速報 最後の決戦の舞台
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
バンコクに着いた。
空港から乗ったタクシーの運転手に「タクシン派と軍の衝突は今どうだ?」と訊いたら
「マイペンライ!(なんでもない)」という答えでずっこける。
彼は「21人しか死んでない」とも言っていた。
どういう暢気さなんだろう。
バンコクでこんな騒動が起きているのは18年ぶりなのに。
サイアムスクウェア近くの宿に泊まることにしたが、
すぐ近くにタクシン派の赤シャツ軍団が大挙して道路を封鎖している。
バンコク最大の目抜き通りであるスクンビット通りが歩行者天国になっているのを
初めてみた。
屋台が出て、ただ飯を食わせるテーブルがあり、赤シャツグッズを売っていて、
寝るスペースも設けられている。
ほとんど縁日のようだ。
みなさん、長丁場で疲れがたまっているのか、単にヒマなのか、マッサージも大人気。
警備の警官までが赤シャツのおばさんに足をもんでもらっている。
なんだろう、このゆるさ。
そして宿に戻って今ネットを見たら
「タクシン派、最後の決戦に向けて終結」とあった。
私が今さっきうろうろしていたのは
「最後の決戦」の場だったのか。
ゆるさと過激さが無秩序に入り混じって、
まったくタイというのはわからない。
関連記事
-
海賊の少年とすしざんまい
裁判というのはひじょうに傍聴が難しい。 いつ行われるのか直前にならないと公表されないのだ。
-
2010年ノンフィクション・マイベストテン
続いてノンフィクション。 1位〜3位 木村元彦『悪者見参』『誇り』『オシムの言葉』(集英社文庫)
-
SPA!イスラム飲酒紀行はまだやってます
ときどき「SPA!のイスラム飲酒紀行は連載中止になったんですか?」と聞かれる。 パキスタン篇を2週連
-
『恋するソマリア』装丁公開
ついに1月26日刊行の『恋するソマリア』(集英社)がAmazonでもカバーと詳細情報がアップされ
-
ブータンはチベットではない
日本で入手できる唯一のブータン映画ということで、 5000円近くも出して「ザ・カップ 夢のアンテナ
-
人の旅がうらやましいときは
最近ここに書くのをすっかり忘れていたような気がするが、「メモリークエスト2」の方も少しずつ進めている
-
私が原稿を書けないワケ
今週は原稿を一行も書けていない。 毎日パソコンに何時間も向かっているのに。 もともと苦しまずに原稿が
Comment
AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0)
我が家からタクシン派のデモ会場(バンコク伊勢丹前)まで2Kmほど、部屋から見えるのですが、演説、歌謡ショウで煩いのなんの。朝まで続きますので酒を飲んで気絶するように寝ることお勧めします。