エロ雑誌を作っているという漠然たるイメージしかなかったが、いい仕事をやっている人たちがいると
認識をあらためた。

2014.07.30aiko2.愛甲猛『球界のぶっちゃけ話』(宝島SUGOI文庫)

上記の本を注文したらAmazonに薦められた。実際に面白く、それどころかすごく雰囲気が似ている。
中野渡さんにとってのシゲさん(谷繁)が愛甲さんにとってのオチさん(落合現中日GM)になるとか。

全体としては暴露本では決してなく、仕事としてのプロ野球という視点がとても面白い。
冒頭の「人間関係が見える『ベンチの距離』」だけでも、なるほど〜と目から鱗だった。

関連記事

no image

大久保小学校に未来をみた

今週も忙しいような、ぼんやりしていたような、なんとも言えない気分のまま過ぎた。 印象に残ったのは、

記事を読む

no image

新年早々の願い事

今年最初の読書は意外にも(?)村上春樹『めくらやなぎと眠る女』(新潮社)。 装丁があまりに素晴らし

記事を読む

no image

未確認思考物隊

1月からどうやら本当に始まるらしい関西テレビの 変な番組のタイトルが決まったと連絡があった。 「未確

記事を読む

no image

沖縄発!プロとお手伝いによる地場映画

私の家を民宿(兼居酒屋)と勘違いしている沖縄の友人がいる。 ずうずうしい男なのだが、やっていることは

記事を読む

帰国。今回の無念について

昨夜、ソマリランド取材から帰国した。 今回の取材の目的は2つ。 一つは5月から連載を開始

記事を読む

no image

ソマリ人の好きな意外な食べ物

みなさん、新年明けましておめでとうございます。 とはいうものの、私自身は正月を迎えた気がしない

記事を読む

no image

『アジア新聞屋台村』見本とどく

 『メモリークエスト』に気を奪われていてすっかり忘れていたが、 本日、『アジア新聞屋台村』(集英社

記事を読む

no image

ボロボロのデビルマンみたいなやつ

月曜日、ヒストリーチャンネルの取材が終わったあと、 探検部の現役学生3名と飯を食う。 うち二人はニュ

記事を読む

no image

ハダカデバネズミのことはソマリ人に訊け?!

もうとっくに出発したと思ってらっしゃる方も多いだろうが、 実はまだいます。 やっと仕事が全部片付い

記事を読む

no image

写楽 閉じた国の幻

今日は仕事場(ドトールコーヒー)に行ったにもかかわらず、 まったく仕事ができなかった。 島田荘司『

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇のお知らせ

高野さんより、「デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇」のお知らせ

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

→もっと見る

  • 2025年7月
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    28293031  
PAGE TOP ↑